上田市議会 > 2017-07-24 >
09月11日-一般質問-02号

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  1. 上田市議会 2017-07-24
    09月11日-一般質問-02号


    取得元: 上田市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-10
    平成29年  9月 定例会(第3回)議事日程 第 1 諸般の報告 第 2 一般質問   (1)市政について   (2)市政について   (3)市政について   (4)市政について   (5)市政について   (6)市政について   (7)ひきこもり対策について   (8)市政について   (9)市政について   (10)未来につながる市民が活躍できることについて   (11)市政について   (12)市政について   (13)上田市が所蔵する美術品の調査研究及び活用について   (14)市政について   (15)市政について   (16)市政について   (17)松くい虫被害対策について   (18)市政について   (19)市政について   (20)市政について   (21)教育行政について   (22)市政について   (23)市政について   (24)市政について   (25)市政について                                              本日の会議に付した事件 日程第1から日程第2(9)まで                                              出席議員(30名)    1番   林     和  明  君     2番   佐  藤  論  征  君    3番   山  田  英  喜  君     4番   成  瀬     拓  君    5番   松  尾     卓  君     6番   小 坂 井  二  郎  君    7番   金  子  和  夫  君     8番   土  屋  勝  浩  君    9番   松  山  賢 太 郎  君    10番   井  沢  信  章  君   11番   松  井  幸  夫  君    12番   宮  下  省  二  君   13番   原     栄  一  君    14番   池  田  総 一 郎  君   15番   古  市  順  子  君    16番   金  沢  広  美  君   17番   三  井  和  哉  君    18番   下  村     栄  君   19番   西  沢  逸  郎  君    20番   安  藤  友  博  君   21番   尾  島     勝  君    22番   土  屋  陽  一  君   23番   佐  藤  清  正  君    24番   小  林  隆  利  君   25番   南  波  清  吾  君    26番   久 保 田  由  夫  君   27番   渡  辺  正  博  君    28番   半  田  大  介  君   29番   池  上  喜 美 子  君    30番   深  井  武  文  君                                              説明のため出席した者     市    長   母   袋   創   一   君     副  市  長   井   上   晴   樹   君     秘 書 課 長   室   賀   久   佳   君     政策企画部長   小 野 塚       究   君     総 務 部 長   神   代   芳   樹   君     行政管理課長   海   瀬   寿 美 男   君     財 政 部 長   山   口   武   敏   君     財 政 課 長   倉   島   弘   一   君     市民参加協働   片   岡   文   夫   君     部    長     上田地域自治     セ ン ター長     生活環境部長   山   口   泰   芳   君     福 祉 部 長   近   藤   聖   一   君     福祉事務所長     健 康 こども   小   林   一   彦   君     未 来 部 長     商工観光部長   倉   島   義   彦   君     農 林 部 長   中   澤   勝   仁   君     都市建設部長   翠   川       潔   君     消 防 部 長   長 谷 川   好   明   君     丸子地域自治   谷   仲   英   彦   君     セ ン ター長     真田地域自治   山   宮   正   久   君     セ ン ター長     武石地域自治   木   藤   忠   彦   君     セ ン ター長     会 計 管理者   樋   口   孝   子   君     上下水道局長   宮   澤   正   彦   君     教  育  長   小   林   一   雄   君     教 育 次 長   中   村   栄   孝   君                                              事務局職員出席者     事 務 局 長   金   井   浩   一   君     事 務 局次長   中   村       史   君     議会担当係長   星   野   陽   一   君     主    査   鈴   木   康   平   君     主    査   徳   永   頼   信   君     主    事   福   澤   雄   史   君          午前 9時30分   開議 ○議長(土屋陽一君) それでは、これより本日の会議を開きます。                       ◇ △日程第1 諸般の報告 ○議長(土屋陽一君) 日程第1、諸般の報告を行います。 4日の本会議散会後、一般会計決算特別委員会が開かれ、委員長に小林隆利議員、副委員長に土屋勝浩議員が互選されましたので、報告いたします。 次に、その後提出のありました請願について、事務局長に報告させます。 ◎事務局長(金井浩一君) ご報告申し上げます。 その後受理いたしました請願は、お手元へ配付申し上げております請願文書表のとおりであります。朗読は省略させていただきます。 ○議長(土屋陽一君) 請願については、事務局長の報告のとおり、所管の委員会でご審査願います。                       ◇ △日程第2 一般質問(1)市政について ○議長(土屋陽一君) 次に、日程第2、一般質問を行います。 まず、質問第1号、市政について、小坂井議員の質問を許します。小坂井議員。          〔6番 小坂井 二郎君登壇〕 ◆6番(小坂井二郎君) おはようございます。9月議会最初の質問者ということで、よろしくお願いいたします。通告に従って順次質問をしてまいります。 最初に、3月に上田市上空を飛行したオスプレイの上田市の対応についてお尋ねをいたします。米軍のMV―22、通称オスプレイが初めて日本に来たのは2012年、平成24年7月24日、山口県岩国基地に陸揚げされたのが最初のようです。それ以前の20日、中国四国防衛局からオスプレイの陸揚げ予定日の連絡が入り、配備手続の中止に向けて最後の努力を求める旨の山口県知事名の抗議文を手渡しましたが、23日、岩国基地でオスプレイ12機が陸揚げをされました。翌25日、知事が県議会議長、岩国市長、岩国市議会副議長とともに森本防衛大臣及び玄葉外務大臣に対し、安全確認前の陸揚げ実施に抗議をするとともに、長期間にわたる駐機は認められないという意向を伝えました。その後、沖縄普天間基地に配備をされ、岩国基地と普天間基地間を年に数回往復する程度でしたが、オスプレイの危険なところは、低空飛行訓練が頻繁に行われることにあります。 米軍機の低空飛行訓練ルートの存在は、日本各地で起きた米軍機事故報告書に記載されていることもあって、その存在は政府関係者には知られていたようですが、米軍が具体的な緯度、経度を含めてルートを明示したのはオスプレイ配備に伴う環境レビューが初めてだと言われております。その中にはグリーン、ピンク、ブルー、オレンジ、イエロー、パープルのカラーであらわされている6つのルートがあり、長野県はブルールートに入るとされています。そのルートが新聞等で公表されたため、長野県市長会は同年8月30日に総会を開き、オスプレイ飛行訓練について、安全性への懸念が払拭されるまでは飛行訓練をさせない旨の議決をいたしました。特に新潟県粟島を起点とするブルールートから長野県への進入ルートとされる飯山市の足立正則市長は飛行訓練について、オスプレイは開発段階から事故が発生をしており、また配備後も墜落事故を起こしている。低空飛行訓練の安全性の確認が不十分であるとし、予定されている飛行ルートは山岳地帯ではなく飯山市街地であり、市民に大変な不安がある。安全確認がない限り飛行訓練には反対をすると明言をいたしました。また、松本市の菅谷市長は、乗鞍や上高地の周辺も影響を受ける模様で、県としてもっと反対をしないとなし崩し的にされてしまうと懸念を示しました。 以後、オスプレイについては沖縄県普天間基地での動きが時折報道される程度でしたが、昨年富士演習場や横田基地へも飛来するようになってきたため、長野県知事、市長会会長、町村会長連名で当時の稲田防衛大臣にオスプレイの飛行訓練についての要請書を提出し、飛行訓練の実態の情報開示と関係自治体及び地域住民に対して十分説明するように要請をしました。さらに、本年3月6日から17日にかけて新潟県関山演習場と群馬県相馬原演習場間での日米合同訓練の実施が予定され、オスプレイの参加も予定されているとの発表を受けて、訓練に関する情報の提供を求める新たな要請書も提出をいたしました。しかし、何らの情報提供がないまま3月9日午後、上田市上空を初飛行しました。 そこで、お伺いをするわけですが、その後数日にわたって何度も上田市上空を飛行しましたが、市ではこれらの飛行回数や時間帯をどのように把握をしているのかお尋ねして、第1問といたします。 ○議長(土屋陽一君) 神代総務部長。          〔総務部長 神代 芳樹君登壇〕 ◎総務部長(神代芳樹君) おはようございます。オスプレイの上田市の上空飛行と対応についてご質問をいただきました。 本年の3月6日から17日にかけて、新潟県の関山演習場及び群馬県相馬原演習場等において米軍の新型輸送機MV―22オスプレイなどを使用した陸上自衛隊と米海兵隊との日米合同訓練が実施されました。訓練に伴いまして3月9日には県内に初めてオスプレイが飛来し、その後も13日から17日にかけて東北信地域において飛行が確認されたほか、20日には中南信地域で飛行が確認をされました。 この間の市内におけるオスプレイの目撃等の状況でございますけれども、3月9日の午後、13日午後、15日午後、16日午前、17日午前と午後、合計で14回の飛行が確認をされております。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 小坂井議員。          〔6番 小坂井 二郎君登壇〕 ◆6番(小坂井二郎君) 答弁をいただきました。 当時の報道によりますと、千曲川の川筋に沿って飛行したとのことですが、高度やルートなどの実際の飛行経路はどうだったのかをお尋ねいたします。また、県との連絡や情報交換の状況はどうだったのか、お尋ねをいたします。また、これらの状況に対して市民からの市への問い合わせはどのようなものがあったのか、お尋ねをいたします。 ○議長(土屋陽一君) 神代総務部長。          〔総務部長 神代 芳樹君登壇〕 ◎総務部長(神代芳樹君) 飛行の高度とルートでございますけれども、米国などから公表がされていないため正確なところはわかっておりませんけれども、長野県では目撃情報が寄せられる場合は、飛行高度は4つに分類することとなっておりまして、地上に一番近い状態から、模様、マーク等がわかる、次に機体の形がわかる、その次は機体の形はわからない、その次が見えないの4つでございます。県に寄せられた目撃情報では、この中で2つ目の機体の形がわかる区分の目撃情報が一番多い状況となっております。また、ルートにつきましても、千曲川に沿うように飛んでいたとの目撃情報もありますけれども、市街地上空を飛行するなどの情報もありまして、推測の域を出ないため正確なところはわかっておりません。 次に、県との連絡や情報交換の状況でございますが、近年佐久地域を中心として県内各地で米軍機や自衛隊機等による騒音等が確認されていることから、この実態をできる限り客観的に把握するため、県によって航空機の騒音等に関する問い合わせ受付票の様式が平成27年9月に定められました。市民から苦情や問い合わせがあった場合、この受付票により取りまとめの上で県に報告をすることになっておりまして、今回オスプレイの飛行についても、市の職員も含め市民から寄せられた情報はこの様式に従い取りまとめ、県に報告をいたしました。なお、報告を受けた県は、これに基づき、米軍機または自衛隊機の該当の有無を関係機関に照会をすることになっております。 県からの情報提供でありますが、3月の日米共同訓練期間中、北関東防衛局から提供された横田飛行場や訓練会場におけるオスプレイの離発着情報等のほか、オスプレイの飛行の有無について県が北関東防衛局へ行った照会に対する回答についても連絡をいただいております。 市民からの問い合わせ状況でございますが、3月9日から17日にかけて目撃情報や騒音、振動に関する苦情など、県に直接寄せられた分も含めまして20件の問い合わせがございました。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 小坂井議員。          〔6番 小坂井 二郎君登壇〕 ◆6番(小坂井二郎君) それぞれ答弁をいただきました。識別状況等もそれぞれ4つの分類の形があるということで、初めて知りました。今後も私も注意をしてみたいと思います。 次の質問に移ります。オスプレイは一般的に他の軍用機に比べて事故率が高いと言われております。最近もエンジンの故障により大分空港に不時着をし、いつ飛び立てるかわからないとの報道もありましたが、3日ほど前に修理が終わり、普天間基地に戻ったとの報道がありました。これらの状況を踏まえて、市民の不安に対してどのように考えているかをお尋ねいたします。 また、上田市の災害マニュアルを見ましたが、航空機事故への対応は示されていないように見受けられます。仮に今後航空機の不時着、墜落等があった場合、上田市の対応はどうなるのかをお尋ねいたします。 ○議長(土屋陽一君) 神代総務部長。          〔総務部長 神代 芳樹君登壇〕 ◎総務部長(神代芳樹君) オスプレイの安全性につきまして、米国政府は開発途中等において事故が発生しているが、事故原因への対策を行い、問題点はクリアされ、全ての信頼性、安全性基準を満たすとしておりまして、日本政府も独自の事故分析評価などを総合的に勘案し、運用についての安全性は十分に確認されたものと考えているとしております。しかし、昨年12月、沖縄県名護市沖で発生した不時着水事故や本年8月、在沖縄米軍所属のオスプレイがオーストラリア沖での訓練中に海に落下する事故が発生するなどしております。米軍はその都度飛行を一時停止し、安全性の確認等を行った結果、機体自体の安全性は確認されたとし、防衛省もその説明を理解できるとしておりますが、オスプレイの安全性に対する市民の不安感は一層強くなっていると考えております。 そうした中で、さきの日米共同訓練において上田市上空をオスプレイが何度となく飛行したほか、今後も平成31年10月以降、米空軍が横田飛行場に配備をする予定のCV―22オスプレイの訓練空域に上田市を初めとする県内17市町村が含まれておりますことから、これまでも市長会等を通じてオスプレイの安全性の確認や飛行訓練ルートなどの具体的内容について事前に十分説明するよう要望をしてきておりますけれども、引き続き市長会等を通じた要望により市民の不安感の払拭に努めてまいります。 次に、オスプレイの不時着、墜落等があった場合の対応でございますけれども、米軍による我が国における施設、区域の使用などについて規定をした日米地位協定の実施に関する協議機関である日米合同委員会において了承をされたガイドラインがありまして、これに基づいて対応がなされることになります。このガイドラインは、日本国内の合衆国軍隊が使用する施設、区域の外で合衆国軍用航空機が墜落し、または着陸を余儀なくされた際に適用される方針と手続を定めております。事故が発生した場合は、事故現場を行政上管理する地方当局が救助、応急医療、避難、消火及び警察の業務を含む必要な業務を適宜行うこととされておりまして、上田市では必要に応じて災害対策本部を設置し、対応をすることとなります。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 小坂井議員。          〔6番 小坂井 二郎君登壇〕
    ◆6番(小坂井二郎君) 大変詳しく説明をいただきました。 市内には千曲川沿いの半径500メートル以内に幼稚園、保育園など7つの保育、教育に関連する施設がございますが、これからの飛行回数がさらにふえると思われるわけですが、今後上田市は県や市長会、町村会等と連携をして、さらに国や在日米軍に対して市街地を避けて飛行するように再度要請できないかをお尋ねいたします。 ○議長(土屋陽一君) 神代総務部長。          〔総務部長 神代 芳樹君登壇〕 ◎総務部長(神代芳樹君) 米空軍のCV―22オスプレイの横田飛行場への配備は、公表されていた当初の予定より遅くはなりましたけれども、先ほど申し上げましたように、第1陣の配備が平成31年10月以降に開始をされる予定となっております。その訓練空域には上田市の一部を初めとする17市町村が含まれております。また、3月に実施された日米共同訓練のように、オスプレイが参加する訓練が再び行われることも想定されますため、今後も上田市上空をオスプレイが飛行することが予想されます。上田市ではこれまでも市民の不安を払拭し、地域の安全、安心に影響を及ぼすことのないよう、県や市長会などを通じ、米軍機の飛行及びオスプレイの安全性に関する詳細な情報開示や住民説明、安全性の確保を国に求めてまいりました。また、長野県においては、3月の日米共同訓練実施の報道発表を受け、防衛大臣に対して訓練に関する情報をできる限り速やかに提供をすること、県民や観光客の安全、安心に支障を来すことがないよう万全の措置を講ずること、県内の市街地や観光地等の上空をできるだけ避け、県民や観光客に不安や懸念を抱かせることがないよう十分配慮することなどの要請を行ってきております。 安全保障に関する問題は国が責任を持って対応すべきことが基本であると考えておりますけれども、市民の不安を払拭し、市民の生命、財産を守るため、引き続き県や関係する市町村と歩調を合わせ、市街地上空の飛行をできるだけ避けていただくことを含め、市長会等を通じて国などに要請していきたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 小坂井議員。          〔6番 小坂井 二郎君登壇〕 ◆6番(小坂井二郎君) それでは、次の質問に移ります。 部落差別の解消の推進に関する法律について質問をいたします。この質問に関しては、3月議会の代表質問で我が新風会の深井代表が取り上げましたが、その後の状況についてお尋ねいたします。1969年、昭和44年に同和対策事業特別措置法が制定されて以来、地域改善対策特別措置法地域改善対策事業に係る財政上の特別措置に関する法律と、それぞれの時代に名前を変えながらも同和対策事業法は2002年、平成14年まで33年間にわたって実施をされてまいりました。この特別措置法はもともと10年間の時限立法でしたが、期限内に同和地区の環境改善事業が完了しなかったため、その後5度にわたって名前や事業内容が変わりながらも延長されることになりました。同和地区の住環境が大きく改善されたことを踏まえ、特別対策は終結することになりましたが、このことをもって部落差別が解決をしたとされたわけではありません。教育や就業、生活面においては大きな改善が見られつつも、なお格差が存在しております。また、残念ながら人々の差別意識も依然として存在し、解決されていない状況もございます。上田市が実施をしている市民意識調査でも同様の結果が示されております。そのため、特別施策が廃止された後も一般施策の中で残された課題への取り組みがなされるように地方自治体に求められております。 1965年、昭和40年の同和対策審議会答申は、同和問題は国民的課題であり、部落差別が現存する限り同和行政は積極的に推進をされなければならないと述べています。これを受けて、地域改善対策協議会は1996年、平成8年に特別施策の終了、すなわち一般対策への移行が同和問題の早期解決を目指す取り組みの放棄を意味するのではないと言っており、内閣も閣議決定でこれを了承し、今後も一般施策の中で実施をしていくことを確認しております。そのためには、これまでの同和行政の成果を踏まえつつ、部落問題の現状を的確に把握し、必要な施策を講じていくことが重要です。そして、人権侵害による被害者の救済や差別意識を生む新たな要因を克服するための施策などを視野に入れた新たな人権行政を創造することが求められております。 そこで、お聞きをするわけですが、法律の施行から間もなく1年を迎えようとする中で、第3条に規定する部落差別に関する国からの情報提供、指導、助言等はあったのかをお尋ねいたします。 ○議長(土屋陽一君) 片岡市民参加協働部長。          〔市民参加協働部長 片岡 文夫君登壇〕 ◎市民参加協働部長(片岡文夫君) 部落差別の解消の推進に関する法律につきまして、国からの情報提供等はあったのかというご質問でございます。 この法律は昨年平成28年の12月9日に可決成立し、12月16日に公布、施行されました。現在もなお部落差別が存在することを明記し、部落差別は許されないものであるとの認識のもと、これを解消することが重要な課題であるとされ、国の責務、地方公共団体の責務が法律で示されたところでございます。 法の第3条におきましては、情報の提供、指導及び助言を国の責務とし、地方公共団体は国との連携を図りつつ、その地域の実情に応じた施策を講ずるよう努めるとされております。10月13日に諏訪市で開催されます県内19市の担当者会議におきまして、各市の取り組み状況について情報交換が予定されているところです。 国からは、法律の施行についての通知があったほか、第6条に規定します国が実施する部落差別の実態に係る調査に向けまして、各自治体が行っている調査内容についての照会があったところでございます。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 小坂井議員。          〔6番 小坂井 二郎君登壇〕 ◆6番(小坂井二郎君) 答弁をいただきました。今後各市町村との情報交換の会があるということで、期待をしております。 第4条では、部落差別に関して的確に応ずるための相談体制の充実を求めているわけですが、国との連携、地域の実情に応じた施策として、上田市が今年度に行う施策や取り組みはどのような内容で進めていくのかをお尋ねいたします。また、従前より充実をさせたところはどのようなものかをお聞きいたします。 また、第5条では地方公共団体は地域の実情に応じた教育、啓発を行うことを求めているわけですが、上田市の実情に応じた教育や啓発とはどのようなものがあるかをお尋ねいたします。 ○議長(土屋陽一君) 片岡市民参加協働部長。          〔市民参加協働部長 片岡 文夫君登壇〕 ◎市民参加協働部長(片岡文夫君) 私からは相談体制の充実についてお答えいたします。 特別措置法が平成14年に終了し、一般対策に移行した後、相談事業についても一般相談として対応する自治体がふえ、県内の多くの市では部落差別に関する相談を人権相談の一つとして相談体制をとっている現状がございます。 しかしながら、上田市におきましては、部落差別は今でも残っていることから、同和問題の解決を人権問題の重要な柱として位置づけ、解放会館に専門の相談員を配置するとともに、部落解放同盟上田市協議会に各種相談業務を委託し、市の相談員による対応が困難な案件を含めて対応していただくなど、従来から相談体制の充実を図っているところでございます。今後もこれらの相談体制を維持し、関係団体との連携、協働によりまして差別解消に向けた取り組みを継続して行ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 小林教育長。          〔教育長 小林 一雄君登壇〕 ◎教育長(小林一雄君) 上田市の実情に応じた教育、啓発とはどのようなものであるかというお尋ねでございます。 教育委員会では全ての人々がお互いの人権を尊重し合い、心豊かに安心して暮らせる希望に満ちた上田市としていくために、上田市人権尊重のまちづくり条例及び上田市人権施策基本方針に基づいて人権同和教育と人権啓発に取り組んでおります。上田市が平成24年度に実施した人権に関する市民意識調査では、同和問題において市民の6割を超える方が今も差別が残っていると回答しているとおり、学校を初め地域や家庭において同和教育の実態を正しく教育、啓発していくことが必要であります。 上田市の実情に応じた教育、啓発を具体的に申し上げますと、学校では、幼稚園、保育園から小学校、中学校、養護学校、高校、大学まで一貫した人権同和教育が推進されるよう、それぞれの学校の人権担当者が一堂に会し、指導上の問題点や課題等の共有化を図る会議を開催するとともに、同和問題を含む人権に関する講演会や研究授業を行い児童生徒を育成しています。また、企業では、市内約200社から成る上田市企業人権教育連絡会において、新入社員人権研修会や人事担当者向け講演会、国や県が実施する学習会等に出席参加し、企業内の人権同和教育や人権啓発を推進しています。さらに、公民館の社会教育施設を中心に、市民みずからの発想に基づき、幅広い年齢層の方を対象とした同和教育を含む人権に関する講演活動、学習会等を行っています。今月15日、22日、29日にも中央、西部、上野が丘公民館において同和教育に関する地区集会が開催される予定となっています。 最近では人権を大切にする地域、企業、組織は発展すると言われておりますが、同和問題を含むさまざまな人権課題に対する正しい知識を深め、もう一度命や人の大切さを見詰め直すとともに、自分も他人も意見は違ってもかけがえのない存在であること、また誰もが人権を尊重することの重要性を考える機会がふえ、人権尊重の精神が生活の中に根づくよう、学校、企業、公民館等さまざまな場において引き続き教育、啓発活動を実施してまいります。 ○議長(土屋陽一君) 小坂井議員。          〔6番 小坂井 二郎君登壇〕 ◆6番(小坂井二郎君) この法律の目的は、現在もなお部落差別が存在するとともに、情報化の進展に伴って部落差別に関する状況の変化が生じているということが基本になっております。先ほどの質問でも述べたように、以前の法律は同和地区の環境改善と生活実態の向上を主眼に置かれたものであり、同和施策を行う自治体への財政上の特別支援をするための法律でした。今回の法律は、法律の頭に部落差別という冠がついた我が国の法律上初めての法律です。ということは、そのような法律をつくらざるを得ないというような状況があると言えるのではないでしょうか。その状況とは、インターネットのすさまじい進歩です。情報発信や情報提供を初め、高齢者にはスマホを使っての安否確認や情報伝達、若きはネットゲームや音楽など生活の中には必要不可欠な状況です。その中でネット上では同和地区の場所や暮らし向きを記した情報や市町村ごとに同和地区住民の苗字を記したもの、関係するニュースなどが公開され、拡散されています。国はそのような状況に鑑みて、これらの情報の拡散の予防や解消と、拡散に加担する人をこれ以上ふやさないための施策を求めたと思われます。 そこで、お聞きしますが、市の情報公開に伴い、同和対策事業に関係する各種施設の名称と所在地が記載された条例があり、市のホームページ上で公開されておりますが、どのような条例があるのかをお尋ねいたします。また、ホームページ上でこれらの条例が公開されていることで差別を誘発することが危惧されるわけですが、市の考えをお尋ねいたします。 ○議長(土屋陽一君) 神代総務部長。          〔総務部長 神代 芳樹君登壇〕 ◎総務部長(神代芳樹君) 条例は、市民の権利義務に関する事項や料金の徴収に関する事項、公の施設の設置に関する事項など、その内容が市民生活に影響を及ぼす事項を定めますことから、地方自治法においては制定または改廃の都度公布しなければならないと定められておりまして、上田市においては市内7カ所の掲示板に掲示をして、成立した成文の内容を公表しております。また、市民の例規検索の利便性向上を図るため、全ての条例及び規則等を登載した例規集をデジタル化して、市のホームページ上でデータベース化した例規集を公開しております。 お尋ねの同和対策事業に関係する各種施設の設置及び管理に関する条例は5つございます。上田市解放会館条例、上田市同和対策集会所条例、上田市同和対策共同作業所条例、上田市同和対策霊園条例、上田市同和対策農業近代化施設条例の5つの条例がありまして、いずれの条例も地方自治法の定めにより、設置及び管理に関する事項として施設の名称と位置を定めております。近年インターネット上には全国の被差別部落の地名や人口、地域の人々の姓や従事する職業など、差別を助長する情報が公開されていたり、無責任に同和地区の地名を書き込むなどの差別的な行為が存在しておりまして、議員ご指摘のとおり、悪意のある人間が公開されている施設の名称及び位置の情報をもとに差別行為を行う可能性も十分に考えられるところであります。 同和地区を特定し、または特定し得る情報の情報公開請求をめぐる判例においては、設置管理条例により公にしているものは、単にそれぞれの公の施設が現在どういう名称で、どこに所在しているかという情報にすぎず、その施設のある地域が同和地区であることを明らかにするものではないこと、施設の名称や所在地等に係る情報それ自体は、施設が設置されている地区が同和地区であることを直ちに意味するものではないとされております。例規に関しては、現在のところ例規集として冊子の状態でも一般に公開をしていることから、市のホームページ上で公開しております当該条例の閲覧についても制限することは考えておりませんけれども、情報化の進展に伴い差別的な行為が存在している現状を踏まえ、国及び県の情報公開のあり方の見解や類似する条例を定めている県内他市町村の動向等を注視し、ホームページ上での閲覧制限の是非につきまして今後研究してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 小坂井議員。          〔6番 小坂井 二郎君登壇〕 ◆6番(小坂井二郎君) 答弁をいただきました。今後ともぜひよりよい方向で研究をされるようにしていただければ大変安心ができるのではないかなと考えております。 次に、法律があるから差別があると誤解をしている方々もおりますが、例えるなら消防法があるから火事が起きる、消防車があるから火事が起きると言っているようなものと考えております。ちなみに、この質問をするに当たりいろいろな法律を見てまいりました。この中で消防法第1条には、この法律は火災を予防し、警戒、鎮圧をし、国民の生命、身体、財産を火災から保護するとともに、火災または地震による被害を軽減するとともに、災害等による傷病者の搬送を適切に行い、もって安寧秩序を保持し、社会公共の福祉の増進に資することを目的とするとあります。これを同和問題に当てはめると、部落差別事象の発生を予防、警戒し、同和地区住民の生命、身体、財産を人権侵害から保護するとともに、人権侵害の被害を軽減し、被害者の保護を適切に行い、もって安寧秩序を保護し、社会公共の福祉の増進に資することを目的とするとなります。まことにもって消防法の精神に感服をいたしました。 そこで、お尋ねしますが、部落差別を初めとするあらゆる差別の解消に向けての今後の上田市の考え方をお尋ねして、質問を終わります。 ○議長(土屋陽一君) 片岡市民参加協働部長。          〔市民参加協働部長 片岡 文夫君登壇〕 ◎市民参加協働部長(片岡文夫君) 差別の解消に向けての考え方というご質問をいただきました。部落差別につきましては、先ほど教育長が申し上げましたように、まだまだ差別意識が残っているという状況がございます。全国的にはインターネット上に被差別部落の地名や所在地を公開するなどの人権を無視した行為が今もなお発生しているという事態もございます。部落差別の解消の推進に関する法律は、こうした中、成立、施行されたものでございます。こうしたことから、学校におきましては、現在もなお残っている部落差別の現実を学び、差別の不当性を見抜く力と差別に立ち向かう力の育成を目指し同和教育を推進しているところであり、また各公民館等の社会教育におきましても随時同和問題を取り上げ、人権啓発を進めているところでございます。 同和問題を解決するためには、私たち市民一人一人が同和問題に対する正しい知識と理解を一層深めるとともに、みずからの人権意識を見詰め直し、みずから啓発していく姿勢が必要でございます。これまでもさまざまな取り組みを進めてきたところではございますが、今後も引き続きあらゆる差別の解消に向け、学校、地域、企業などでの人権同和教育と啓発の推進、人権啓発団体への支援など関係団体との連携、協働によりまして一人一人の人権が尊重される社会を目指してまいります。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 小坂井議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午前10時09分   休憩                       ◇                                午前10時25分   再開 ○議長(土屋陽一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(2)市政について ○議長(土屋陽一君) 次に、質問第2号、市政について、佐藤論征議員の質問を許します。佐藤論征議員。          〔2番 佐藤 論征君登壇〕 ◆2番(佐藤論征君) それでは、議長の許可を頂戴いたしましたので、通告に従い質問をしてまいります。 まず初めに、大規模災害時の応急対策について質問いたします。応急対策の中でもまず応急仮設住宅について質問をいたします。災害時住家が滅失した被災者のうち、みずからの資力では住宅を確保することができない者に対し、簡単な住宅を仮設し、一時的な住居の安定を図るために設置される応急仮設住宅について、長野県は本年3月に県内全77市町村が災害発生直後に直ちに応急仮設住宅が建設できるように候補地を決定したとの発表をいたしました。長野県での総数としては524カ所、建設可能な敷地総面積317万5,664.78平方メートルで、1戸当たりの敷地面積を100平方メートルと想定すると、3万1,629戸建設可能な候補地が選定されました。上田市においては、候補地として公有地38カ所、建設可能な敷地面積34万8,712平方メートル、1戸当たりの敷地面積を100平方メートルと想定すると、3,468戸建設可能な候補地を選定しております。上田市の応急仮設住宅建設候補地は長野県でも最も広い面積を選定確保しており、県内最大の面積を選定していることは非常に高く評価できることであります。 まず、上田市の応急仮設住宅建設候補地の詳細についてお尋ねいたします。まず1点目として、上田市の応急仮設住宅建設候補地は全て公有地が選定されておりますが、どのような公有地を候補地として選定したのか。 2点目として、長野県応急仮設住宅建設マニュアルの中で、応急仮設住宅建設候補地の選定条件が何点か示されておりますが、その中でも、1、災害時の瓦れき置き場、自衛隊の拠点、ヘリポート等の災害救助対策用地となる用地と重複しないこと、災害危険区域等でないこと、2、地形として基本的には平たん地であること、候補地がない場合は造成工事が可能な傾斜地も可能としております。3、原則としてライフラインが整備されていること、下水道については浄化槽で対応できるが、上水道は必要、以上の3条件は選定条件の中でも非常に重視すべき点であると考えますが、これら3点の条件について、上田市が選定した応急仮設住宅建設候補地は条件を満たしているのか。 まず、以上2点についてお尋ねいたします。 ○議長(土屋陽一君) 神代総務部長。          〔総務部長 神代 芳樹君登壇〕 ◎総務部長(神代芳樹君) 応急仮設住宅についてのご質問をいただきました。 最初に、上田市の応急仮設住宅の建設候補地でございますけれども、災害時の確保や管理が確実である公有地であること、広い敷地の確保が可能で、平たんであることなどから、市内小中学校の屋外運動場36カ所のほか、丸子北部グラウンド、旧養護老人ホーム陽寿荘跡地、合計38カ所を候補としております。県が本年1月に作成した長野県応急仮設住宅建設マニュアルでは、応急仮設住宅の建設候補地の選定条件として、建設候補地の状況、公有地などの所有関係、地形、ライフラインの有無、敷地面積などを挙げております。 上田市の候補地が選定条件を満たしているかとのご質問でございますが、ヘリポートなどの災害救助対策用地と重複しないこと、平たん地であること、上水道が整備されていることにつきましては、全ての候補地で条件を満たしております。一方で、災害危険区域等でないことにつきましては、38カ所のうち山間部に位置する6カ所の小中学校などの候補地におきましては、敷地の一部が土砂災害警戒区域などに指定されている場所もあり、建設に当たってはこれを踏まえての対応が求められることとなります。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 佐藤論征議員。          〔2番 佐藤 論征君登壇〕 ◆2番(佐藤論征君) 次に、国において問題視し、多くの自治体でも苦慮している点についてお尋ねいたします。 まず1点目として、東日本大震災などを教訓に応急仮設住宅建設候補地の選定などが行われているわけですが、過去の災害の教訓として災害想定を数値化などにより具体化し、想定に基づく応急対応をしておくことは非常に重要であります。応急仮設住宅建設候補地を選定している多くの市町村においても、被災想定に基づく応急仮設住宅の必要戸数を算定していない市町村が多く見受けられます。そこで、上田市は被害想定に基づく必要戸数の算定はなされているのか、なされているとすれば、必要戸数はどのくらいと想定し、建設可能戸数は必要戸数を満たしているのか。 2点目として、応急仮設住宅は地域コミュニティーを維持するために、できる限り従来の居住地に近い場所に候補地を選定する必要があると考えます。現在の公有地のみの選定で山間部等の特定地域に候補地の確保はできているのか。 3点目として、過去の災害において応急仮設住宅を学校の校庭にした場合、校庭が利用できないことにより子供たちの学校生活が制限され、教訓として国も校庭に応急仮設住宅をできる限り建設すべきではないという方針に至っております。先ほどのご答弁では、上田市においては応急仮設住宅候補地として学校の校庭を多く選定しているとのことでありましたけれども、今後の見通しにおいて校庭利用についての見解はどうか。 以上3点お尋ねいたします。 ○議長(土屋陽一君) 神代総務部長。          〔総務部長 神代 芳樹君登壇〕 ◎総務部長(神代芳樹君) 最初に、上田市の被害想定に基づく必要戸数でございますけれども、被害想定は最も被害棟数の多い地震によるものを採用するとされておりますことから、平成27年3月に県が公表した第3次長野県地震被害想定調査報告書による糸魚川―静岡構造線断層帯全体を震源とする地震が発生した場合に、1万4,220棟が全壊、半壊するとの想定に基づき、これに供給率として乗じる値を県のマニュアルが示す方法を参考に3割として推計いたしますと、必要戸数は4,266戸となります。 候補地での建築可能戸数について、1戸当たりの敷地面積は100平米、最小でも70平米と示されておりまして、それぞれ試算いたしますと、敷地面積100平米では3,468戸、70平米では4,962戸となりまして、1戸当たりの敷地面積を100平米とした場合では必要戸数若干満たしておりませんけれども、70平米とした場合では満たしているという状況でございます。 次に、山間部等の特定地域に候補地の確保ができているかとのご質問でございます。住民がふだんから顔を合わせて生活をしている山間部等の地域におきましては、高齢者等被災地を離れることが難しい住民が多く、これらの方々が被災した場合の応急仮設住宅の建設は、従来の居住地に近い場所に位置していることが重要であります。小中学校などは一般的にこれらの施設を利用する方々の住居から大きく離れていることはないため、これらの敷地を候補地とすることで従来の居住地に近い場所での生活が可能になると考えております。上田市の応急仮設住宅の建設候補地はほとんどが被災された方々の従来の居住地に近い地元の小中学校の屋外運動場としていることから、山間部等においても候補地の確保ができているものと考えております。 次に、学校の校庭利用についての考え方でございますが、建設候補地の選定に当たりましては、県のマニュアルにも示されているとおり、公有地であり、災害救助対策用地と重複しない用地であることなどが必要となりますが、広い敷地を持つ上田古戦場公園多目的グラウンド等は自衛隊など応援部隊の活動拠点やヘリポートとされております。一方で、学校の屋外運動場は平たんで敷地が広く、地域コミュニティーの中心的な場所に位置し、ライフラインが既に整備されていることから、応急仮設住宅の建設候補地としての条件が整っておりまして、小中学校の屋外運動場、本来であれば避けたいところでありますけれども、候補地とせざるを得ない状況でございます。 しかしながら、応急仮設住宅の建設後、屋外運動場が利用できなくなることで子供たちの運動の機会を減少させてしまうなど教育上の課題もあることから、上田市の地域防災計画では学校施設用地を建設候補地とする場合は、学校の教育活動に十分配慮するものとしておりまして、応急仮設住宅を建設する際には教育委員会と協議するなどして、可能な限り教育活動に配慮をしてまいります。 今後の見直しにつきましては、例えば既存の公共施設が廃止になり、用地が確保できた場合や、新たに公用地が取得された場合などには、それらの用地の近くで建設候補地となっている学校と置きかえることができるか検討するなど、学校以外の候補地の確保についても配慮してまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(土屋陽一君) 佐藤論征議員。          〔2番 佐藤 論征君登壇〕 ◆2番(佐藤論征君) 上田市における応急仮設住宅建設候補地の選定については、長野県応急仮設住宅建設マニュアルの条件に合う学校の校庭以外の候補地を選定することは非常に難しいことかと思います。災害発生時、早期に災害前の学校生活を取り戻すことは子供たちにとってあらゆる面で非常に重要であると考えます。学校の校庭以外での候補地確保について今後さらに研究、検討をいただきたいと思うところでございます。 次に、長野県応急仮設住宅建設マニュアルの中の候補地選定後の取り扱いについてお尋ねいたします。1点目として、長野県応急仮設住宅建設マニュアルでは、災害発生時の体制準備について、建設候補地リストは紙やデータ等の複数媒体により関係する所属で保管、管理し、災害発生後直ちに活用できるようにすることとしておりますが、上田市は長野県の方針どおりの体制が構築されているのか。 2点目として、同マニュアルにおいて候補地の定期見直しの方針として、土地の利用状況の変化に対応するため必要に応じ見直すこととしておりますが、上田市としてどのような方針、周期で見直しを実施していく考えか。 以上2点お尋ねいたします。 ○議長(土屋陽一君) 神代総務部長。          〔総務部長 神代 芳樹君登壇〕 ◎総務部長(神代芳樹君) 最初に、建設候補地リストの保管、管理のご質問でございます。上田市では応急仮設住宅の建設候補地を一覧表にして管理をしておりまして、電子データとともに候補地の所在地図、敷地内の施設などの配置図、周辺の上下水道配管図などの紙の資料とあわせて、危機管理を所管する課所において一元的に保管、管理し、災害時にすぐ活用できるようにしております。なお、現在は関係各課の間では情報の共有が行われておりませんので、今後は庁内の情報ネットワークを通じて共有をしてまいります。 次に、応急仮設住宅の建設候補地の見直し方針でございますが、県のマニュアルでは土地の利用状況の変化に対応するため必要に応じて見直すこととしておりまして、その項目として、建設候補地の敷地面積などの基本情報、公有地、民有地の別などの所有状況、土砂災害警戒区域等の敷地の状況、上下水道の整備状況などのライフラインの状況などが示されております。上田市におきましても県のマニュアルに示されている項目について、候補地の現況が応急仮設住宅の建設地として適切であるか、平常時から確認しておくことが必要であると考えますけれども、上田市の建設候補地のほとんどが現在小中学校の屋外運動場としておりますことから、見直しにつきましては、小中学校建てかえや改築など候補地の現況に変更があった場合を捉えて行うとともに、土砂災害警戒区域等や付近の河川における浸水想定区域等が変更された場合など、適切な対応に努めてまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(土屋陽一君) 佐藤論征議員。          〔2番 佐藤 論征君登壇〕 ◆2番(佐藤論征君) 次に、応急仮設住宅の中でも民間賃貸住宅等を借り上げ、供与するみなし仮設住宅、借り上げ仮設住宅についてお尋ねいたします。 借り上げ仮設住宅を設置する場合、応急仮設住宅を建設する場合に比べ、短期での使用であれば賃貸住宅を借り上げたほうがコストが抑えられ、当然のことながら建設期間も要しないため多くのメリットがあります。また、公営住宅を借り上げ、仮設住宅として使用する場合、手入れが必要な住宅や浴槽、風呂がまのない物件もあり、利用者の負担が大きくなる可能性があります。民間賃貸住宅の空き物件については、設備が充実し、手を加えずに即座に入居できる物件が多くあります。これらのことから、上田市として借り上げ仮設住宅を応急仮設住宅設置の主たる災害時住宅確保策として、なおかつ民間賃貸空き物件の借り上げを主体とするべきと考えますが、上田市の災害時住宅確保策として民間賃貸住宅の借り上げを主体とすることはできないか、お尋ねいたします。 ○議長(土屋陽一君) 神代総務部長。          〔総務部長 神代 芳樹君登壇〕 ◎総務部長(神代芳樹君) お話をいただきましたとおり、応急仮設住宅には建設仮設住宅のほかに民間の賃貸住宅等を借り上げて供与するみなし仮設住宅がございます。このみなし仮設住宅は、既存の空き家を利用するため比較的短期間で提供が可能であり、建設仮設住宅と比べてコストを抑えられることに加え、立地や物件など条件の選択幅が広く、プレハブ等の仮設住宅より快適なことが多いなどのメリットがございます。一方、被災時にあいている民間賃貸住宅が十分に確保できない、あるいは地域によっては借り上げ可能な民間賃貸住宅の戸数が少ないなどの課題のほか、東日本大震災や熊本地震においては不動産業者自体の被災や自治体職員の不足などにより十分に機能しなかったという課題も報告されております。 しかしながら、大規模災害時には圧倒的に住まい不足が想定されることから、被災者の住まいの確保を迅速に行っていくためには、みなし仮設住宅として積極的に活用していくことも必要であると考えております。 応急仮設住宅の供与は、災害救助法で規定されている救助の種類の一つでありまして、法が適用された場合の救助の実施主体は原則都道府県とされております。県のマニュアルでは、被災者が借り上げ仮設、いわゆるみなし仮設を希望する場合や自宅の応急修理により住宅確保ができる場合はこれらを優先し、応急仮設住宅の供与に当たっては、建設仮設住宅にこだわることなく、コミュニティーの維持等に配慮しつつ、みなし仮設住宅も有効に活用すべきであるとされておりますので、災害時にはこのマニュアルに沿った対応が行われるものと理解しております。 上田市といたしましても、県と連携をしながらマニュアルに沿って用地の確定、市民の意向聴取など、市町村の役割を適切に実施してまいります。 また、内閣府の大規模災害時における被災者の住まいの確保策に関する検討会がこの8月にまとめた提言では、被災者が自宅を修理して住み続ける在宅避難への支援強化や、民間住宅の空き家活用を求めておりまして、この提言を受け、政府も来春以降に具体的検討に入る方針とされております。 上田市といたしましては、災害時の住居確保策について、民間賃貸住宅の借り上げも含めまして、提言にあるようなさまざまな確保策が必要と考えますので、今後の国の動向などを注視して検討してまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(土屋陽一君) 佐藤論征議員。          〔2番 佐藤 論征君登壇〕 ◆2番(佐藤論征君) それでは、次に応急危険度判定士についてお尋ねいたします。 応急危険度判定士が行う応急危険度判定は、大地震により被災した建築物を調査し、その後に発生する余震などによる倒壊の危険性や外壁、窓ガラスの落下、附属設備の転倒などの危険を判定することにより、人命にかかわる二次的災害を防止することを目的としております。その判定結果は建築物の見やすい場所に表示され、居住者はもとより付近を通行する歩行者などに対してもその建築物の危険性について情報提供することとしております。また、これらの判定は建築の専門家が個々の建築物を直接見て回るため、被災建築物に対する不安を抱いている被災者の精神的安定にもつながるとも言われております。災害時大きな役割を果たすのは言うまでもなく、災害後迅速な判定が重要であります。 そこで、1点目として、市職員のうち有資格者は何人か、また今後は有資格職員を何人確保する方針か。 2点目として、上田市では災害時の応急危険度判定士の必要人数を何人と想定しているのか。また、他自治体や一般社団法人長野県建築士会上小支部からの派遣により応急危険度判定士の確保はできるのか。 3点目として、避難施設の応急危険度判定による安全確保を行うため、市では一般社団法人長野県建築士会上小支部と協定を締結しておりますが、一般社団法人長野県建築士会は県と建築物災害応急活動に関する協力協定を締結しております。広域的な大規模災害が発生した場合を想定し、一般社団法人長野県建築士会上小支部の派遣の優先順位などについて調整を図っているのか。 以上3点お尋ねいたします。 ○議長(土屋陽一君) 神代総務部長。          〔総務部長 神代 芳樹君登壇〕 ◎総務部長(神代芳樹君) 応急危険度判定士は、都道府県知事が被災建築物応急危険度判定要綱に基づき認定をした建築士で、現在市職員のうち16人がこの認定を受けております。今後建築士の資格を有する職員、ふやすことができれば応急危険度判定士講習会を受講し、応急危険度判定士をふやしていきたいと考えております。 次に、災害時の応急危険度判定士の必要人数とのご質問ですが、まず上田市に甚大な被害をもたらす地震が起きた場合の応急危険度判定士派遣の流れでございますけれども、市の災害対策本部が設置された後に、この対策本部から県の災害対策本部に判定士の派遣を要請することとなります。要請を受けた県の災害対策本部は、協定を結んでいる長野県建築士会の協力を得て広域的な判定士の派遣要望計画書を作成しまして、他自治体からの派遣も含め応急危険度判定士の派遣を行うこととなっておりまして、災害発生から二、三日後の実動が一般的であります。 熊本地震の際の状況等を参考に判定必要件数を仮に4万棟と想定をいたしますと、応急危険度判定士の必要人数は、1班2名で1日に20件調査できるとして、1日100班で20日間かかることになりまして、1日当たり200人の判定士が必要となります。このため、県災害対策本部からの応急危険度判定士の派遣は、被災地以外の県内外の判定士や他自治体の応援も得て確保をしていくこととなります。 次に、広域的な大規模災害が発生した場合を想定しての派遣の優先順位の調整についてのご質問です。上田市と長野県建築士会上小支部とは平成24年3月に災害時における応急危険度判定の協力に関する協定を締結していますが、この内容は、地震発生時に市が定めた広域避難場所等の応急危険度判定を災害発生後要請を待つことなく8時間以内に行うというものであります。また、県と長野県建築士会が締結している協力協定は長野県全域を想定した協定のため、県の依頼を受けた長野県建築士会は、長野県建築士会上小支部の判定士を含め県内全域から判定士を招集して、2日から3日後に被災地の住宅等の応急危険度判定に入ることとなります。このため、広域的な大規模災害が発生した場合には、長野県建築士会上小支部に限った派遣の優先順位などの調整は行われないこととなりますので、ご理解をお願いいたします。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 佐藤論征議員。          〔2番 佐藤 論征君登壇〕 ◆2番(佐藤論征君) それぞれご答弁いただきました。 それでは、次に運賃低減バスについてお尋ねいたします。私が所属いたします環境建設委員会では、去る7月12日に地域公共交通優良団体大臣賞を受賞した岡山県玉野市の公共交通の再構築に向けた多様な取り組みを視察いたしました。玉野市においては、タクシー業界との連携を図り、通常運行しているタクシーを乗り合いタクシーとして利用し、配車には自動配車システムを導入し、効率的な乗り合いタクシーの運用を構築し、この乗り合いタクシーを既存路線廃止に当たり代替交通としました。既存路線を廃止するという思い切った方策をとり、ドア・ツー・ドアに近いシステムを構築したことにより、利用者の利便性を向上させた上、人口カバー率の向上、経費負担の削減にも成功しております。また、既存路線を廃止するのに当たり、住民の皆さんからは廃止に対し反対があったにもかかわらず、きめ細かい説明をしたことにより、住民の皆さんの了承を得た上で廃止した点は、これからの上田市の取り組みにとって非常に見習うべき取り組みでありました。 上田市も運賃低減バス実証運行期間終了後の方針として、状況によっては代替交通手段を確保しながら、経費負担の多い路線については廃止ということも検討しなければならない時期に来ているかと考えます。また、玉野市のこの取り組みを担当した当時の担当職員の方は、これらの実績を評価され、国土交通省より地域公共交通アドバイザーとして指定されており、全国各地で講演や指導をなされているそうです。 そこで、まず1点目として、以前私は一般質問において運賃低減バスの輸送人員の状況をお尋ねした際、目標に達しないながらも輸送人員はふえている傾向にあるとのことでしたが、その後これまでの輸送人員の推移はどうか。 2点目として、先ほどご紹介した玉野市では経費負担の多い路線を廃止し、代替策として通常運行しているタクシーを乗り合いタクシーとして利用し効果を上げておりますが、上田市も同じような交通政策を検討できないか。 3点目として、国土交通省が指定する地域公共交通アドバイザーのうち、行政機関での実績のあるアドバイザーから意見を伺い、市の施策の参考にする考えはないか。 4点目として、実証運行期間終了後の方針についてはいつまでに決定していくのか。 以上4点お尋ねし、私の最後の質問といたします。 ○議長(土屋陽一君) 翠川都市建設部長。          〔都市建設部長 翠川 潔君登壇〕 ◎都市建設部長(翠川潔君) 運賃低減バス及び路線バス等についてのご質問をいただきました。 最初に、運賃低減バスの輸送人員の推移からお答えを申し上げます。平成25年10月から運行を開始いたしました運賃低減バスの平成26年度の輸送人員は、実証運行開始後に運行を開始した路線、また運賃低減をしていない路線を除いて125万7,000人でございまして、実証運行開始前に比較して19.6%の増でございます。平成27年度は運行日数を減らした路線があったことなどから、輸送人員は121万3,000人となりまして、前年度と比較しますと減少をしておりますが、条件をそろえて率で比較をいたしますと21.9%の増でございます。平成28年度の輸送人員は122万9,000人でございまして、実証運行開始前と比較をして23.5%の増となっております。 次に、路線バス等代替策、乗り合いタクシーの関係で上田市も施策を検討できないかのご質問でございます。現在市内のバス交通につきましては、事業者が運行している路線バス、市街地循環バスを初めとする各種循環バス、オレンジバス、それから武石地域のデマンドバスなどの市が委託運行をしているバス、それから豊殿地区の皆さんが主体となり自主運行しているコミュニティバスがありまして、それぞれ地域の住民ニーズや地形的な条件など地域の実情に合わせた運行が行われております。 市といたしましては、路線バスを初めとするこれらのバスが地域の活力を維持し、医療、福祉、買い物、通勤、通学等の生活機能を確保し、高齢者も安心して暮らせるために大きな役割を果たしてきたことを踏まえまして、将来にわたり持続可能な公共交通網の維持に向け、「乗って残す」、「乗って活かす」を基本理念として現在まで財政的支援を行い、維持、確保に努めてきたところでございます。 今後もそれぞれのバス運行につきまして、引き続き維持、確保に努めるとともに、比較的経費負担が大きいと考えられる路線、1便当たりの利用者数が少ない路線は、廃止を含めた運行の見直しを行う必要があるというふうに考えております。 しかしながら、議員ご指摘のように、単に廃止をするのではなく、地域の足を守るため、公共交通の空白地帯が発生しないよう、議員ご提案の乗り合いタクシーなどの代替策についても検討をしてまいりたいというふうに考えております。 続きまして、地域公共交通アドバイザーの関係のご質問でございます。平成19年10月に施行されました地域公共交通の活性化及び再生に関する法律におきましては、国の努力義務といたしまして、市町村、公共交通事業者等が行う地域公共交通の活性化や再生を推進するために必要となる情報収集、分析及び提供、さらに人材の育成に努めなければならないとされております。このことから、国は市町村の置かれた環境条件や交通の現状を調査、分析するためのスキルの向上、これが必要であるといたしまして、市町村職員が体系的に手法や事例を学んだりするための研修会を実施しています。また、地域公共交通の検討、協議の場において専門知識や技術を持った職員が不足している実態を踏まえまして、市町村の要望、要請に応じ、地域公共交通に関する経験と知識が豊富でありますアドバイザーを派遣することとしています。 市といたしましても、これまで公共交通事業者、学識経験者、道路管理者等で構成いたします上田市公共交通活性化協議会におきまして、地域の公共交通の維持、確保に関する施策等について検討、協議し、実績を積んでまいりました。今後少子高齢化、過度の自動車依存などにより公共交通が衰退する環境変化に対応し、さらなる地域公共交通の活性化を図るためには、近年の公共交通政策を専門とする学識経験者を当協議会委員に加えるなどのほか、必要に応じて国の地域公共交通アドバイザーなどの有識者からアドバイスをいただくことも大変重要であるというふうに考えております。 次に、実証運行期間終了後の方針はいつまでに決定をするのかとのご質問でございます。ご案内のとおり、従来のバスの運行に対する補助といったものから乗車する人に対する補助ということに発想を転換した運賃低減バスの実証運行でございますが、平成25年10月から平成28年9月までの3年間の期間を定めて実施をしてまいりました。この3年間では目標とした利用者数、1.5倍でございますが、これを達成することができませんでしたが、右肩下がりでありました利用者数が年々少なからず増加していることなどを踏まえまして、さらに平成31年9月までの3年間実証運行を継続することといたしました。 市といたしましては、引き続き最新の時刻表、路線図などの全戸配布、それから新入高校生向けの周知やチラシ配布、また夏休みキッズパスの実施など利用促進策の実施に努めるとともに、路線ごとの検証をしっかりと行いながら、廃止や代替策を含めた見直しを検討して、平成31年度当初までには期間終了後の方針を決定してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 佐藤論征議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午前11時03分   休憩                       ◇                                午前11時19分   再開 ○議長(土屋陽一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(3)市政について ○議長(土屋陽一君) 次に、質問第3号、市政について、安藤議員の質問を許します。安藤議員。          〔20番 安藤 友博君登壇〕 ◆20番(安藤友博君) 通告に従い質問をいたします。 長月に入り、中秋の空を眺め、円満を願うときを迎えました。しかしながら、8月29日早朝5時58分、北朝鮮からのミサイル発射になり、長野県を含む東日本全域にJアラートが鳴り響き、中秋の日本の領空をミサイルが通過し、緊張が走る事態となりました。対話を模索する一方で有事に備える体制整備も急務と考えます。上田市もその有事に備える覚悟も必要なときを迎えていると感じながら、今後何を、どのような対応を図っていくのか、その覚悟を持つ危機感を抱いております。 それでは、資源循環型施設建設について伺ってまいります。上田地域広域連合は年来の課題である資源循環型施設建設の道を模索してまいりました。そして、本年度環境影響評価、環境アセスを行いたいとしています。上田市は当施設、いわゆるごみ焼却施設を、上田清浄園を解体して新たに建設したいと表明して以来、建設候補地所在地の市として地元対応をするために担当課を設け、地元との話し合いを進めています。今議会に私はその経過を踏まえ、地元住民の理解とコンセンサスがいかに図られてきたのかを検証し、上田市として今後補完すべき具体的姿勢を明らかにしたいと考えます。そして、一日も早い施設建設が図れることが既存施設の老朽化を考慮すると待ったなし必要不可欠であり、建設実現を強く要望するものであります。 そこで、伺います。市長は連合長の立場で、広域連合2月定例会で話し合いの機会を設け、誠意ある対応に努めるとしています。地元対策連絡会との協議、話し合いの状況はどうか、伺いたいと思います。 また、6月22日、上田市役所に対策連絡会の皆さんが出向き、話し合いが行われ、一歩前進したやに聞きますが、その具体的内容と今後どのように進めていかれるのかを伺い、第1問といたします。 ○議長(土屋陽一君) 山口生活環境部長。          〔生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕 ◎生活環境部長(山口泰芳君) 資源循環型施設建設についてのご質問をいただきました。 資源循環型施設建設対策連絡会の皆様との話し合いにつきましては、これまで懇談会等を開催し、意見交換を重ねる中で、出された課題について行政側の考え方をご説明することなどにより論点整理をしてまいりました。去る5月22日には3回目の懇談会を開催し、対策連絡会と広域連合事務局及び副市長以下市職員が出席し、11項目の課題について、より踏み込んだ意見交換を行いました。また、6月22日には、この11項目のうち特に懸案となっておりました「統合リサイクルプラザの併設と分離」と「焼却炉数の2炉構成と3炉構成」の2項目について、市長から直接対策連絡会の皆様に対し、広域連合と市の方針や今後の対応をご説明いたしました。 具体的には、統合リサイクルプラザについては、これまで上田市と東御市の不燃物処理施設を統合し、不燃物の処理と一時保管を行う施設を新しい統合クリーンセンターに併設する方針としてきましたが、改めて現状の不燃物処理施設の実態を調査し、各処理業者へヒアリングを行いました。その結果、現在の処理業者において今後も継続した事業展開が可能であり、将来的にも民間ノウハウを有効に活用できること、また収集運搬車の集中が避けられ、施設周辺の道路交通の安全性確保や渋滞緩和につながることなどのメリットが考えられることから、これまでの施設統合の考えにこだわらず、分離、分散の方向で検討、調整を進めることをご説明しました。 また、焼却炉数につきましては、これまでは2炉構成を基本とし、施設整備計画を策定する際に2炉構成と3炉構成を比較検討し最終判断するとしてきましたが、対策連絡会の皆様のご意見を踏まえ、将来的なごみ減量化にも対応しやすいこと、炉のメンテナンスのしやすさがあることから、延命化が図れることなどのメリットがある3炉構成を基本として検討を進めていくことをご説明しました。 市としましては、この話し合いにより対策連絡会の皆様に一定の理解が得られ、課題の整理ができたものと捉え、話し合いの最後に、次の段階として地域全体としての議論を深めるためにも地元住民の皆様への説明の機会が必要であることから、ぜひとも地元説明会を開催させていただきたいことをお願いいたしました。さらに、7月7日には対策連絡会代表幹事に対し、広域連合と市の連名の文書により住民説明会の開催をお願いいたしました。 その後、対策連絡会を構成する6団体ごとに今後の対応についてご検討いただいておりますが、対策連絡会からは、今後対策連絡会として説明会開催方法など詳細を詰める事項はあるものの、自治会ごとの説明会開催に向けて調整する方向で考えているとお聞きしております。今後広域連合と連携し、早期の説明会開催に向けて対策連絡会の皆様と調整を図ってまいります。 ○議長(土屋陽一君) 安藤議員。          〔20番 安藤 友博君登壇〕 ◆20番(安藤友博君) 答弁によりますと、一定の理解が得られたと、現在関係自治会ごとに説明会を検討していただいているというようなことでございます。私の情報では、もうちょっと早い時期にその説明会の開催ができるかどうかという、そのご返事をいただけるというようなこともちょっとお聞きしていたのですけれども、まだ検討中ということです。地元対策連絡会幹事会の役員の方からは、諏訪部自治会の言われている内容は本当に理解できる、今後の進め方は建設当該地の諏訪部自治会の判断にかかっている、諏訪部自治会の立場を顧みない結果になってはならないとの意見を聞きます。現在対策連絡会から離脱している諏訪部自治会と下沖振興組合の皆さんとはどのように解決をし、市長の言う話し合いの機会を設けることをいかに実現しようと考えているのか、伺いたいと思います。 ○議長(土屋陽一君) 山口生活環境部長。          〔生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕 ◎生活環境部長(山口泰芳君) これまでも対策連絡会と行政の話し合いの場に諏訪部自治会と下沖振興組合の皆様はご参加いただいておりませんでしたが、対策連絡会と行政の話し合いが実施されることや、その結果につきましては常に対策連絡会から諏訪部自治会に情報提供をしていただいておりました。本年6月には諏訪部自治会と下沖振興組合が対策連絡会を脱退されたことから、現在ではこれまでのように対策連絡会からの情報提供が行われなくなりました。このため、今後は市が諏訪部自治会と下沖振興組合に対しましてこれまでの対策連絡会と同様な対応をしてまいりたいと考えております。 なお、7月に広域連合と市から対策連絡会に対しまして説明会開催をお願いしましたが、同様に諏訪部自治会と下沖振興組合に対しましても説明会開催のお願いをいたしました。しかし、残念ながら諏訪部自治会と下沖振興組合からは、計画案の白紙撤回を申し入れてあり、説明会開催は断るとの回答をいただきました。行政としての説明責任を果たすためにも、また自治会員全員の皆様への情報提供をすることが必要と判断されることから、今後も諏訪部自治会と下沖振興組合に対し、公平で適正な情報提供に向けて対策連絡会と同様の対応をしてまいります。 ○議長(土屋陽一君) 安藤議員。          〔20番 安藤 友博君登壇〕 ◆20番(安藤友博君) 答弁をお聞きいたしました。 諏訪部自治会の関係者の中には、施設計画を概要であっても知りたいと考える皆さんもいると聞きます。諏訪部自治会内部を割らずに、説明会を希望する皆さんに向けてはどのように対応していくのか、そしてまた環境アセスを行うにはどのような時点で、どのような条件のもとで、何をもってなされるのか。庁内プロジェクトリーダーでもあり、関係する地元住民でもあり、市長名代として地元の方々と責任者という立場で接してこられた井上副市長にお伺いいたします。 ○議長(土屋陽一君) 井上副市長。          〔副市長 井上 晴樹君登壇〕 ◎副市長(井上晴樹君) 資源循環型施設の関係で諏訪部あるいは下沖の関係についてまず申し上げます。諏訪部自治会、それから下沖振興組合の皆様方につきましては、対策連絡会からの離脱という大変残念な事実がございますが、諏訪部の自治会の皆さんの中には行政からの声が届かないと、あるいは情報を得たいと、こういったお声もお聞きしておりますので、これらのお声も十分にお聞きしながら、あるいは受けとめながら話し合いの機会あるいは情報提供の場、こういったものが設けられるよう引き続き努力をしてまいりたいと思っております。 それから、環境影響評価の関係ですが、これにつきましては、ご承知のとおり、施設建設による環境上の課題について、地域の皆様のご心配あるいはご懸念にお応えするとともに、科学的な見地からあくまでこれによって施設建設の可否を判断するための一つの材料であるというふうに思います。ただ、これは、予算もそうですが、実施主体はあくまでも広域連合でございます。広域連合においても、それから上田市においてもこの環境影響評価につきましては、先ほど部長から答弁しましたとおり、対策連絡会の皆様と一定程度の話し合いが進んできている中で、両広域連合、上田市も一刻も早くこの影響評価に取り組みたいというふうに思っておるわけでございます。 上田市の立場としては、こうした作業開始に向けたまず環境整備をきちんと整えていくと、こういうことが使命であるというふうに思っています。我々としては、十分な説明責任を果たしながら、地元の皆さんと、あるいは地域全体の意見調整をさらに努めていく必要があるのだろうというふうに思っています。 いつかというお話は、これは最終的に広域連合、上田市の環境整備の状況を踏まえた上で広域連合全体で判断するものというふうに思っています。 以上です。 ○議長(土屋陽一君) 安藤議員。          〔20番 安藤 友博君登壇〕 ◆20番(安藤友博君) 副市長のほうから答弁をいただきました。 環境アセスを行うということの時期ですけれども、地元の皆さんはそれは非常に重要な部分だと認識しています。したがって、この出す時期は広域連合だよというようなことを今副市長のほうから聞きましたけれども、しかし地元対応をしている上田市ですから、その部分というのは重要な観点があると、そこをきちっとやはり説明をして、こういうことをもって行いますよということ、これは説明をしていかなければ詰まっていかないのではないかなというふうに思います。今後とも地元住民として信頼関係が構築できるように引き続き努めてほしいと思います。 前段の山口部長の答弁によりますと、地元対策連絡会から地元関係自治会の説明会について、現在開催に向けて調整をいただいているという、こういう答弁でした。大変ありがたいことだと思いますし、ここが私は一つのタイミングだというふうに思うのです。対策連絡会幹事会の方からは、建設当該地である諏訪部自治会が耳をかさない限りこの話し合いは進まないと断言している人もあります。市長にはどのように聞こえるでしょうか。説明会の開催をお願いできる状況になったならば、そのタイミングのときに現在対策連絡会から離脱している諏訪部自治会にこの際みずから出向いて、諏訪部自治会に赴く中で膝を交えることを重ねてお願いし、理解への道を醸成する考えはないか、お聞きしたいと思います。 一度混迷したことを解くには時間をかけて丁寧に誠意を持って対応する以外には方法はないと、このことについては市長の考え方について同意いたします。しかしながら、これほどまでに長期にわたって解決の糸口が見出すことができないとなりますと、民間では進退を問われるのが通例であると思います。また、本年2月に表明しました今年度から環境アセスを行っていくことこそも大変困難であるわけです。このタイミング、このときこそみずから諏訪部に出向いて概要説明だけでも聞いてほしい、耳を傾けてほしいと、一度でだめなら二度、三度と足を運び説得すべきと考えますが、どうか伺いたいと思います。 昨年の大河ドラマに登場した真田昌幸は、権謀術策の人として後世の評判は必ずしも芳しくない、対しまして無血開城へ導いた西郷隆盛は、長州征伐の戦後処理を命の危険を顧みず、みずから長州に乗り込み、話し合いによって解決をしています。 最後に、市長は政治家として身を賭して解決に任せる覚悟があるか、伺いたいと思います。 ○議長(土屋陽一君) 母袋市長。          〔市長 母袋 創一君登壇〕 ◎市長(母袋創一君) 安藤議員の質問に答弁いたします。 この資源循環型施設建設に当たって、上田市としても大いに広域連合の事業をサポートするということで人員配置等取り組んで我々来たところでございます。以前より申し上げているとおり、地域住民の皆様との十分な対話、そして合意形成に結びつけていく、このことは何よりも重要であることは改めて申し上げながら、対策連絡会同様に諏訪部自治会とはぜひ話し合いをさせていただきたい、これは当然のことながら考えておるわけでございます。これまでの話し合いの場に諏訪部自治会、また下沖振興組合の皆様にご参加いただけなかったことは大変残念に思っておるところでございます。 このようなことから、両団体との対話が進んでいない状況にあることは事実でございますけれども、先ほどタイミングというお話もございました。一方で、対策連絡会を構成する6団体、具体的に秋和、上塩尻、下塩尻各自治会、南部耕作者組合、そして桝網、欠口各土地改良区、こういった6団体皆様には現在地元説明会開催について、先ほど来お話が出ているとおり、調整をしているさなかでございます。 この件は広域連合、また上田市にとっても最重要課題であることは言うまでもございません。地域というものには感情的なものも含めさまざまなご意見はもしかしたらあろうかと思いますが、直接地元の皆様のご意見、ご要望をお聞きし、理解を深めながら答えを導き出していく必要があることは当然のことであります。 私は、いつでもみずから機を捉えて地元に出向くと、広域、また市の担当にも指示をしてあります。そういう中ではございますが、諏訪部自治会のみならず、区民、こちらの声、いろいろな声が耳に届いております。先ほど副市長が答弁したこともそうでございます。また、下沖振興組合の皆様に話をする用意はいつでもできておりますが、この今は、まさにこの一、二カ月、これは私どもに耳を傾けようとされている対策連絡会の対応とか変化、これをやはり優先して、まずそちらを片づけていきたい、このように思っております。そういう中でいろいろな変化ということがございましたら、このタイミングを見て積極的な行動も辞さない、このように考えているところでございます。 ○議長(土屋陽一君) 安藤議員。          〔20番 安藤 友博君登壇〕 ◆20番(安藤友博君) 市長のほうから答弁をいただきました。今非常に大事なときだと、これは私はよく理解します。したがいまして、対策連絡会の皆さん方がやはり自分たちも同意しながら、同意ということは話し合いを、説明会の開催のことですけれども、了解しながらやっていただくことのこの時期というのは、非常に諏訪部自治会さんに耳を傾けてほしいというタイミングではないかなというふうに思います。今の答弁でこの一、二カ月の間ということでお聞きをいたしましたので、引き続き見守っていきたいと思います。 次に、中心市街地の活性化について伺います。真田十勇士ガーデンプレイスは、大河ドラマ「真田丸」放送を機会に信州上田真田丸大河ドラマ館や上田城跡公園から中心市街地への回遊を促進することによる中心市街地活性化を目的に、市民や観光客が一体となって交流できるコミュニティガーデンと位置づけ、平成28年3月に建設されました。昨年「真田丸」放送で大勢の観光客を迎える中で、隣接の池波正太郎真田太平記館とともににぎわった施設でもありました。大河ドラマが終了し、今後真田十勇士をファーストネームとしているガーデンプレイスの今後の利活用をどのように考え、運営していくのか、その方向を示すときと考えます。 そこで、伺います。当施設を今後どのように集客力のある施設にしていくのか、そして運営を誰が、どのように行い、イベント会場としてどのような計画を持ち、いつまで真田十勇士ガーデンプレイスとして施設運営を図っていくのか、具体的な説明を伺います。 また、中心市街地に真田十勇士像が10体設置されております。その真田十勇士像をガーデンプレイスが所管し、維持管理、イベント企画や関連グッズの開発なども受け持ち、管理運営する施設として位置づけられないか伺い、第5問といたします。 ○議長(土屋陽一君) 倉島商工観光部長。          〔商工観光部長 倉島 義彦君登壇〕 ◎商工観光部長(倉島義彦君) 真田十勇士ガーデンプレイスを今後どのように集客力のある施設にしていくのかというご質問をいただきました。 真田十勇士ガーデンプレイスにおきましては、真田三代や真田十勇士を題材として子供から大人まで楽しむことができるオリジナルコンテンツを提供し、上田城跡公園からの誘客を含む中心市街地でのにぎわいの創出と町なか回遊の促進に取り組んでいるところでございます。真田十勇士につきましては、墨絵イラストのパネルを開館当初から展示しておりますが、真田十勇士のうち猿飛佐助と霧隠才蔵は草の者、いわゆる忍者の設定でありまして、大変人気があることから、忍者の里として知名度の高い三重県伊賀市や滋賀県甲賀市を視察するなど、昨年来より忍者をテーマとする企画展示を通して一層の集客を図る検討を進めてまいりました。 こうした中、猿飛佐助のモデルと言われ、真田家に仕えたとされる横谷幸重、通称を左近とするその一族の末裔が上田市に在住され、先祖代々からの貴重な資料を受け継いでおられましたことから、企画展示への協力をお願いしてきたところでございます。その結果、子孫である横谷氏から全面的な協力をいただき、現在展示館では横谷家の系図、犬伏の別れから上田城に無事帰還できたことに対する真田昌幸公からの感状、真田信吉公の書状などに加え、さまざまなわざや術を書き記した巻物である「忍法虎巻大事」を展示しているところでございます。また、今年度は現代の忍者として子供たちに大変人気があり、朝日小学生新聞に連載されている忍者漫画「落第忍者乱太郎」の原画や、原作者である尼子騒兵衛先生が所有する忍者道具を展示する予定でありまして、今後も忍者をコンセプトとする展開によって、家族連れなどの来場者増加と町なか回遊を促進してまいりたいと考えております。 次に、ガーデンプレイスの運営についてでございますが、真田十勇士ガーデンプレイスにつきましては、オープン以降展示企画、イベント開催、館内清掃などの管理運営業務を上田商工会議所に委託する中で、上田商工会議所、地元商店街、上田市商工課による運営会議を定期的に開催いたしまして、3者連携のもと魅力ある施設づくりに努めているところでございます。今年度のこれまでの主なイベントといたしましては、歴史学者である平山優先生による「真田三代と忍者による地域おこし」と題した講演や、ご当地キャラの伊賀市観光大使「いが☆グリオ」を招いた「ちびっこ忍者道場」といった忍者関連イベントのほか、地酒と地元食を楽しむフェスティバルやビアガーデンを開催し、多くの来場者でにぎわいました。今後につきましては、今月16日の「落第忍者乱太郎」原画展の開催初日において、尼子騒兵衛先生をお招きしての対談会と、小学生までの子供たちを対象とする忍者仮装コンテストを開催する予定でございます。また、商店街主催による10月下旬のまちなかハロウィンや市民団体によるコンサート、マジックショーやけん玉教室などの開催も予定されておりまして、引き続き忍者関連イベントの開催や、市民の皆さんの活動発表の場として活用を図ってまいりたいと考えております。 また、真田十勇士ガーデンプレイスにつきましては、大河ドラマ「真田丸」放送に伴う町なかへの回遊促進を目的といたしまして、展示館や屋外トイレなどを仮設により整備しておりますことから、将来的な方向性につきましては、忍者をコンセプトとした取り組みなど今後の展開による効果等を検証しながら、上田商工会議所や地元商店街等とともに検討してまいります。 次に、真田十勇士像の管理についてでございますが、中心市街地の10カ所に設置しております真田十勇士像は、町なか回遊による商店街等の活性化を図ることを目的といたしまして、平成24年度にコミュニティ助成事業を活用して上田市が設置いたしました。真田十勇士像の維持管理につきましては、それぞれの十勇士像に近接する店舗の方々に日常の点検をお願いしておりまして、上田商業21世紀会が取り組むスタンプラリーで使用するスタンプ台などの管理にも協力いただいております。真田十勇士ガーデンプレイスでは、真田十勇士像を活用したスタンプラリーのゴール地点として、スタンプシート完成者に真田十勇士のイラスト入りカードを差し上げているほか、真田十勇士像のキャラクター関連グッズにつきましては、展示館の売店においてTシャツやランチバッグなどを販売しており、引き続き真田十勇士像とのかかわりを持ちながら運営してまいります。 ○議長(土屋陽一君) 安藤議員。          〔20番 安藤 友博君登壇〕 ◆20番(安藤友博君) 答弁をいただきました。 現在真田十勇士ガーデンプレイスは、横谷家の紹介、「忍法虎巻」が簡易なレプリカ的にカラー印刷されております。特別企画展もあわせて催しされています。横谷家は旧姓望月で、真田家に代々家臣として仕え、歴史にも登場する豪族であります。群馬県吾妻郡より大正12年にこの上田の地に移り住まわれて、吾妻屋という屋号の洋服店を3代目として横谷重則さんが引き継がれ現在に至っております。去る8月27日には「真田三代と忍者による地域おこし」と題してイベントも盛大に開催されました。その「忍法虎巻」は横谷家に先祖代々秘仏、家宝として伝わり、現在まで大切に保管され、今後どのように保存、修復していくのかが検討されております。 一方、真田十勇士ガーデンプレイスは、今後その利活用を中心市街地の活性化のためにどのように運営していくのかが課題であります。今忍者が国内はもとより外国の方々にも注目されている現在、今まさに真田十勇士から連想される忍術にこだわり、横谷家に伝わる忍術の教えとする巻物を横谷家の許可をいただいて行政としてしっかりしたレプリカを制作し、ガーデンプレイスでの常設展示ができないか、伺いたいと思います。さらには、忍者体験広場や忍者屋敷など忍者コミュニティガーデンとしての活用が有意義と考えますが、どうでしょうか。 そしてまた、上田市は日本忍者協議会に加入しております。その協議会はどのような活動を行い、上田市としての具体的な活動は何を行っているのか。また、上田市にも真田忍者隊が活動しています。そのこだわりを前面に出して、このガーデンプレイスが忍者隊の皆さんの活動支援やボランティアガイドの皆さんにも協力いただきまして、忍者の姿で対応していただくこともこだわりの一つです。そして、入り口の看板もきちっと設置して、さらに市民や観光客に親しまれ、一体となって交流が図れる位置づけがされないか伺い、私の最後の質問といたします。 ○議長(土屋陽一君) 倉島商工観光部長。          〔商工観光部長 倉島 義彦君登壇〕 ◎商工観光部長(倉島義彦君) 横谷家に伝わる巻物についてのご質問をいただきました。横谷家に先祖代々から受け継がれてきた巻物である「忍法虎巻大事」は江戸時代にまとめられたものとされ、霞の法、馬をとめる方法、弓の弦を切る方法など忍術を連想させる記述があり、大変貴重な資料と認識しております。真田十勇士ガーデンプレイスにおいて「忍法虎巻大事」を展示させていただくに当たり、当初は精巧なレプリカの作成を検討いたしましたが、コスト的な面と巻物が大変長いことによる展示スペースの確保が困難なことから、デジタル保存によるカラー印刷とさせていただきました。精巧なレプリカを作成し、真田十勇士ガーデンプレイスで常設展示することにつきましては当面困難と考えておりますが、巻物は劣化が大変進んでおりまして、市といたしましても貴重な資料として保存と活用を検討していく必要があると感じているところでございます。 次に、真田十勇士ガーデンプレイスを忍者コミュニティガーデンとして活用できないかとのご質問でございます。真田十勇士ガーデンプレイスにおける忍者体験につきましては、オープン当初から雲隠れの術体験や手裏剣投げ体験を提供しておりまして、本年度からはブローライフルを用いた吹き矢体験や、等身大の真田十勇士と写真撮影できるコーナーを敷地アプローチに設けております。また、展示館におきましては、60インチのテレビモニターを通して忍者などに変身することができるなりきり体験コーナーを設けておりまして、家族連れなどの来場者から大変好評をいただいているところでございます。今後は子供向けの忍者服をレンタルいたしまして町なかを回遊してもらうような取り組みを検討していく予定もあり、上田商工会議所や商店街の皆さんとともに忍者体験企画の一層の充実を図ってまいりたいと考えております。 次に、日本忍者協議会についてのご質問でございます。日本忍者協議会は、平成27年10月に忍者に関連する自治体、大学、観光協会、民間団体等により全国的なネットワークを構築し、国内、国外から観光客を誘客するための情報収集や情報発信を行うとともに、忍者のブランディング化を進め、地域経済の活性化を図ることを目的に設立されました。上田市は池波正太郎氏の「真田太平記」や立川文庫に登場する「真田十勇士」、そして大河ドラマ「真田丸」にも「佐助」という名前の忍びが登場するなど忍者にゆかりが深く、忍者をキーワードにした観光振興に効果が期待されますことから、発起団体として設立段階から参画をしております。 当協議会は海外でも人気が高く、究極のクールジャパン・コンテンツである忍者を日本の文化遺産と貴重な地域資源と位置づけて、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据えた観光戦略の一翼を担うため、協議会主催のイベントや全国の忍者団体の活動を紹介したホームページの運営、忍者をテーマにした企画展やイベントの開催、海外からの旅行エージェントを招いたファムトリップと呼ばれる下見招待旅行の実施、海外10カ国での忍者の認知度マーケティング調査等、さまざまな活動を行っております。 一方、上田市の忍者に関する活動といたしましては、「上田忍法虎の巻」という名称の市民団体が真田十勇士をテーマとして上田を盛り上げることを目的に忍者関連のイベントを行っておりまして、4月の上田城千本桜まつりでは忍者衣装の試着や手裏剣投げを体験する真田忍者隊による忍者修行コーナーを設け、多くの子供たちや外国人観光客が忍者体験を楽しみました。真田十勇士ガーデンプレイスにおける忍者をテーマとするイベントに加え、この団体では本年10月に長野大学を会場に「信州上田NINJAフェスティバル」の開催を予定しております。これらのイベントについては日本忍者協議会のホームページに情報を掲載していただくことで、忍者ゆかりの地を中心に国内からの誘客を図るとともに、既に海外においては忍者の人気が高いことから、今後については当市へのインバウンドを推進するための魅力的なコンテンツの一つとして、市民団体と連携を図りながら旅行商品化に向けた検討をしてまいりたいと考えております。 次に、真田十勇士ガーデンプレイスにおける忍者の活用等についてでございますが、真田十勇士ガーデンプレイスにおいて忍者をコンセプトとした事業を推進する上で、市内の忍者関連団体やボランティアガイドの皆さんの参画をいただき取り組みの充実を進めていくことは大変重要なことでありますので、今後意見交換をさせていただきながら進めてまいりたいと考えております。 また、真田十勇士ガーデンプレイスの入り口が狭く、入りにくいといった課題がございますので、忍者関連の取り組みを展開する中で、わかりやすい案内板の設置を検討するとともに、大勢の市民の皆さんや観光客が訪れる施設、忍者の取り組みを通じてインバウンド促進にも役立つ施設にしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 安藤議員の質問が終了しました。 ここで午後1時まで休憩といたします。          正  午       休憩                       ◇                                午後 1時00分   再開 ○議長(土屋陽一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(4)市政について ○議長(土屋陽一君) 次に、質問第4号、市政について、土屋勝浩議員の質問を許します。土屋勝浩議員。          〔8番 土屋 勝浩君登壇〕 ◆8番(土屋勝浩君) それでは、通告に従いまして順次質問してまいります。 まず最初に、子供医療費の無料化への考えをお聞きいたします。この問題については過去何人かの議員が質問をされているところですが、近い将来福祉医療制度を取り巻く環境が大きく変化をすることが確実となったため、あえてお聞きするものであります。上田市では、合併以降段階的な子供医療費の負担軽減化が進められ、平成24年度からは中学校卒業までの入院、通院にかかる医療費の無料化を実施してきました。1レセプト当たり500円の受益者負担金は残っていますが、このことは子供を持つ若い世帯への大きな経済的支援となっており、市の標榜する「子育てするなら上田市で」というキャッチフレーズに裏づけを与える大変意味のある施策となっているものと評価するところであります。 しかし、先般県は平成30年8月をめどに全ての自治体で中学校卒業までの医療費の窓口無料化を実施する方針を明らかにしました。これは県民として大変喜ばしいことではありますが、同時に上田市が築き上げてきた優位性が失われてしまうことを意味します。つまり、このままでは上田市の子供医療費制度の水準は県内の普通以下にまで落ち込んでしまうということです。こうした状況を踏まえると、上田市はさらに子育てに優しいまちの看板を掲げ続けるべきか、それをおろさざるを得ないのか、今後のあり方を真剣に考えなければならない時期に来ているのではないでしょうか。 そこで、お聞きしますが、今回県が示した子供医療費の無料化とはどのような内容のものなのでしょうか。また、上田市が次に目指すべきは高校卒業までの子供医療費の無料化と考えますが、もしそれが実施された場合の実質的な市の負担はどのくらいふえるのでしょうか。あわせて、独自基準で医療費の無料化を行った場合、ペナルティーとして国から科せられる補助金減額措置による影響はどの程度あると試算されているのでしょうか。 以上、お聞きいたします。 ○議長(土屋陽一君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) 子供の医療費無料化の対象拡大についてのご質問でございます。子供のほか、障害者、母子、父子家庭など福祉医療費の給付事務を一括して福祉部で行っておりますので、概要、数値的な部分につきましては私からご答弁申し上げます。 まず、現在の福祉医療費の給付方法でございますが、まず子供、障害者など福祉医療の給付対象者が医療費の自己負担分を医療機関等の窓口で支払います。受診後各医療機関などから医療費のデータが審査支払機関である国保連合会を通じて市に届きます。市はこのデータをもとに自己負担分から1レセプト当たり500円の受給者負担金を差し引いた額をおおむね2カ月後に対象者に対して口座振込によって給付しています。 県が進めようとしている中学卒業までの子供の医療費の窓口無料化は、医療機関や薬局の窓口で1レセプト当たり500円のみの支払いで済むというものです。 国はこれまで子供の医療費の窓口の減免措置は、患者が医療機関にかかりやすくなり、受診回数がふえ、波及的に社会保障費における医療費がふえるため、その公費負担は減免措置を導入した自治体に負担させるべきという考え方から、国民健康保険における国庫負担金を減額するといういわゆる国保ペナルティーを実施しています。30年度からは未就学児までの医療費助成についてはこのペナルティーを行わないということになっています。 また、一部の健康保険組合等で独自に実施している付加給付という制度がございます。これは、医療費の自己負担分がそれぞれの保険組合ごとに定める一定金額以上となった場合、その超えた分を本人に返戻する制度です。現在の福祉医療の給付額は窓口で支払った自己負担分から付加給付の該当がある方の場合には、その金額も差し引いた額を給付をしておりますが、窓口無料化により多くの健康保険組合がこの付加給付を停止すると見込まれることから、その分について市の負担が増加すると考えております。 県は中学生までの窓口無料化に当たり、いわゆる国保ペナルティーの金額の2分の1のほか、この付加給付停止によって負担が増加する額の2分の1も市町村に対して補助する方針でございます。ただし、1レセプト当たり500円の受給者負担金は継続するとのことでございます。 お尋ねの高校卒業まで入院、通院の医療費の窓口無料化を実施した場合の実質的な公費負担の増加の試算ですが、現行の制度の中で把握でき、かつ比較的年齢が近い中学3年生の医療費を基準として試算した数字を申し上げます。高校生まで拡大した場合に上田市の負担となる金額については、医療費本体の給付額が約5,400万円、付加給付停止による金額が約180万円、国保連合会などのレセプト審査機関に支払う手数料が約200万円、いわゆる国保ペナルティーで約140万円などとなります。全体でおおむね6,000万円の負担が毎年増加すると見込んでおります。 また、厚生労働省の子どもの医療制度の在り方等に関する検討会において、窓口での無料化を導入した市町村では導入しない他の市町村と比較して医療費全体の伸びが数%大きくなったという指摘があることから、先ほど申し上げた6,000万円がさらに伸びる可能性があると考えています。 現在子供の医療費給付に関する県の補助として、就学前の子供は入院、通院とも2分の1、小学生と中学生は入院のみ2分の1が市に入ってまいりますが、これ以外の特定財源はなく、高校生まで子供の医療費の給付拡大をすれば、その分は毎年全額市の一般財源を充当することになると見込まれます。 少子社会の中で次世代を担う子供に対する社会保障、福祉の充実は大変重要なことですが、高齢化の進展に伴う介護ばかりでなく、生活保護や障害者支援など他の福祉分野でも事業費が拡大する一方で、財源の根幹となる税収が伸び悩んでいる状況です。福祉分野も含めて市政全般の中で考えますと、子供の医療費の窓口無料化について、一般財源の持ち出しが多額となる懸念のある高校生への拡大は慎重な検討が必要と考えております。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 土屋勝浩議員。          〔8番 土屋 勝浩君登壇〕 ◆8番(土屋勝浩君) 答弁いただきました。 高校卒業までを対象とした入院、通院の医療費助成は、今や長和町や青木村といった町村だけでなく、小諸市では昨年から、佐久市ではことしから新たに実施が始まりました。先ほど答弁にあったとおり、医療費無料化の対象を高校卒業まで広げることで多額の費用負担が生じることは十分承知をしておりますが、近隣市町村の状況を見る限り、上田市もこのまま手をこまねいているわけにはまいりません。なぜなら、子供医療費への支援は単なる医療サービスの拡充だけでなく、将来の若い世帯の定住につながる重要な地域振興策ともなり得るからです。 そうした視点も踏まえお聞きします。上田市も早期に18年度末までの子供医療費の無料化を実施すべきと考えますが、今後の方針はどうでしょうか。 ○議長(土屋陽一君) 18歳。 ◆8番(土屋勝浩君) 18歳年度末までの子供医療費についてお伺いします。 ○議長(土屋陽一君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) 18歳年度末までの子供の医療費無料化への今後の方針について申し上げます。 当市におきましては、子供医療費については、これまで市民のニーズや財源等を勘案しながら、順次給付対象年齢の引き上げを行い、子育て環境の経済的負担の軽減を図ってまいりました。議員ご指摘のとおり、県内でも子供の医療費無料化の対象者を18歳の年度末までとする市町村があることは承知をいたしております。当市においては、先ほど福祉部長から答弁をいたしましたとおり、厳しい財政事情の中、市の一般財源の持ち出し額が多額となるという懸念があること、また義務教育終了までを給付対象とする現制度を今後も継続して安定的に実施していくための財源確保等がまず優先して取り組むべき課題であるというふうに考えておりますので、現時点では18歳の年度末まで対象者を広げることは考えておらないものでございます。 なお、上田市ではひとり親家庭等に対しましては、一定の所得制限等の条件はございますけれども、その親御さんと18歳までのお子さんが福祉医療費給付金の事業の対象となっておりまして、入院、通院ともに医療費の自己負担分を給付することで経済的負担の軽減を図っております。 子供の福祉医療費給付金事業につきましては、市町村が強い住民ニーズに応え、独自に対象年齢の引き上げを実施している事業ではございますけれども、本来は国において制度化すべき事業ではないかといった考え方もあるわけでございます。引き続き県内他市の状況を注視しながら、国による制度化や財政支援、また県による補助対象年齢のさらなる拡大等について、県市長会等を通じまして国等に要望してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 土屋勝浩議員。          〔8番 土屋 勝浩君登壇〕 ◆8番(土屋勝浩君) 答弁をいただきました。 次に、中学校3年生を対象としたインフルエンザワクチン接種の補助制度についてお聞きいたします。近年全国の高校進学率は平均で98%を超える状況が続いています。よく15の春は泣かさないと言われますが、高校進学が当たり前な時代であるからこそ、受験の結果はその子の人生に大きな影響を与えるものであり、見守る大人としてもできるだけのことはしてあげたいと思うわけであります。特に年末からの受験シーズンでは、本人ばかりでなく学校や家庭も常にぴりぴりとした雰囲気に包まれ、万全な状態で試験を迎えてもらうことが関係者の切なる願いとなります。そうした中、最も心配とされるのがインフルエンザの流行です。不幸にして受験当日にインフルエンザに罹患し体調を崩した結果、今までの努力が無駄になってしまうようなことがあってはなりません。予防接種はこうした不安を取り除く最も有効な手段であるわけですが、同時に多額の費用が必要となることが想定されます。 そこで、お聞きしますが、仮に市内の15歳年度末までの子供全員を対象としたインフルエンザワクチン接種の補助制度をつくった場合、新たに生じる市の費用負担はどのくらいになるのでしょうか。また、対象を中学3年生のみとした場合の費用負担はどのくらいとなるのでしょうか。 ○議長(土屋陽一君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) インフルエンザワクチン接種の補助制度、そしてその市の費用負担等についてのご質問にご答弁させていただきます。 予防接種には予防接種法により対象疾病、対象者及び接種期間が定められておりまして、市が主体となって実施いたします定期接種と、法に定めがなく、被接種者及び医師との相談によって判断し実施をいたします任意接種がございます。定期接種につきましては、実施主体が市町村であるため、上田市においても高齢者を対象とした一部の接種費用に自己負担があるものの、基本的には公費負担で実施しておりまして、市町村に対しては地方交付税措置が国からなされております。一方、法に定めのない任意接種は、個人の意思と個人の負担により接種が行われるものであることから、地方交付税等の国の財源措置はなく、現在上田市では費用の助成は行っていないものであります。 また、インフルエンザ予防接種につきましては、65歳以上の方及び60歳から64歳までで心臓、腎臓、呼吸器等に障害のある方が法に基づく定期接種の対象となっておりまして、市では医療機関への接種委託料の約3割に当たる1,300円を自己負担1人当たりいただき実施をしております。一方、子供などそれ以外のインフルエンザの予防接種は任意接種となります。 ご質問の子供を対象とした接種への補助をした場合の費用負担につきましては、インフルエンザ予防接種は医療機関によって接種料金が異なりますことから、接種回数が13歳未満は2回、13歳以上は原則1回とされていることを踏まえまして、仮に1回接種が3,500円、2回接種が6,000円で、上田市の15歳以下の人口に当たる約2万人が全員接種した場合の試算で申し上げます。この場合、上田市が全額負担した場合の総額は約1億1,200万円となり、また高齢者を対象としたインフルエンザ予防接種と同じ3割の自己負担とした場合には、市補助額は約7,900万円となる見込みでございます。次に、中学3年生約1,500人のみを対象とした場合は、市補助額は約530万円となり、また3割を自己負担とした場合は、市補助額は約380万円となる見込みでございます。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 土屋勝浩議員。          〔8番 土屋 勝浩君登壇〕 ◆8番(土屋勝浩君) 答弁いただきました。ただいまの答弁で、市内の15歳以下の子供全員を対象としたインフルエンザワクチンの接種補助は、費用面から見て現実的でないということがわかりました。しかし、対象を中学3年生に絞ると、約400万円から500万円の負担で済むということですので、十分に可能な範囲ではないかと考えます。対象を絞ること自体に公平性の問題を指摘されるかもしれませんが、受験を控えた大切な時期という認識が一般化していますので、市民の皆様の理解も十分得ることができると思います。心配ならば各家庭の判断で任意に接種すればいいという考え方も否定はいたしませんが、3,000円から4,000円ほどかかる費用はどの家庭でも簡単に出せるものではありません。また、一部の生徒だけが任意に接種するより、3年生全員が接種することで集団感染につながるリスクも格段に低くなるものと考えます。 そこで、お聞きしますが、常に健康への不安と背中合わせでいる受験生や家族の心情を考え、市として中学3年生を対象とした新たなインフルエンザワクチン接種の補助制度の創設を検討することはできないでしょうか。 ○議長(土屋陽一君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) 中学3年生を対象としたインフルエンザワクチンの新たな補助制度創出のご提案でございました。高校受験は、議員のご質問の中にも触れられておりましたが、受験生及びそのご家族の皆様にとって大きな節目の出来事の一つであるというふうにご提案の趣旨は理解をいたすところでございます。一方で、補助制度の創設に当たりましては、ほかの他の年齢との公平性や安定的な財源をいかに確保できるかなどを考慮するとともに、多くの市政課題に対する施策の中で優先順位なども踏まえ、総合的な視点で判断する必要がございます。ご提案の制度の創設につきましては、それら今後の検討課題の一つとさせていただきたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 土屋勝浩議員。          〔8番 土屋 勝浩君登壇〕 ◆8番(土屋勝浩君) 答弁いただきました。今後しっかりとまた検討していただければと思っております。 次に、太陽光発電普及に向けた現状と課題についてお聞きいたします。自然エネルギーの普及推進が国策として進められている中、上田市でも合併当時から太陽光発電システム設置に対する補助制度が導入されてきました。太陽光パネル1キロワット当たり2万円、最大6キロワットまでの補助は設置を検討する市民にとっても大変魅力的であり、普及に向けた大きな後押しとなってきたことは間違いありません。その結果、平成29年7月末までに補助制度を利用した累計設置件数は4,827件に上り、現在の上田市内の世帯数約6万4,500世帯のうち、持ち家世帯である70%の方を対象に試算すると、太陽光発電普及率は10.7%に上ると推計されます。このデータをそのまま比較することはできませんが、5年ごとに行われる総務省の全国消費実態調査では、平成26年時点での全国の太陽光発電普及率が6.6%、同時期の上田市の普及率を先ほどと同じように持ち家に当てはめて試算すると約9.1%となっておりますので、いかに上田が太陽光発電の適地であり、同時に先進地でもあることがおわかりいただけると思います。 しかし、補助金の利用件数は、平成24年の835件をピークに近年その数は減少の一途をたどっており、昨年度は264件と、ピーク時の3分の1以下にまで減ってしまいました。 そこで、お聞きしますが、市はその原因がどこにあると考えているのでしょうか。また、上田市地域新エネルギービジョンでは2020年までに太陽光発電によるCO2削減目標を1万2,997トン、太陽光パネルに換算して3万キロワット相当としています。それを考えると、今後も目標達成に向け積極的に太陽光発電を推進していかなければならないわけですが、私は今の内容の補助制度には既に限界が来ており、政策的な意味合いが薄れてきているように感じます。このことに対し市はどのように考えておられるのでしょうか、あわせてお聞きいたします。 ○議長(土屋陽一君) 山口生活環境部長。          〔生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕 ◎生活環境部長(山口泰芳君) 太陽光発電システム設置に対する補助についてのご質問であります。 上田市のこの補助制度は、地球温暖化防止の観点から再生可能エネルギーの導入拡大を目的に進めてまいりました。また、平成23年3月に発生した東日本大震災における原子力発電所の事故を契機に再生可能エネルギーへの転換の機運も高まり、さらに平成24年7月には固定価格買い取り制度、いわゆるFIT法の適用により急速に再生可能エネルギーの導入が促進され、とりわけ設置が容易な太陽光発電システムが急速に拡大いたしました。 上田市の太陽光発電システム設置に対する補助金の交付件数については、ご指摘のとおり、平成24年度の835件をピークに年々減少しております。これは、FIT制度導入以降、買い取り価格が年々引き下げられてきていることが大きな要因であると考えております。また、太陽光発電システム導入に関心がある世帯への普及が進み、ピークが過ぎたことも一つの要因と考えております。 上田市においては、平成22年2月に策定した上田市地域新エネルギービジョンにより、二酸化炭素排出抑制を主眼として、太陽光エネルギーを含む4つの再生可能エネルギーに限定し、設置を推進してまいりました。また、平成26年9月にはさらに普及を加速するため、新エネルギービジョンにおける目標値を上方修正し、発電設備の普及を第一に政策を推進してまいりました。太陽光発電につきましては、実質補助金が確定している平成28年度末現在4,682件の設備に対し補助金を交付しており、新エネルギービジョンにおける家庭用太陽光発電導入量の目標値3万キロワットに対し2万1,033キロワットが導入され、70.1%の達成率となっており、一応の成果があったものと捉えております。 こうしたことから、市の補助制度につきましては、新エネルギービジョンの目標達成のため、今後においても継続していく必要があると考えております。
    ○議長(土屋陽一君) 土屋勝浩議員。          〔8番 土屋 勝浩君登壇〕 ◆8番(土屋勝浩君) 答弁をいただきました。 私は、太陽光パネルに特化した従来の補助制度を抜本的に見直す必要があると考えています。その方向性として期待されるのが蓄電池を含めた補助制度の創設です。平成27年9月議会の一般質問で池田議員が同様の提案をされましたが、そのときは余剰電力を電力会社に販売するほうが費用対効果の面で得策と考えているので、現時点では太陽光発電のさらなる普及に向け取り組んでいくと答弁されていました。それから2年、電力の買い取り価格の低下から、もはや費用対効果で太陽光発電を選択できる時代ではなくなりました。これからは電力の自家消費を推進し、地球温暖化防止を初めとした環境に配慮した生き方を応援していく時代ではないでしょうか。現在は技術革新が進んでいる蓄電池を太陽光パネルと同時に設置することで補助対象としている自治体がふえており、その数は全国で80以上にも及んでいます。上田市も今後は既に安価となったパネルではなく、いまだ高額とされる蓄電池の導入にこそ補助制度を設け、太陽光発電普及に向けた新たな需要を喚起していくべきと考えますが、どうでしょうか。 ○議長(土屋陽一君) 山口生活環境部長。          〔生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕 ◎生活環境部長(山口泰芳君) 太陽光発電の普及を促進する中では、国は平成26年4月に閣議決定されたエネルギー基本計画により、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス、いわゆるZEHの標準化を目標としました。これは、住宅の新築やリフォームによる建物全体の省エネ化に合わせて太陽光発電を導入することで電力の自家消費を促進するものであります。これには蓄電池の設置も対象に含まれております。今後家庭用の太陽光発電における固定価格買い取り期間10年が終了する電源も出始めることや、ライフスタイルの多様化により昼間電気を消費しない家庭も多く存在すると想定できること、また災害時には非常用電源として利用できることからも、蓄電池の需要が高まってくると考えております。 上田市における太陽光発電補助金申請時においての蓄電池の需要については、平成27年度から現在までに10件の蓄電池設置を確認しております。太陽光発電システム1キロワット当たりの平均設置単価は、合併後の補助金交付以降、約半額にまで低下しており、設置費用に対する支援の公平性を確保するためには、市では段階的に補助額等の見直しを図ってまいりましたが、今後においても改定を予定しております。 議員ご提案の蓄電池の補助につきましては、今後需要が高まることが予想されるため、来年4月にスタートする第二次上田市環境基本計画に再生可能エネルギーの自家消費等を政策方針に盛り込む中で、現行の補助額等の改定にあわせて検討してまいりたいと考えております。 ○議長(土屋陽一君) 土屋勝浩議員。          〔8番 土屋 勝浩君登壇〕 ◆8番(土屋勝浩君) 答弁をいただきました。ぜひ来年度から前向きな改定となるように期待をしたいところでございます。 次に、市内への大規模太陽光発電施設の設置についてお聞きいたします。平成27年10月から太陽光発電設備の設置に関する指導要綱が、またことし4月からは適正な立地に関するガイドラインが示され、事業者にも一定の制約が課されることとなりました。指導要綱が施行されてから現在まで約2年が経過したわけですが、その間に開発面積で1,000平方メートル以上、かつ発電出力が50キロワット以上の大規模太陽光発電施設の設置を届け出した件数はどれだけあったのでしょうか。また、そのうち指導要綱による開発行為に起因して災害発生を助長することが予想される区域や、ガイドラインによるイエローエリア、レッドエリアに該当するとして指導や勧告の対象となったケースはどれだけあったのでしょうか。さらに、指導要綱やガイドラインの要件を満たさず、再検討を促した結果、計画の変更や撤回となったケースはどれだけあったのでしょうか。現状をお聞かせください。 また、指導要綱やガイドラインはあくまでも事業者の自発的な取り組みを求めるものですが、その効力についてはいまだ疑問が残るわけであります。昨年の9月議会では、尾島議員、宮下議員がそれぞれ拘束力のある条例化についての考え方を尋ねましたが、その際は指導要綱やガイドラインの有効性を見きわめながら慎重に検討するとの答弁でありました。果たして市の狙いどおりこれらは条例にかわるような規制的効果があらわれているのでしょうか。 以上、お聞きいたします。 ○議長(土屋陽一君) 翠川都市建設部長。          〔都市建設部長 翠川 潔君登壇〕 ◎都市建設部長(翠川潔君) 市内への大規模太陽光発電施設の設置について何点かご質問いただきました。 最初に、届け出や指導、勧告等の件数等についてお答えをいたします。議員さんからもお話ありました土地に自立して設置をするという限定でございますが、敷地面積が1,000平方メートル以上、かつ発電出力が50キロワット以上の太陽光発電設備を設置する際には、市への届け出などを事業者に求めました上田市太陽光発電設備の設置に関する指導要綱ということで、平成27年10月に施行いたしました。指導要綱が施行されてから届け出を受けた件数でございますが、本年8月末までに11件の届け出がございました。一方、本年4月に施行しました太陽光発電施設の適正導入ガイドラインは、立地に適したエリアへの導入を図ることなどを目的としており、立地が望ましくない、立地を避けるべきエリアをレッドエリア、立地に慎重な検討が必要なエリア、これをイエローエリアとして定めております。 指導要綱施行後に届け出のありました11件のガイドラインにおける立地の状況を見ますと、一部レッドエリアに該当するものが3件、イエローエリアに該当するものが4件、いずれにも該当しないものが4件となっております。また、ガイドライン施行後に届け出があったものはそのうちの2件でございまして、いずれもイエローエリアに該当することから、市として事業者に対し、立地場所の変更を含め慎重な検討を行うよう指導したところでございます。 イエローエリアに該当する2カ所について事業者に再検討を促しましたが、既にガイドライン施行以前に経済産業省の設備認定がなされている状況もあり、結果として設置場所の変更や撤回となったケースは現在のところございません。市といたしましては、この2件につきまして事業者から指導要綱に基づく届け出を受ける中で、自治会を含む近隣関係者への説明と理解を得ること、また災害防止のための対策を計画、施工することを求め、事業の実施に至っているところでございます。 次に、指導要綱やガイドラインの規制的効果についての質問でございますが、ガイドラインがこの4月より施行し、現在までの期間や事例が少ないことから、その効果を見きわめるまでには至っておりませんけれども、ガイドラインの施行により上田市の太陽光発電施設の適正な立地についての考え方を表明したことによって、事業者の計画段階での用地選定プロセスを含めた事業判断に少なからず影響を及ぼしているものと推察しております。 以上です。 ○議長(土屋陽一君) 土屋勝浩議員。          〔8番 土屋 勝浩君登壇〕 ◆8番(土屋勝浩君) 答弁いただきました。 最後に、各地で表面化してきている地域住民とのトラブルについてお聞きいたします。これまでの新聞報道の中で、上田市内において太陽光発電事業者と地域住民がトラブルとなったケースとして、生田、長瀬、城下、四阿高原の4つのケースが報じられてきました。それから一定の期間が経過し、当事者による話し合いも進んでいるものと思われますが、現在これらの地域での問題は順次解決されているのでしょうか。また、太陽光発電に関する指導要綱やガイドラインはこれらの問題発生後に整備されたものと認識しています。法律不遡及の原則からすると直接的な規制につながる効果は期待できないと思われますが、それでも事業者側へ計画の撤回や再検討を促す上で一定の役割を果たしてきたのでしょうか。 以上お聞きし、私の最後の質問といたします。 ○議長(土屋陽一君) 翠川都市建設部長。          〔都市建設部長 翠川 潔君登壇〕 ◎都市建設部長(翠川潔君) 地域住民とトラブルになった4カ所でございますが、この現状と認識ということについての質問でございます。 事業者と地域住民がトラブルとなっている地区の経過でございますけれども、生田地区は、平成25年5月に県外事業者による面積17.1ヘクタール、発電出力10.5メガワットのメガソーラー建設計画が判明し、計画地が土砂災害警戒区域、また特別警戒区域の直上流部に当たるため、災害発生を危惧する地域住民の反対運動が現在も展開されているところでございます。 また、長瀬及び城下地区につきましては、平成27年4月から5月にかけまして、県外の同じ事業者による建設計画が明らかになり、長瀬地区は面積1.4ヘクタール、発電出力0.7メガワット、計画地は県により公表されております地すべり危険箇所となっております。城下地区は、面積1.65ヘクタール、発電出力1.2メガワット、計画地は土砂災害警戒区域の周辺部かつ同一流域に当たるため、それぞれ生田地区と同様に、災害発生を危惧する地域住民の反対運動が現在も展開されているところでございます。 この3つの地区につきましては、ここ1年以上事業者からの具体的な動きがなく、またこの4月から国の固定価格買い取り制度が新しくなり、現在設備認定から事業計画認定へ移行している最中であります。このため、システムの関係からか、それぞれの認定取得に係る市町村向けの国からの情報提供が得られない状況にあり、電力会社との接続契約を含め不明であることから、これらの地域での問題はいまだ解決されていないと認識しております。 もう一つの四阿高原につきましては、先ほどの3つの地区とは少し状況が異なりますけれども、昨年の6月に県外事業者による面積2.1ヘクタール、発電出力0.9メガワットの建設計画が表面化いたしました。この計画は、自然公園法の許可が必要となる上信越高原国立公園・第2種特別地域内であり、また別荘地内での計画であることから、計画地周辺の別荘所有者等が豊かな自然と景観を損ねるなどとして建設反対の姿勢を示しております。しかしながら、現状は夏前から事業者により事業実施に向けた地元関係者等への説明会の準備が進められているとのことでありますので、こちらも問題解決に至っていないと認識しております。 次に、指導要綱やガイドラインの効力についてのご質問でございます。国の新たな認定制度におきまして、平成28年度までに既に認定を受けた事業者についても、ことし3月に国が示した事業計画策定ガイドラインに沿った事業計画を提出する必要がございます。この国のガイドラインには自治体が個別に策定する指導要綱、ガイドライン等を遵守するよう努めることと規定されており、過去に認定を受けた事業者も電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法等の一部を改正する法律、これの新しい認定基準に基づき認定されることになりますことから、当市の指導要綱やガイドラインにつきましても一定の効果を果たすものと考えております。 さらに、生田、長瀬、城下地区につきましては、森林法に基づく県の林地開発許可が必要となり、また四阿高原は自然公園法に基づき環境大臣の許可が必要となります。それぞれ許可申請の手続の中で市の意見が求められますので、その際には市のガイドラインに基づいた意見書を県へ提出し、市としての意思を明確に表明することが可能になったことから、あわせて一定の効果を果たすものと考えております。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 土屋勝浩議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午後 1時46分   休憩                       ◇                                午後 2時00分   再開 ○副議長(小林隆利君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(5)市政について ○副議長(小林隆利君) 次に、質問第5号、市政について、深井議員の質問を許します。深井議員。          〔30番 深井 武文君登壇〕 ◆30番(深井武文君) 通告に従い市政について2項目にわたり一般質問を行います。上田市第二次総合計画で掲げました健幸都市づくりについて、2項目は、非核平和都市宣言に対する上田市の取り組みについて伺います。 まず、第二次上田市総合計画における指針、理念とも言える健幸都市づくりであります。この健幸都市の文字は市が目指す都市づくりの像を造語であらわしておりますが、政策的には幅広く、多角的に捉えることができる意味深いキャッチフレーズでもあります。施策面ではハード、ソフトを含めさまざまな分野に及ぶことは当然のことと思いますが、私の理解は、市民一人一人が健康で幸福感を実感できる上田市づくりを目指すという捉え方をしているところであります。また、この健幸都市は横文字でスマートウエルネスシティーとも呼ばれ、全国幾つかの都市が目指し取り組んでおります。我が上田市も会員都市となっているわけですが、先進地に学ぶため、去る7月下旬に会派の行政視察のテーマに取り上げ、健幸都市づくりを目指す岐阜市を視察してまいりました。そのことを踏まえまして伺ってまいります。 まず1点目でありますが、この健幸都市づくりについて、市民の理解、そしてまた捉え方はまだまだ不十分であると思います。掲げた健幸都市像をどのように市民が理解されているのか、また浸透度はどうか、市はこれらのことをどのように現時点で捉えられているのかまず伺い、最初の質問といたします。 ○副議長(小林隆利君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) 健幸都市の市民への浸透度等についてのご質問でございました。 健幸都市、健康幸福都市でありますが、市民お一人お一人がライフスタイルに合った幸福を感じ、生き生きと健康に暮らせるまちでありまして、議員ご指摘のとおり、ハード、ソフトの両面を含めましてさまざまな分野に及ぶ上田市の目指すまちづくりそのものを指していると理解をしているところでございます。平成28年度を初年度といたします第二次上田市総合計画では、目指すべき将来都市像に「ひと笑顔あふれ 輝く未来につながる健幸都市」を掲げ、3つの重点プロジェクトの一つに健幸づくりプロジェクトを位置づけまして、「健康・幸福」をキーワードとして、身体面の健康だけではなく、人々が生きがいを感じ、心豊かな生活を送れるための施策を市民協働の視点で庁内横断的に推進していくこととしております。 こうした視点を持ちつつも、市民の満足度を高め、幸福感につながるものとして、まずは誰もが健やかに暮らせることが基本でございまして、市では子供から高齢者までの幅広い市民の皆さんを対象として、平成27年度から健康幸せづくりプロジェクト事業により、さまざまな視点から健康づくり事業に取り組んでいるところでございます。 このプロジェクト事業は、いわゆる健康無関心層へのアプローチ施策といたしまして、健康づくりチャレンジポイント制度を柱に据え、楽しみながら健康づくりを続けていただくための事業を展開してまいったところでございます。平成27年6月から開始したポイント制度の参加者でございますが、ことし8月末現在で約4,800人となっております。順調に参加者の増加が続いております。 また、市民の運動習慣と高齢者の外出促進を目的に平成28年度から新たに取り組んでおります「あたま・からだ元気体操」につきましては、昨年度は5カ月間で延べ4,133人の方が参加されました。今年度につきましては、健康づくりへの関心の高まりもありまして、実施会場を4カ所から6カ所に拡大したこともあり、6月からの3カ月間で3,800人を超える大勢の皆様にご参加をいただいております。 こうした市の取り組みに対しましては、市民の皆様からは健康づくりのきっかけがつかめた、新しい仲間ができた、あるいは上田市民でよかったなどの大変うれしいお声もいただいております。また、昨年度市民の皆様を対象に実施いたしました健康づくりアンケートでも、健康づくりに関心があると答えた方が8割を超えていることなどから、市民の健康づくりへの関心は着実に高まりつつあると、このように考えているところでございます。これらの各種の事業を通じまして市民の皆様の健康づくりへの関心が高まりつつあることは、「健康」をキーワードとしたまちづくりの姿が少しずつではありますが、市民の皆様の中に浸透してきていることのあらわれではないかと受けとめております。 今後におきましても、心と体の健康づくりを柱に据え、健幸都市の実現に向けた取り組みを一層推進してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 深井議員。          〔30番 深井 武文君登壇〕 ◆30番(深井武文君) お答え伺いました。 前段で理念、趣旨の目指す像がかなり具体的な面も触れられておりますが、次に伺いますのは、もう少しこの健幸都市づくりに向けてどのような具体的な施策を市は今考えておられるのか、その点。それから次の点は、さまざまな幅広い施策の中にあって、ふえ続ける医療、介護、社会保障費の節減を図ることが、それは別面市の活力を生み出す根源でもあります。そういう観点から、健康づくりを市民の皆さんに生活習慣の中でどう位置づけていくか、その辺もう少し伺いたいと思います。 以上です。 ○副議長(小林隆利君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) スマートウエルネスシティーを進める中で具体的にどのような施策を進めていくのかと、その方針等についてのご質問でございました。 地域の住民の皆様が健康で幸せに暮らしていただくためには、高齢化や人口減少が進む中にありましても、生活習慣病や寝たきりにならないための予防が重要であると考えております。そのためには、お一人お一人が日常の身体活動量の底上げを図る、こういったことが最大の鍵になるものと受けとめております。生涯にわたり健やかで幸せに暮らせるまち、スマートウエルネスシティーでありますが、これは歩いて暮らせるまちづくりと、自然と歩かされてしまうまちをつくることをコンセプトにしておりまして、その実現を目指すために市民との協働により取り組んでいく必要がございます。 市では、筑波大学の久野譜也教授の提唱により発足いたしましたスマートウェルネスシティ首長研究会に26年度から参加し、持続可能な新しい都市モデル、スマートウエルネスシティーの構築を目指すために、全国の66市区町の首長や国との意見交換、情報交換を行っているところでございます。 また、重要な政策課題となっております健幸都市の実現に向けて共通認識を持った、こういった首長研究会や日本健康会議などの全国自治体及び関係組織が連帯をいたしまして、より効果的な健康施策に取り組み、ふえ続ける医療費の抑制を目指すためにも、ことし2月に新たに発足いたしました日本健幸都市連合、こちらにも加盟し、さらに取り組みを進めることといたしております。 このスマートウエルネスシティーの実現のためには5つのポイントがあると言われております。1つとして、社会参加ができる場づくり、2つとして、インセンティブなどの自助を強める施策、3つ目として、快適な歩行空間の整備、4つ目といたしまして、過度な車依存から脱却を支援できる公共交通の再整備、そして最後に5つ目として、まちの集約化などでありまして、ご指摘のとおり、ハード、ソフト面の施策が必要となります。ここでは短期、中期的な視点でソフト面での取り組みについてご答弁申し上げたいと思います。 スマートウエルネスシティーの実現に向けてはキーワードがございます。「ソーシャルキャピタル」でございます。このソーシャルキャピタルは、人と人とのつながりを意味いたしまして、最近の研究では健康度に一定の関連性があり、ソーシャルキャピタルが高い地域に住んでいる人たちほど健康度も高い、こういったデータも示されているところでございます。このために、健康づくりのためには地域コミュニティーの形成もあわせて推進していくことが重要であると考えております。 次に、健康づくりを生活習慣の中に取り入れていくことについてでありますが、無理なく継続できる取り組みであること、また仲間の皆さんと一緒に楽しみながら行うことができる取り組みであること、こういったことがポイントであると考えております。取り組みの具体的な事業といたしまして、市が昨年度から始めております「あたま・からだ元気体操」がございますが、この体操は市民の運動習慣化に加えまして、閉じこもりがちな高齢者の皆様の外出を促進するという、そういった面も含んでおります。人との出会いや触れ合いを通じまして地域コミュニティーの活性化につながることが期待されているところでございます。 今後におきましても、市民お一人お一人が健康づくりへの関心を高めていただき、健康づくりにおのおのが取り組んでいただけるよう、できる限り多くの皆様が手軽に取り組める、そのような健康づくり事業となるよう工夫をいたしながら、より一層の施策推進、またその周知を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 深井議員。          〔30番 深井 武文君登壇〕 ◆30番(深井武文君) お答えをいただきました。非常にこの政策を掲げて以来、かなりいろんな面で市が取り組み始めているということをうかがい知ることができました。 それで、今回私は岐阜市へ伺った中の特徴的なことを特に質問の中で力点を置いて伺ってまいりたいと思います。岐阜市では車社会と高齢化の進行の中での健康のあり方に鋭く視点を当てて、健康づくりの第一歩は歩くことだという、健康づくりに大きな力を置いているところであります。確かに人間の、人類の歴史に目を向けますと、人類が二足歩行を始めて数万年の歴史を刻んでおりますが、わずかここへ来て50年、約50年、半世紀の間にモータリゼーション、いわゆる急速に進んだ車社会の到来で、1人1台のマイカー時代が訪れ、人々から歩行習慣を奪い、脚力や歩行力が著しく減退しております。とりわけ地方都市は大都市に比べ顕著にあらわれているわけであります。足腰の弱体化は健康全体に大きな影響を及ぼし、とりわけ高齢になったときにこのことが致命的な健康障害の要因となるわけであります。 そこで、伺いますが、我が上田市においても岐阜市に倣い、市民の健康づくりの第一歩を歩行習慣づくりの向上を目指す取り組みに力を入れたらどうかと、そんなことをご提言しながら、市の取り組みについて伺いたいと思います。 ○副議長(小林隆利君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) 車社会の中で歩行習慣をつくるための考え方、方針についてどうかのご質問でございました。 筑波大学の久野教授の調査から申し上げますと、車の保有率が高く、車への依存度が高い地方都市ほど糖尿病などの生活習慣病の罹患率が高く、健康度が低いことが明らかとなっております。また、同じ都市部におきましても、車の保有率が高い愛知県などは、東京都や大阪府と比べまして糖尿病患者が多いこともわかっているということでございました。その要因といたしましては、公共交通が発達した都市圏におきましては、通勤や通学などで歩く時間が多いのに対しまして、車社会の地方都市においては車に依存した生活スタイルによりまして歩く機会が少ないのではないかと、こういったことが影響しているというふうに考えられております。 こうしたことを踏まえまして、市では平成27年度から実施しております健康幸せづくりプロジェクトのこの事業の中で、議員ご指摘のように、特に歩くこと、「ウオーキング」をキーワードとした健康づくりに重点を置いて取り組んでいるところでございます。ウオーキングはいつでも、どこでも、また一人でも、大人数でも手軽に取り組むことができる効果的な運動でございまして、日常生活の中で歩く習慣をいかに身につけ、歩く時間をいかにふやすか、こういったことが重要なポイントになってくるというふうに考えております。 日常生活の中で歩くことを習慣づけるためには、やはりウオーキングの楽しさを感じていただくこと、そしてその効果を実感していただくことが重要になってまいります。こういった取り組み方針を柱に据えまして、市では各種事業を進めてきておるところでございます。 具体的には、一昨年27年度から開始いたしました、先ほどから申し上げてございます健康づくりチャレンジポイント制度の中で、バーチャルの旅によるウオーキング事業がございます。このバーチャルの旅でございますが、毎日楽しくウオーキングを続けていただくために考えたものでございまして、1日5,000歩を歩いていただくと、地図の升を1升塗り潰していただいて、地図上の目的地を目指すウオーキングであります。完歩された方につきましては、ウオーキングの効果を確認していただくため、体内の筋肉量もはかれます体組成測定をしていただいた後、ポイントを差し上げるといった制度になっております。このバーチャルの旅につきましては、現在3,000名を超える市民の皆様にお取り組みをしていただいております。 また、各地域や団体で作成をしていただきましたウオーキングマップなどを利用いたしまして、それぞれの地域ごとに特徴を生かした健幸ウォーキング事業を総合型地域スポーツクラブや地域の住民の皆様、また公民館などと連携いたしまして、全市域で展開をさせていただいております。あわせて、今年度から新たな取り組みといたしまして、信州上田ノルディックウォーキング協会と連携いたしまして、ポールを使ったウオーキングも始めたところでございます。 そのほかにも鹿教湯温泉100年ブランド創造プロジェクトの一環として実施をいたしております健康推進事業、水中ポールウオーキングや、一年を通じて多くの方に菅平に訪れていただくための、また健康づくり応援事業といたしまして、菅平スポーツフィジカルセラピー、こういったものも民間の実行委員会の皆様や協議会の皆様とも連携を図りながら、幅広くウオーキングの普及に取り組んでいるところでございます。 以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 深井議員。          〔30番 深井 武文君登壇〕 ◆30番(深井武文君) 具体的な取り組み伺いました。非常に幅広く取り組み始めているということも今ご答弁で承知したところであります。 それをさらに深めていくために、次に伺うのは、今部長答弁でウオーキングが非常に重要なウエートを占めるというような答弁でありましたが、そのウオーキングについて、その環境整備について伺います。視察しました岐阜市では、市内を大きく2つのエリアに分け、いわゆる歩きたくなるまちづくり、そしてキーワード「歩く」を掲げ、市長を先頭に毎年健康ウオーキングの大イベントが開催されております。実績をお伺いしたところ、最高に参加した年は1万人を超えたそうです。通年のときでも5,000人から6,000人の市民の参加があると、こんなお話を伺ってまいりました。この市内の2つにウオーキングエリアがあるわけですが、長良川と、いわゆる岐阜市の有名な繁華街の柳ヶ瀬ですね、そこの2つのエリアがありまして、ここにはそれぞれ健康ステーションがありまして、そしてまた健康セルフチェック交流サロン、それからまたウオーキングを推奨し、ウオーキングの向上に向けて、その気を起こさせるといいますか、張り合いを持たせるというか、そのために路上にこういう表示板が張ってありまして、約30センチ真四角ぐらいですか、そこにはどこどこからどこどこまで歩いた歩行数、それからそこまで要した消費カロリーなどが路面に表示されているわけで、そういう掲示板が市内にそのエリアに100カ所ありました。それから、途中ベンチがところどころにあると、休憩とるですね、そしてもちろんトイレ休憩もあります、トイレも適当に何カ所か整備されていると。あるいはまた道路上に、これは上田市はありませんが、ライジングボラードの設置など、非常にウオーキングの環境が整備されておりました。それから、また市内、さっき答弁でもありました、公共交通を担う連節バスの導入など、公共交通バスとマッチングさせて、1駅前で、目的地の1駅前でおりて歩くという、そういう運動だそうであります。それは、市街地の歩道整備事業など国の特区事業の指定を受けまして5年が過ぎたそうであります。もちろん国の支援も受けてこの事業を行ったようであります。 そこで、上田市において歩行、ウオーキングを推奨するための環境整備について、庁内で健康こども未来部だけでなく、関係部局と連携した取り組みの方針について、この質問の最後といたします。 ○副議長(小林隆利君) 翠川都市建設部長。          〔都市建設部長 翠川 潔君登壇〕 ◎都市建設部長(翠川潔君) それでは、私からは健幸都市づくりに向けた環境整備についてお答えいたします。 健康づくりのためのウオーキングにつきましては、日常生活の中で無理なく行っていただくことが継続のポイントであり、最寄りの場所を楽しんで歩いていただくことが大切であるというふうに考えております。また、ウオーキングには町並みや自然の景観を楽しむといった側面もございます。市のホームページにおきましても市内23カ所のウオーキングコースを紹介しており、その中にはまちづくりの一環として整備をいたしました市街地の矢出沢川沿いの遊歩道などについてもご紹介をさせていただいております。 また、これまで市が特に健康づくりに視点を置いて整備を行いましたのが、丸子地域の依田川ウオーキングロードでございます。これは、丸子地域の中央を流れる一級河川依田川の河川空間に安全に楽しく歩くことができる遊歩道を整備し、地域住民の健康づくりと憩いの場として活用することを目的としまして、平成17年度から平成21年度にかけて整備をしたものでございます。あわせてウオーキング継続のためのアドバイスやウオーキングシューズ選びのポイント等を載せましたウオーキングロードマップを作成し、市民の皆様にご紹介をさせていただいております。 なお、依田川ウオーキングロードに現在設置してございます18カ所の距離標モニュメントにつきましては、健幸、スマートウエルネスを強く意識した表示へのリニューアルを含め、かわまちづくり支援事業等、関連した整備計画の策定に取り組んでいるところでございます。 また、歩きたくなるまちづくりという観点で申しますと、市役所本庁舎北側の市道新参町線におきます無電柱化事業につきましても、その一翼を担うものと考えております。上田市中心市街地のシンボルロードとも言える本路線は、歴史的町並みあるいは城下町としての景観に配慮した中での整備を予定しておりますけれども、健幸、スマートウエルネスという視点からの整備につきましても、先進地の事例を参考に検討してまいりたいというふうに考えております。 いずれにいたしましても、健康づくりのためのウオーキングにつきましては、それぞれのライフスタイルの中でそれぞれに楽しんで取り組んでいただければと考えております。そのような中、中心市街地やウオーキングコース、公園等につきまして、より一層多くの市民の皆様に歩いて楽しんでいただけますよう、ソフト、ハードの両面からまちづくりに取り組んでまいりたいというふうに考えております。 私からは以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) 私からは、市民の皆様の健康づくりに向けましてウオーキングを推進するための庁内等の連携についてご答弁申し上げます。 現在5,000人近くが参加いただいておりますチャレンジポイント制度でありますけれども、今年度新たな取り組みとして、市内バス会社と連携をいたしまして、運賃低減バスの乗車券「歩いてバスに乗ろう券」を新たに創設いたしました。これは、公共交通機関を積極的に利用することによりまして、あわせて歩く機会を誘導するための施策として考えております。こうした官民の連携の取り組みも始めたところでございます。 スマートウエルネスシティーのコンセプトであります歩いて暮らせるまちづくりには、ハード、ソフト両面の充実が必要でありまして、ハード整備における都市建設部等との連携、あるいは健康づくり事業におけるスポーツ推進課や公民館などの教育委員会との連携など、庁内関係部局、さらには先ほど申し上げたような民間との連携を推進していくことが大変重要であると考えております。 今後もこうした連携協力体制を密にする中、積極的なPRに努めながら鋭意健幸都市の実現に向けた施策の推進にさらに取り組んでまいります。 以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 深井議員。          〔30番 深井 武文君登壇〕 ◆30番(深井武文君) 健康づくり都市に向けたそれぞれのご答弁いただきまして、さらなる前進を期待するところであります。 それでは、次の質問に移ります。非核平和都市宣言の取り組みでございます。本年8月6日、広島市、8月9日の長崎市それぞれ被爆72回目の慰霊平和祈念式典が開催されております。長崎の会場には上田市からも母袋市長が平和首長会議の開催にあわせ参加されております。さきの第二次大戦では320万余の戦地へ赴いた皆様を初め国民を含めてとうとい命が犠牲となり、72回目を迎えております。とりわけ人類史上初の原子爆弾投下による犠牲と教訓は世界平和を願う大きな礎ともなり、現在平和国家を我が国は歩み続けております。 しかし、72年という歳月の流れの中で平和な毎日の暮らしが続き、平和を享受するありがたさを忘れ、その戦争の教訓がややもすると風化しようとしております。我が上田市も国の非核三原則の方針に沿い、戦争のない核爆弾を廃絶した恒久的な平和を願い、非核平和都市宣言を行っております。 そこで、伺ってまいりますが、まず時間の関係もありますのでちょっと質問の順序を変えさせていただきますが、まず8月9日に母袋市長が長崎で開かれた原爆犠牲者慰霊平和祈念式典並びに平和首長会議に出席されて、被爆者の皆さんのお話など伺って改めて市長もいろんな実感が湧いたと思うわけで、その感想、所感も含めて市長としての平和都市づくりに向けての考え方をまず伺いたいと思います。 ○副議長(小林隆利君) 母袋市長。          〔市長 母袋 創一君登壇〕 ◎市長(母袋創一君) 深井議員の質問に答弁いたします。 まず、平和首長会議には世界7,400以上の都市が加盟しておりまして、4年に1度の世界規模の総会が広島市と長崎市で交互に開催されているところでございます。開催年に当たることしは8月7日から4日間の日程で長崎市におきまして「『核兵器のない世界』の実現を目指して」を基調テーマに行われたところでございます。今回市長として初めて参加するということで、実際に現地で見て、聞いて、感じることによって学び、そしてどんな状況であるのかというものを確認しながら、今後にどう生かせるのかということを問題意識として持って出席したところでございます。 印象的なこと、感想的なものを申し上げます。田上長崎市長の挨拶の中に、小さな町の平和を願う思いも、各国の都市が力を合わせることにより、世界を後押しする大きな力となる、このようなことを世界に向けて発信されたり、原子雲の下で何が起こったのかを自身の目で見て、耳で聞き、心で感じる機会としてほしいという挨拶がございました。総会におきましては、被爆体験証言者の講演会もございまして、とても生々しい話も数多くございました。そうした被爆体験がこれ以上ふえないよう、広島、長崎を最後の原爆投下地としてほしいという切実な願いをお聞きしたところでございます。また、国連の軍縮部門トップに日本人女性で初めて就任されておられます中満泉国連事務次長から、軍縮についての数々の課題等について基調講演がございました。こうした皆さんのお話をお聞きした中で、改めて核兵器の非人道さや、あるいは悲惨さ、核兵器のない世界の重要性を認識したところでございます。 そして、翌日9日、平和公園で行われました平和祈念式典には、被爆者の方々、また原爆犠牲者のご遺族初め長崎市民、そして全世界から多くの方々が参加されまして、核兵器廃絶、そして世界恒久平和の確立に関する力強い訴えがございました。 総会や式典において語られた証言、メッセージは胸を強く打つものがございまして、平和のとうとさを直接感じることで多くを学ぶことができたと思っております。 一方で、戦争を経験された皆さんが少なくなっていき、知らない世代が大多数を占めており、戦争のことを語られることも少なくなっている、そういった現状もございます。国民がひとしく平和を祈ることも大事なことでございますが、より積極的に平和に関与して平和をつくるという視点でどうしたらいいのか、まずは知ることが大切で、戦争時にどのようなことがあったのかを知り、そして後世に伝えていくことも重要であろうと感じました。 広島、長崎の原爆についてはもちろんでございますが、身近なこの上田市での戦争の状況も知り、被爆地の皆さんに少しでも近づく意識を高めてまいりたい、そのようにも思います。そして、来年1月に予定しております平和祈念事業におきましては、市民の皆さんがどう考えて行動していったらいいのか、平和への思いを高める機会としてそれぞれ考え、また一層の平和を守り、そしてつくっていく取り組みにできれば、このように考えているところでございます。 ○副議長(小林隆利君) 深井議員。          〔30番 深井 武文君登壇〕 ◆30番(深井武文君) それでは、最後の質問ですが、2点ほど伺います。 1点は、今市長の答弁の中にもございましたが、来年の1月に平和祈念事業が市の主催で開催される予定でありますが、その事業の意義づけ、また具体的な取り組み内容について伺います。 それから、2点目は、この非核平和都市宣言、これ私は非常に大事なことだと思いますので、宣言はしてあるわけですが、なかなかそのことが市民にアピールする機会が少ない、新聞紙上とかテレビ報道とかそういうことでは報道がありますが、これに関して上田駅前あるいは庁舎、今庁舎改築が計画、検討されておりますが、庁舎前、あるいはサントミューゼの芝生広場の一角とか、これは一つの事例ですが、そういう市民に目立つどこか一角にいわゆる非核平和都市を目指す何かモニュメント、宣言が刻まれたモニュメントのようなものを建設したらどうかと、そんな設置を提言しながら伺いますが、その辺の市の考え方について伺って、私の質問を終わります。 ○副議長(小林隆利君) 片岡市民参加協働部長。          〔市民参加協働部長 片岡 文夫君登壇〕 ◎市民参加協働部長(片岡文夫君) まず、平和祈念事業の意義づけと取り組み方針というご質問です。この事業は、非核平和都市宣言を上田市が行い、平和のとうとさを訴えていること、そして上田市名誉市民故半田孝淳氏の恒久平和の遺志を引き継ぎ開催をするものでございます。先月8月29日には第1回の実行委員会を開催したところです。事業は来年の1月12日金曜日、内容につきましては、上田市の戦争時の状況、また歴史を学ぶとともに、歌なども織りまぜまして、女優紺野美沙子さんによります戦争にまつわる作品の朗読と、あとピアノの演奏を組み合わせた公演を予定しているところでございます。戦争の悲惨さと平和のとうとさを次の世代に引き継いでいく機会とし、市民の皆様とともに一層の平和意識の高揚を図ってまいりたいというふうに考えております。 次に、モニュメントの設置のご質問でございます。非核平和都市宣言を広く周知し、理解をしていただくことは必要というふうに理解をしておりまして、来年1月に開催します平和祈念事業におきましてもこの都市宣言を広く周知してまいりたいというふうに考えております。この非核平和都市宣言でございますが、上田市ではこの都市宣言のほか5つの都市宣言を行っており、全てが重要なものでございます。したがいまして、この6つの都市宣言全てについてどのようなアピールの仕方が効果的なのかということも含めて今後の課題として研究をしていきたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 深井議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午後 2時40分   休憩                       ◇                                午後 2時54分   再開 ○副議長(小林隆利君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(6)市政について ○副議長(小林隆利君) 次に、質問第6号、市政について、池田議員の質問を許します。池田議員。          〔14番 池田 総一郎君登壇〕 ◆14番(池田総一郎君) 通告に従いまして順次質問いたします。 まず、上田市の実施する各種検診について質問をいたします。がん検診を初めとする各種検診は、病気の早期発見と治療につながり、ひいては拡大する医療費の抑制や患者及びその家族の生活の質の向上に資するものであります。2006年に制定されたがん対策基本法に基づいて、国全体目標の一つとして、がんによる死亡者の減少が掲げられました。75歳未満年齢調整死亡率はその評価指標として用いられております。この75歳未満年齢調整死亡率とは、高齢化の影響を除去することで壮年期死亡の減少を高い精度で評価するものです。国立がん研究センターの公表したデータによりますと、2015年の75歳未満年齢調整死亡率は、2005年からの10年間で15.6%減少しております。これを対人口10万人比であらわしますと、92.4人から78人へと減少したということであります。これは、日本の社会全体ががんの早期発見、早期治療に取り組んできた結果であり、中でも定期的ながん検診の果たした役割は大きかったものと評価いたします。 そこで、お尋ねしますが、市が実施するがん検診について、受診率向上に向けたさまざまな取り組みを行ってきているが、過去5年間の受診率の推移はどうか、またその結果をどのように評価しているのか、これをお尋ねし、私の第1問といたします。 ○副議長(小林隆利君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) 当市のがん検診の受診率の推移、またその評価についてでありました。 がん検診の受診率は、国等が行う調査としては3種類ほどがございまして、1つには、厚生労働省が3年に1度行います対象者を抽出し、自己記入によるアンケート結果を集計した国民生活基礎調査によるもの、2つ目には、同様に厚生労働省が毎年実施をいたしております統計資料に当たります地域保健・健康増進事業報告によるもの、そしてまた3つ目といたしましては、国立がん研究センターなどが推奨しております推計対象者数をもとに算出する方法がございます。これらそれぞれの調査ごとに算出方法が異なるのに加えまして、対象者を市町村が独自に設定している場合がありましたり、人間ドックや職場での受診者などの数という部分もございますことから、従来から用いております推計対象者数をもとに算出いたしました受診率の推移、これから見ました上田市における傾向について申し上げます。 がん検診の過去5年間の受診率の推移でございますけれども、まず主なものとして、胃がん検診の受診率は減少傾向にある一方、乳がん検診のうち30代が受診をされます超音波検診は増加傾向を示しております。その他、肺がん検診、大腸がん検診、乳がんマンモグラフィー検診及び子宮がん検診の受診率につきましては、年度によって変動がございますけれども、微増または横ばいで推移をしている状況にございます。全体的に見ますと、受診率は横ばい傾向ではありますが、市の人間ドックの検査費用補助を利用されている方々は年々増加傾向にございますことから、全体では受診率増加傾向にあるものと推察いたしております。 こうしたことを踏まえますと、受診率の現状につきましては、市の取り組みに一定の成果はあったというふうに受けとめておりますが、当市における死亡原因の第1位は全国、県と同様にがんでございまして、がんによる死亡を減らすためには、がん検診を受診して早期発見、早期治療が重要でございます。 いずれにいたしましても、がんに対する正しい知識のさらなる普及啓発に取り組むとともに、積極的な受診勧奨に努めていく必要があるものと、このように考えております。 以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 池田議員。          〔14番 池田 総一郎君登壇〕 ◆14番(池田総一郎君) 続きまして、がん検診についてお尋ねいたします。 ことしの6月29日、弘前大学医学部の松坂准教授が青森県の胃と大腸のがん検診で4割のがんが見落とされたと報告したことが全国版のNHK「ニュースウオッチ9」で放送されました。見落としの定義は、検診で異常なしと判定され、1年以内にがんと診断された場合というふうにしております。報道の概略をかいつまんで紹介しますと、青森県における見落とし率は胃がんでは40%、大腸がんでは42.9%だった。さらに、検診での見落とし率が20%程度であれば主に見逃されたのは早期がんと考えられ、許容範囲とされる。発見率を100%にしようとすれば本来必要でない精密検査が増加し、健康被害も懸念される。青森県のがん死亡率が高く、早期発見が少ない原因の一つとしてがん検診の質の問題があった可能性がある。以上が報道の概略であります。 ネット上でもこの報道に対する反響は大きく、がん検診に対する信頼性を疑問視する声が数多く出ておりました。私自身、見落とし率40%、20%の見落としは許容範囲ということに対して、これだけ医療技術が進歩している日本でこの数字は余りにも高過ぎないかというのが率直な感想であります。 お尋ねしますが、上田市では見落としについての調査はされているでしょうか。また、その調査結果はどうか。さらに、見落とし率20%が許容範囲とされることについて、多くの人が検査精度が低いと感じております。検査精度を高めるための取り組みが必要と思いますが、市の考えはどうでしょう。また、検診に対する市民の信頼度を高めるために、今後どのように取り組んでいくのか。 以上お尋ねし、第2問といたします。 ○副議長(小林隆利君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) がん検診における見落としとされるのは、国際標準の定義では、検診を受診し、異常なしとされた者で、その後一定の間隔で定められた次の検診までの間に診断されたがんであるとされております。議員ご紹介いただきました青森県が実施したがん検診に関する調査結果につきましては、国立がん研究センターから次のようなコメントが出されております。調査は予備的なもので、調査期間が短く、症例数も10例以下と少なく、さらに見落としに含めるべきではない症例も含められている可能性もあることから、今回の調査結果から検診の見落としについて評価をするのは困難であると、このような発表がなされております。冷静な受けとめも一方では必要ではあるというふうに受けとめたところでございます。 上田市では、見落としという視点での調査は実施をいたしておりませんが、がん検診の結果で精密検査が必要な方にはその後の追跡調査を実施いたしまして、状況の把握を行っておるところでございます。一般的にはがん検診では見落としを最小限に抑えることが求められますけれども、検診の精度につきましては、見落としを抑えることのみに注目をいたしますと、がんではないのにがんの疑いがあると診断される方が多くなるという状況となりまして、結果としてがんでない方ががんの疑いがあるとして精密検査を受診することとなります。こうしたことは受診者に心理的な、また身体的、経済的にも負担を強いることになるため、通常の検診ではがんでないのにがんの疑いがあるとされる方、こういった方をできるだけ少なくすること、最小化することが原則となっております。 上田市で実施しているがん検診では、国が推奨しております精度管理手法に基づき検診を実施しておりますが、今後は引き続き検診を実施していただきます医療機関などには適正な精度管理手法をさらに徹底いただくようお願いしてまいります。また、市民の皆様には、まずはがん検診を定期的に受診していただくこと、また検診の重要性とともに、どんなにすぐれた検診でありましても100%の精度ではないことなどについても一層の周知を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 池田議員。          〔14番 池田 総一郎君登壇〕 ◆14番(池田総一郎君) 次に、見逃しリスクの高いと言われている乳がん検診の一つ、マンモグラフィー検査についてお尋ねいたします。 現在女性の罹患するがんのうち乳がんの罹患率が第1位ということになっております。したがって、女性の乳がんを早期に的確に摘み取ればがん死亡率全体を大きく下げることにつながるはずです。フリーアナウンサーの小林麻央さんが亡くなったことで乳がんへの関心が高まる中、マンモグラフィー検査の見逃しリスクが高いと言われる背景には、その検査結果の通知方法に問題があるのではないかということが指摘されております。主に40代までの若い女性は乳腺が発達しており、日本人女性の約40%が高濃度乳房と言われる状態にあると言われております。この高濃度乳房の方がマンモグラフィー検査を受けた場合、乳腺とがんとの見分けが難しいということが専門家から指摘されております。さらに、国の現在の乳がん検診指針は、本人に知らせるのは要精密検査もしくは異常なしという結果のみでありまして、乳房タイプの通知までは求めていないので、乳がんの判別がつかない画像の場合でも異常なしと通知されてしまうということが見逃しリスクを高めている大きな要因の一つになっております。 多くの自治体ではこの指針に基づき、本来すべきだと思いますけれども、あなたは高濃度乳房なのでマンモグラフィーでは判定ができませんと、改めてエコー検査を受けてください、このような通知は多くの自治体ではされていないと、こういうことです。上田市ではこれまでに行ったマンモグラフィー検診の中で、高濃度乳房の判定困難な受診者に対し、どのような受診結果を通知してきたのでしょう。また、異常なしと通知した方の中に判定不能の方が紛れている可能性はないか。 関連して、40%存在すると言われている高濃度乳房の女性に対し、見落としを防ぐにはエコー検査を併用することががんの発見率を高めるとされております。現在市の乳がん検診では30から39歳の女性にはエコー検査を実施し、40歳以上では偶数年齢の女性にマンモグラフィー検査を実施しております。マンモグラフィー検査は、受診者にとってかなりの痛みを伴うものだと聞き及びます。検査費用や体感する痛みなど受診者への負担軽減の観点も含めて、乳がん検診をエコー検査に一本化する考えはないでしょうか。また、マンモグラフィー検査によって高濃度乳房だとわかった女性は、次回の検診のときにがんの見逃しリスクの高いマンモ検査を受けることには抵抗感が大きいのではないかと思われます。こうした女性にはエコー検査を勧奨し、市の定める受診料、これはエコー検査1,000円というふうになっていますけれども、それで検診できるよう改善を図ることを提案したいと思うわけですが、市の考えはいかがでしょう。 以上、一括で答弁願います。 ○副議長(小林隆利君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) 高濃度乳房の方への検診結果の通知方法、また受診者の負担軽減の観点を含めて、エコー検査等の一本化に関する考えについてご答弁申し上げます。 マンモグラフィー検査では、乳腺は白く、脂肪は黒く映りますが、乳腺密度が濃く、乳腺が白く映る割合の高い乳房、これを高濃度乳房と定義しております。上田市ではマンモグラフィー検査の結果、高濃度乳房により判定困難な方にはその旨をお知らせし、超音波検査を勧奨させていただく案内を通知しております。このため、高濃度乳房により判定困難な方には異常なしといった判定は行ってはおりません。また、マンモグラフィー検査は乳腺濃度が高い比較的若い女性では乳房部全体が白く映ってしまうため、がんを発見しづらくなることや、乳房を圧迫するため痛みを伴うことがあるといった欠点もございますが、乳房全体を客観的に検査することが可能で、カルシウムの沈着による石灰化病変の検出にすぐれており、早期にがんを発見することができ、検診に適しているとされております。 一方、超音波検査は、乳腺の濃さに影響されず、乳房を圧迫しないので痛みがなく検査ができるわけでありますが、検査者の経験や技量に依存することが多く、また先ほど申し上げました石灰化病変を発見しにくいのが欠点であると言われております。比較的年齢の若い女性向きの検診とされているところでございます。 こうしたことから、上田市の乳がん検診では、国の指針に基づき、40歳以上で偶数年齢の方にはマンモグラフィー検査を実施し、超音波検診につきましては、上田市独自の取り組みといたしまして、乳腺濃度の高い30代の方を対象に実施いたしております。 お尋ねの検査の一本化についてでありますが、現時点では乳がん検診においてマンモグラフィー検査が最も有効な検診方法とされておりますことから、今後も国の指針に従い乳がん検診を実施してまいりたいと考えております。なお、高濃度乳房の方への対応につきましては、現在国において検査方法や判定基準などを検討しておりまして、本年度中にも通知方法を定めた指針をまとめることとしております。市といたしましても、マンモグラフィー検査と超音波検査との併用での検査方法等も含めまして、今後の国の動向を注視しながら適切に対応してまいります。 以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 池田議員。          〔14番 池田 総一郎君登壇〕 ◆14番(池田総一郎君) 次に、新生児聴覚検査についてお尋ねいたします。 厚労省は平成19年に全ての新生児に対し新生児聴覚検査が実施され、聴覚障害の早期発見、早期療育につなげられるよう全国の都道府県に要請しております。ことし6月、日本産婦人科医会がこの検査の実施状況の調査結果をまとめたところ、聴覚検査を受けていない未受検率は15%に上るということを公表いたしました。厚労省のホームページから確認したところ、長野県内ではこの検査の結果を把握している自治体は、県内77のうち53自治体ということですが、上田市では検査結果の把握はされてきたでしょうか、またその状況はどうでしたか。 関連して、平成19年度以降、国は新生児聴覚検査費用に関して、初回検査費用と再検査費用に所要の財源が確保され、少子化対策に関する地方単独措置として地方交付税措置がなされたので、検査費用について公費負担を自治体に求めております。しかしながら、県下では新生児聴覚検査費用に対し公費負担を実施している自治体はわずかに2つという状況でして、全国の自治体を見ても、1,700の上ある自治体の中で109にとどまっているという状況です。これでは何のための交付税措置なのかがわかりません。上田市における公費負担の状況はどうでしょうか。また、検査を受けられなかった新生児に対する対策を行っているか。さらに、新生児の聴覚検査に対する今後の対応はどうか。 以上を一括で答弁求めます。 ○副議長(小林隆利君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) 新生児の聴覚検査についてのご質問でございました。 最初に、調査結果の把握とその状況についてご答弁申し上げます。新生児聴覚検査は、生後2日から4日までの間に出産された病院等で入院中、聴覚能力を判定できる検査機器を用いまして検査を行うものでございます。全新生児を対象としたスクリーニング検査となっているところでございます。聴覚障害は早期に発見し、適切な支援が行われれば音声言語発達等への影響が最小限に抑えられることから、全国的に行われております。 お尋ねの検査結果の把握でございますが、上田市においては出産されたご家庭を対象に、新生児訪問として保健師及び助産師が全戸訪問しておりますので、出産後の新生児の様子をお聞きする中で、新生児聴覚検査の結果についても確認をさせていただいております。実施状況につきましては、国が直近で市町村別実施状況を公表しております平成27年度における当市の検査結果の実施率は96%となっております。また、例年年間で約1,000人の対象のうち3人から4人が再検査になり、そのうち1名程度が関係の障害が発見されているという状況にございます。 次に、聴覚検査の検査費用の公費負担あるいは今後の対応について申し上げます。聴覚検査の検査方法は幾つかございますが、検査にかかる一般的な費用は4,500円から5,000円ほどで、現在上田市では公費負担は行っておりません。なお、平成27年度に実施した国の調査によりますと、全国で初回検査費用を補助している市町村は、先ほど議員のご質問にもございましたが、全体の6.8%でありまして、長野県内においては2つの町で実施している状況にございます。 また、検査を受けられなかった新生児の対応についてでございますが、新生児訪問の際に未実施の場合には保護者の皆様に検査の必要性についてご説明し、検査を受けていただくようにお話をしているところでございます。今後も受診率を限りなく100%に近づけられるよう、検査を受けることをお勧めするとともに、再検査や経過観察、診断がなされた場合などについてもその結果を把握し、保護者の皆様に寄り添った支援に努めてまいります。 検査費用の負担の問題につきましては、現時点では現行どおりとさせていただきたいと考えておりますが、先ほど議員のご指摘もありましたとおり、それらを踏まえ、検査の受診状況等も継続的に確認をしながら、その必要性等をさらに見きわめてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 池田議員。          〔14番 池田 総一郎君登壇〕 ◆14番(池田総一郎君) 「子育てするなら上田市で」、これを標榜する上田市であります。早い時期に聴覚障害を抱えている乳幼児をしかるべき療育につなげることが将来その子のコミュニケーション能力の獲得にとって大変肝要なことだというふうに思います。新生児検査費用に対する公費負担、先ほども申し上げたとおり、交付税措置もされているということでありますので、早期の実施を望みます。これは時間の関係上要望にとどめます。 続きまして、上田市の温泉施設について、日帰りの4施設について質問をいたします。上田市には別所温泉のあいそめの湯、室賀温泉のささらの湯、真田温泉のふれあいさなだ館、そして武石温泉うつくしの湯があり、それぞれが特徴を持つ温泉として市民だけでなく多くの観光客にも親しまれております。この4つの温泉施設は、あいそめの湯が別所温泉観光協会、残りの3施設は上田市地域振興事業団を指定管理者として運営をされております。 お尋ねしますが、それぞれの施設に対する指定管理料はどうか、また4施設の年間入館者数の状況はそれぞれどうか、答弁を願います。 ○副議長(小林隆利君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) 市内に4つございます公共温泉施設につきましては、それぞれ所管が異なるわけでございますが、相染閣を含めまして、私のほうから指定管理料及び年間入館者数について一括してご答弁申し上げます。 最初に、28年度における指定管理料につきまして申し上げます。ささらの湯が2,969万円、ふれあいさなだ館が6,820万9,000円、うつくしの湯が3,729万4,000円でございました。なお、相染閣につきましては、指定管理料はございません。 次に、平成28年度における年間入館者数につきましては、ささらの湯が28万1,294人、相染閣が26万7,056人、ふれあいさなだ館が19万3,975人、うつくしの湯が13万9,267人でございました。 以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 池田議員。          〔14番 池田 総一郎君登壇〕 ◆14番(池田総一郎君) ただいまの答弁からもわかるとおり、これら4施設の日帰り温泉の中で、あいそめの湯は開館から9年、上田市からの指定管理料を受けずに事業収入の中で黒字運営をされていると、一方で他の3施設につきましては、ちょっと今の答弁の数字丸めますけれども、ささらの湯が約3,000万円、ふれあいさなだ館が約6,000万円、うつくしの湯が3,500万円、3施設合計で約1億2,500万円余の指定管理料を市から受けて運営をされております。事業収入を見ますと、あいそめの湯が8,600万円、ささらの湯とふれあいさなだ館が約1億円、うつくしの湯が約8,000万円という数字が調べられておりますけれども、年間券については4施設共通となっているので、個別にどの施設の売り上げにカウントされるのか区分しづらい部分はありますが、これをざっくりと申し上げて、各施設年間の事業収入は8,000万円から1億円の、約2,000万円の差はありますが、そのレンジにおさまっているという状況であります。 こうして見ると、地域振興事業団が運営する3施設については、高コスト体質になっているのではないかというところが透けて見えてくるわけですが、この点について以下2点質問いたします。 1つ目が、あいそめの湯を除く3施設については、指定管理料を受けないと運営ができない原因、つまりコストがかさむ原因をどのように分析しているか。2つ目として、3施設における指定管理料の縮減、つまりコストの削減に対してこれまでどのような取り組みが行われてきたのか。それぞれ施設ごとに答弁を求めます。 ○副議長(小林隆利君) 中澤農林部長。          〔農林部長 中澤 勝仁君登壇〕 ◎農林部長(中澤勝仁君) 私からは室賀温泉ささらの湯につきましてご答弁申し上げたいと思います。 室賀温泉ささらの湯でございますが、こちらは魅力ある農業、農村の創出のために、都市と農村交流の拠点施設といたしまして、また農林産物や温泉などの資源と観光との連携によりまして地域の活性化を図ることを目的に平成9年6月に開館いたしました。以来、施設管理者と地域住民が主体となりまして、納涼ほたる祭や温泉祭、ふれあい新そば祭などさまざまなイベントを行うとともに、地元農家が生産した新鮮な農産物を直売所やそば処ささら亭で提供するなど、地域交流の場、都市と農村交流の場として親しまれるとともに、地域の活性化にもつながっているものと考えてございます。また、源泉100%で肌がすべすべする泉質のため女性にも大変人気でございまして、三美の湯としてもご好評をいただき、平成28年1月には来館者数500万人を達成するなど、市内外からの誘客が図られ、地域に根づいた施設となってございます。 一方、運営面におきましては、指定管理者制度の利用料金制を導入しており、利用料金等による収入と事業活動による支出の差額により市が負担する指定管理料の有無が生じてまいります。当施設の平成28年度決算ベースでは、収入より支出が約2,600万円余上回っており、この不足につきまして上田市からの指定管理料により賄われている、こういった状況でございます。 この主な原因といたしまして、あいそめの湯と比較して大きく異なるのが人件費でございます。平成28年度の人件費は、あいそめの湯が約2,500万円であるのに対し、当施設は約4,400万円で、あいそめの湯の約1.7倍となってございます。これは、当施設の出入り口が2カ所あることや、これは当施設の特徴でもございますが、朝風呂を早朝5時から営業しているため、その分の人件費がかかることなどが考えられます。また、4施設共通でご使用いただける年間券ですとか回数券、こちらは他の施設で購入し、当施設でご利用いただく場合利用料収入が伴いませんので、こうしたことも事業収入が伸びない要因の一つと考えられます。 次に、経費削減につきましては、開館から20年が経過し、施設の老朽化が進んでおりますが、修繕はできるだけ職員が行うことや、節電の徹底など経費の削減に努めているところでもございます。また、大河ドラマ「真田丸」に登場し、人気を博しました武将室賀正武氏ゆかりの地であることを生かしました室賀の郷史跡めぐりウォーキングなど地域独自の企画を提供するなど、集客とサービスの向上に努めてきたところでございます。 今後さらなる収入増を図るためには、こうした施設独自の取り組みだけにとどまらず、他の施設も含めた現行の利用体系の見直しや経営分析の実施など、市と指定管理者との連携した取り組みを進めていくことも必要かと考えてございます。 私からは以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 中村教育次長。          〔教育次長 中村 栄孝君登壇〕 ◎教育次長(中村栄孝君) 私からは、ふれあいさなだ館についてお答えいたします。 ふれあいさなだ館の指定管理料でございますが、平成28年度は平成27年度と比べまして減少傾向となっておりますが、健康増進施設であります温水プールを併設していることによりまして、施設に対する利用料金収入の割合はここ数年来6割程度にとどまっておりまして、ほかの施設と比較をいたしまして指定管理料の金額が多額になっている状況がございます。平成28年度の決算状況で見てみますと、このプールの維持管理費は人件費、燃料費、光熱水費、委託費といった経常的に必要な経費に約2,600万円かかりまして、施設の維持管理に要する費用の約3割を占めております。また、NHK大河ドラマ「真田丸」の効果もございまして、利用者数はこのところ増加をしておりますが、他の施設で購入いただいた年間券、回数券を利用した場合は利用料金収入を伴わないため、このことも利用者数が増加しても収入が伸びない理由の一つでないかと考えております。 次に、コスト削減、サービス向上の取り組みについてでございますが、開館から20年以上が経過をして施設の老朽化に伴う維持管理費も増加傾向にございますが、軽微な修理は業者に委託をせず指定管理者みずからが行い、また節電の意識徹底を図るなど経費の削減に努めるとともに、自主事業といたしまして、水泳教室等の開催、さらに誘客に係る積極的な営業活動や真田氏と関連したメニューを開発して宴会、会食のプランを充実させるなどの収入増にも努めております。 今後も市と指定管理者が連携をしてコスト削減や集客に努めるとともに、指定管理料の縮減に努めてまいりたいと考えております。 私からは以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 木藤武石地域自治センター長。          〔武石地域自治センター長 木藤 忠彦君登壇〕 ◎武石地域自治センター長(木藤忠彦君) 続きまして、私からはうつくしの湯の状況について申し上げます。 武石温泉うつくしの湯は、自然の恵みである温泉を活用して保健、休養の場を提供し、地域住民の健康と福祉の増進を図るため平成11年度に設置されたものでして、指定管理制度の利用料金制のもとで、地元野菜も取り扱う売店や食堂等も経営している施設でございます。うつくしの湯は立地的にも多くの観光客の入り込みが望めない、また近隣自治体にも競合する類似施設があるということもありまして、入館者数は、先ほど健康こども未来部長からの答弁がございましたが、あいそめの湯と比較すると大きな相違があるところでございます。 うつくしの湯の平成28年度の収入を見ますと、入館料収入は約3,700万円程度でございまして、食堂や売店の売り上げなどを合わせた事業収入で7,750万円、約8,000万円ということになっております。一方、支出を見ますと、食堂運営分を含めた人件費もありまして、人件費が約1.5倍となっております。そういったことから、赤字運営を解消するため指定管理料により賄っている状況でございます。 経費削減や利用者増、収入増の取り組みにつきましては、指定管理者において他施設と同様の取り組みを進めておりますが、自主事業としては、隣接する武石森林公園マレットゴルフ場と連携したマレットゴルフパック、また松茸の日といった季節のイベントなど、地域独自の自主事業を実施いたしているところでございます。さらに、施設の魅力の一つでございます露天風呂からの眺望を確保するため景観整備を実施するなど集客に努めてきたところでございます。その結果、利用者数及び事業収入につきましては、平成26年度から年々増加をいたしまして、指定管理料については逆に減少をしてきております。 今後におきましては、他の施設と同様、施設独自の取り組みを一層進めるとともに、市と指定管理者が連携をし、コスト削減、収入増に一層努めてまいりたいと考えております。 以上です。 ○副議長(小林隆利君) 池田議員。          〔14番 池田 総一郎君登壇〕 ◆14番(池田総一郎君) 3施設それぞれ答弁をいただきましたけれども、ぜひ今後指定管理料の縮減を図り、できることであれば、さまざま分析を行った上で黒字転換への可能性を見出していただけたらなと、このように思います。 次に、あいそめの湯の食堂施設についてお尋ねいたします。あいそめの湯がオープンした9年前、別所地区の飲食店の経営を圧迫する懸念があったことから、館内には食堂をつくることなく、食事の提供は地元の飲食店からの出前で対応するという方針で今日に至っております。しかしながら、現在では地元や利用者の皆さんから食堂の設置を望む声が多いということ、さらに出前を行っている別所の飲食店の経営者の皆さんの高齢化が進み、出前の対応が年々厳しくなっているということであります。こうした動きに対して施設利用者の利便性や利用者数の増加の取り組みとして、指定管理者の別所温泉観光協会も前向きに検討を始めております。観光協会に話を聞いたところ、食堂オープン1年目には約60万円を、2年目以降は100万円の収益を見込めるというシミュレーションを立てております。 お尋ねしますが、市は早期に食堂を増設する考えがあるかどうか、また食堂の開設は最短でいつごろになる見込みか、以上お尋ねいたします。 ○副議長(小林隆利君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) 相染閣での食事の提供につきましては、議員のご質問の中にもございましたが、平成20年度に現在の場所に相染閣を移転する際に、旧相染閣においても出前方式であったこと、また施設建設に当たりまして、当時食堂を併設いたしますと地元の飲食店の経営が厳しくなるといったご意見が関係者の皆様から出されたことから、現在の出前方式で行ってきた経過がございます。 しかしながら、開館から9年を経過する中で状況はさま変わりをいたしまして、飲食店経営者の高齢化の問題があることや、利用者からも食事に対するご意見やご要望が数多く寄せられていることなどお聞きをいたしているところでございます。 昨年の11月には現在の出前協力店3店と別所飲食店組合の総意として、飲食店経営者の高齢化などの理由によりまして出前方式での食事提供の存続は難しいとの理由から、相染閣への食堂設置を要望していくことで意見が集約され、確認されたとのことでございまして、市に対しても別所温泉観光協会等からその旨の申し入れがございました。市といたしましても、現在の地元飲食店が直面している現状や課題などにつきましては承知をいたしているところでございまして、今後利用者のニーズや地域での活用についての考え方、また経営面での見通しや費用対効果など幅広い視点で、相染閣への食堂の設置も含めた食事の提供のあり方につきまして改めて検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 池田議員。          〔14番 池田 総一郎君登壇〕 ◆14番(池田総一郎君) それでは、最後の通告のわがまち魅力アップの関係ですが、時間の関係上、最後の1問といたします。 私、昨年の6月の一般質問で、その折にわがまち魅力アップ応援事業の採択事業の中で、自治会が申請するような事業は地域内分権におけるまちづくり交付金の中で続けていくことができそうだけれども、地域が限定されない全市的な事業に対する支援のあり方が課題となっておりました。その後この課題に対する検討はどのようになったのか、これをお尋ねしまして、私の最後の質問といたします。 ○副議長(小林隆利君) 片岡市民参加協働部長。          〔市民参加協働部長 片岡 文夫君登壇〕 ◎市民参加協働部長(片岡文夫君) ご質問のわがまち魅力アップ応援事業の中で地域が限定されない全市域を対象とした事業に対する支援のあり方につきましては、この事業が平成31年度までは現行の事業として引き続き新規の募集も行う予定であるため、現時点ではまだ具体的な内容について申し上げる内容にはなってございません。限られた財源の中での検討となりますことから、今後住民自治組織への交付金制度と一体的に検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 池田議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午後 3時37分   休憩                       ◇                                午後 3時55分   再開 ○副議長(小林隆利君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際申し上げます。議事の都合により、本日午後5時を過ぎても会議を続行しますので、ご了承願います。                       ◇ △(7)ひきこもり対策について ○副議長(小林隆利君) 次に、質問第7号、ひきこもり対策について、金沢議員の質問を許します。金沢議員。          〔16番 金沢 広美君登壇〕 ◆16番(金沢広美君) 通告によりましてひきこもり対策について質問いたします。 2016年内閣府の調査によれば、54万1,000人の方がひきこもりであると言われ、ひきこもりの方、そしてその家族を支え、社会復帰を後押しする取り組みが求められております。前回2010年の調査では、ひきこもりの期間は1年から3年が多かったのですが、今回の調査で7年以上が34.7%と最も多かったことからも長期化の傾向が見られます。そして、35歳から39歳の方は前回のほぼ倍の10.2%と高齢化の傾向も数字からも言えます。内閣府の調査は15歳から39歳までの調査なので、40歳からのひきこもりの実態は明らかでないと言えます。 東御市は地域のつながりに関する基礎調査の項目にひきこもりに対する質問を取り入れ、郵送によるアンケート調査を行いました。ひきこもりの方は人口の2.1%であると推計値を出しました。ひとり住まいのひきこもりの方への連絡手段は難しい中、郵送によるアンケート調査は接点をつくることができます。また、秋田県藤里町では、4年かけて訪問調査を行い、ひきこもり一人一人の実態調査を行いました。8.7%のひきこもりの方がいることを把握しています。三千二百数十人の藤里町は約1割近いひきこもりの方がいらっしゃることと、内閣府の調査では0.56%世帯がひきこもりであるとの数値は余りにも大きな違いが見えます。 いずれにせよ、実態調査はこれらのことからも必要性があると考えられます。現役世代の不就労者、ひきこもりの増加は地域の活性化にも影響を与え、高齢家族の負担にもなっていきます。地域で就労できずひきこもっている実態を知ることにより、さまざまな支援の仕方などを考えていけるはずです。上田市として実態調査をする考えがあるかをまずお聞きいたします。 ○副議長(小林隆利君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) ひきこもり実態調査を行う考えについてご答弁申し上げます。 厚生労働省ではひきこもりを通学や仕事、また他人とかかわる外出をせずに6カ月以上家庭にとどまり続けている状態と定義をしております。ひきこもりに関する実態調査につきましては、内閣府が平成22年と27年の2回実施しておりまして、平成27年度の調査におきましては、15歳から39歳の人がおります5,000世帯を調査員が直接訪問いたしまして、本人やご家族から外出の頻度、あるいはひきこもりとなった年齢ときっかけ、ひきこもりの期間など聞き取りをいたしまして、議員のご質問にございましたように、昨年9月にひきこもりの方が全国で推計54万人に上るという調査結果の公表をいたしたところでございます。 また、地方自治体では秋田県の藤里町が平成20年から23年にかけまして、18歳から54歳までを対象に、社会福祉協議会が個別の訪問調査を実施しており、約8.7%の方がひきこもりであったとのことでございます。なお、このほかの事例についてほかの自治体の情報はお聞きをしておらないところでございます。 ひきこもりの実態調査をすることは、個人や家庭のプライバシーに踏み込む極めてデリケートな内容でございまして、調査する側と対象者との関係性が築けており、その必要性を住民の皆様が理解をしていただいていることが必要でございます。また、対象となる方が隠さずに状況を正しく答えていただける状況でございませんと正確な実態の把握とはなりにくい面があるというふうに考えております。このため、実態を正確に把握するためには、アンケートや抽出による訪問調査などではなく、申し上げました藤里町の事例のように、全世帯へ戸別訪問により丁寧に説明を行った上で聞き取りをすることが必要であろうというふうに考えております。こうしたことを満たすためには、市として実態調査を行うことは大変難しい面があるというふうに現在受けとめているところでございます。 しかしながら、ひきこもりの方やご家族の方をできるだけ早期に支援につなげるためには、現状の把握は必要であると考えておるところでございまして、引き続きひきこもり相談や家族教室などを通じまして状況、実態の把握に努めてまいりたいと、このように考えております。 以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 金沢議員。          〔16番 金沢 広美君登壇〕 ◆16番(金沢広美君) ひきこもりの原因として考えられることは、いじめなどから不登校になり、そのままひきこもりになる場合や、職場の環境についていけずひきこもってしまうことや、心の病によりひきこもりになる場合などさまざまあります。ひきこもりの相談に対応していくには庁内の連携が不可欠です。庁内の横断的な連携をとるためにも相談窓口を明確にすべきと考えますが、どうかお聞きします。 ○副議長(小林隆利君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) ひきこもりの対策の中で庁内で横断的な連携体制をとるために相談窓口を明確化すべきと考えるがどうかとのご質問でございます。 内閣府の調査によりますと、ひきこもりの状態となったきっかけでは、学校への不登校、職場になじめなかった、就職活動がうまくいかなかったなど人間関係のつまずきや、または病気の影響などさまざまでございます。また、ひきこもりの期間でございますが、7年以上と長期化している割合が全体の約35%である一方、過去にひきこもり経験があると答えておいでになる方のうち、約40%が6カ月から1年未満でひきこもりを脱しておりまして、そのきっかけは、アルバイトを始めたことや同じ経験をした人と出会えたことなどがあると、このようになっております。こうしたことから、早い段階での対応の重要性が確認されているところでございます。 こうしたことを受けまして、国は平成21年度からひきこもり地域支援センターを都道府県や指定都市に設置を進め、また長野県では平成22年度に精神保健福祉センター内にひきこもり支援センターを開設いたしまして、ひきこもりに特化した第一次相談窓口として自立への支援等を行っております。 上田市では平成16年度からひきこもり家族教室を開催いたしまして、ひきこもりで悩んでいらっしゃるご家族への講習会等を行い、ひきこもりに関する知識や本人への対応の仕方についての実際、家族間での交流、情報交換等を行ってきております。また、月に2回心理カウンセラーが担当するひきこもり個別相談を実施しておりまして、1時間の時間の枠内で主に家族の皆様への相談に対応し、本人とご家族との関係やかかわり方を見直していただく機会といたしているところでございます。 こうした中、相談者の状況によりまして継続して相談を行っていく場合と関係機関へつなぐ場合とがございます。就労を目指していても社会経験がないまたは少ない39歳までの方においては、若者サポートステーション・シナノと連携し、また40歳以上の方はまいさぽ上田と連携するなど、個別対応時にそれぞれ必要な団体と連携を行っておるところでございます。また、発達障害等何らかの疾病等の可能性がある場合は、上田保健福祉事務所で実施する精神保健福祉相談や思春期心理相談などをご紹介する場合もございます。 今後も当面は個別相談を主体といたしまして、必要に応じてただいま申し上げたような関係機関等とも連携する体制によりまして取り組みを進めてまいりたいと、このように考えております。 以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 金沢議員。          〔16番 金沢 広美君登壇〕 ◆16番(金沢広美君) 答弁をいただきました。 先ほどの答弁にもございましたが、市内のひきこもり支援をしている団体は上田市社会福祉協議会が行うまいさぽ上田、NPO法人と上田市が協働事業で行う若者サポートステーション・シナノ、またNPO法人子どもサポート上田が行うひきこもり親の会などが挙げられます。それぞれの団体の就労支援の状況や課題について市は把握しているのでしょうか。また、課題解決に向けてどのように考えているのでしょうか。ひきこもりの方の就労へ結びつけていくための前段階として、コミュニケーションを育てていくことも大切と考えられますが、それぞれの団体はどのように考えているのかをお聞きいたします。 ○副議長(小林隆利君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) ひきこもりへの支援をしている団体に関するご質問でございます。私からは、上田市社会福祉協議会へ委託しているまいさぽ上田についてお答えいたします。 国では生活に困窮している方の自立を促進し、生活保護に至る前の段階にある生活困窮者を支援する第2のセーフティーネットの充実強化を図るため、生活困窮者自立支援法を平成27年4月に施行いたしました。このような動きの中でまいさぽ上田は設置されました。就労等に関する相談のほか、ひきこもりの方も含め生活困窮からの自立を希望する全ての方を対象としております。昨年度まいさぽ上田における1年間の相談者は、現在も支援を継続している方も含め全体で1,208人で、履歴書の添削や模擬面接のほか、ハローワークへの同行支援などを行った結果、60人の方が就労に結びつきました。 課題といたしましては、せっかく就労に結びついても短期間でやめてしまう方がいます。これは、就労先の同僚とのコミュニケーションをとることが不得手なことや、本人の雇用に関する希望と実際の求人とのミスマッチ等があることが考えられます。課題の解決に向けまいさぽ上田では、市のほかハローワーク、上田市社会福祉協議会、労協ながの等が参加をして毎月支援調整会議を実施し、その中で相談者ごとに支援の内容を確認しています。相談者に寄り添い、必要に応じて関係する機関と連携をとりながら、相談者の自立に向けた支援をきめ細やかに行っております。 まいさぽ上田における相談者は、ひきこもりから抜けてほしいと感じている家族からの相談はあるものの、本人自身は困っているという自覚がない場合もあります。また、他者とのコミュニケーションを苦手にしていることもあり、自立に向けた相談に至らず、またその結果として就労に結びつかないケースもあるというふうに聞いております。 このため、就労に向けた取り組みとしまして、まず準備段階ということで、自宅から出て社会参加することによりコミュニケーションを身につけてもらうことを目的としたしゃべり場やコミュニケーション講座をまいさぽ上田が独自に行っております。しゃべり場には毎月第3月曜日の午後、ふれあい福祉センターにおいて行っており、毎回5人程度の方が参加しています。同席するまいさぽ上田の職員が参加者の話を引き出す形で交流を深めております。コミュニケーション講座は、基本的なコミュニケーション訓練などの講習のほか、上田市社会福祉協議会等で簡単な職場体験を行い、就職に向けてのきっかけづくりを行っております。昨年度は5人の方が参加し、3人の方が就労に結びつきました。まいさぽ上田で取り組んでいるしゃべり場やコミュニケーション講座を通じ、ひきこもりの方の支援としてある程度の成果が出ていると考えておりますことから、継続して取り組んでいただけるよう支援してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 倉島商工観光部長。          〔商工観光部長 倉島 義彦君登壇〕 ◎商工観光部長(倉島義彦君) 続きまして、若者サポートステーション・シナノについてでございますが、市内の認定NPO法人侍学園スクオーラ・今人が厚生労働省の委託を受け運営しておりまして、働くことにさまざまな悩みを抱えている15歳から39歳までの若者が就労に向かえるよう多様な支援サービスでサポートする職業的自立支援センターとしての役割を担っております。今の状況を何とかしたい、働きたいのにうまくいかない、こういった悩みを抱えている若者はひきこもり、ニート、フリーターといった個々の状況がありますので、若者サポートステーション・シナノでは、相談者個々の状況に合ったプログラムを作成し、段階ごとに着実にステップアップできるような支援がされております。特にひきこもりの状況に対しましては、本人以上に支えている家族が悩み苦しむ背景を抱えていることが多くありますので、保護者相談を行う一方、外に出ていくことに抵抗がある本人に対しましては、自宅または安心できる場所に伺い、今の自分に何ができるか一緒に考え、できることから始めて確実に一歩を踏み出せるよう寄り添ったサポートを行っております。 働きたいという意欲を持ち始めた状況においては、働くための準備として、自分を律する力、任された役割をやり切れる力、コミュニケーションをとれる力、これらをつけるための自己学習プログラム、コミュニケーションセミナー、パソコン講座、就労体験などが用意され、就職した後のサポートもきめ細かく行われております。市といたしましても、保護者相談会や臨床心理士によるカウンセリング事業を若者サポートステーション・シナノに委託するとともに、上田市版ハローワークとして開設した就労サポートセンターでの就労相談において、相談者の状況によっては若者サポートステーション・シナノを紹介するなどの連携をとっておりまして、引き続きさまざまな事情により就職が困難な若者が一人でも多く社会で活躍できるよう努めてまいりたいと考えております。 若者サポートステーション・シナノから伺っている課題といたしましては、国の委託事業の対象年齢が15歳から39歳までとされている中で、ひきこもりの改善は容易なものではなく、対象年齢が過ぎても継続して支援をしていく必要があり、制度の内容と実態がかけ離れている状況がありますので、市といたしましても国へ働きかけていく必要があると考えております。 また、近年は相談内容や支援ニーズが多種多様化している中で、学校現場から不登校の対応についての助言やバックアップを求められる状況もあるとお聞きしておりますので、市としても庁内の横断的な連携をとりながら取り組みを支援していく必要があると感じております。 コミュニケーション力を育むことについての各団体の考えでございますが、若者サポートステーション・シナノからは、ひきこもりやすい傾向の方々は言葉によるコミュニケーションが総じて苦手であり、社会でその能力が求められているとはいえ容易に向上できるものではなく、まずは対応するスタッフが相手の話をよく聞き、話を引き出し、お互いの信頼を高めることからスタートすると伺っております。また、状況を見ながらスキルアップセミナーへの参加を促すなど、段階的に力を高めていくことが重要とお聞きしておりまして、雇用促進室におきましても若年者就業サポートセンターでコミュニケーション力向上のセミナーを設けているところでありまして、関係機関と連携しながら取り組みの充実に努めてまいります。 私からは以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 中村教育次長。          〔教育次長 中村 栄孝君登壇〕 ◎教育次長(中村栄孝君) 私からは、NPO法人子どもサポート上田についてお答えをいたします。 子どもサポート上田は、教育委員会が所管いたします東部児童クラブの一室を利用して活動が行われておりまして、会費収入や県の支援金などをもとに法人みずからが主体的に事業運営を行っております。子どもサポート上田は、団体として就労に直接結びつける活動はしておりませんが、不登校やひきこもりの当事者、その家族に対する相談支援、シンポジウムや講演会の開催、他の民間団体と連携したイベントの参加などを通じて、当事者が将来の自分自身の姿や夢を描くことができるような活動を行っております。また、他者とのかかわりを通じてコミュニケーションがとれるよう、ハートフレンドといった事業により支援を行っております。 教育委員会では、子どもサポート上田とは毎年懇談会を開催しておりまして、活動状況や課題について確認をいたしております。団体からの課題、要望といたしましては、活動場所の継続的な支援、団体が行う相談業務に関連する情報提供及び講演会などの周知がございまして、教育委員会としても可能な限り支援を行っているところでございます。 以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 金沢議員。          〔16番 金沢 広美君登壇〕
    ◆16番(金沢広美君) それぞれ答弁いただきました。 ひきこもりの要因の大きな一つに不登校が考えられます。市は小学校、中学校の不登校の児童生徒数は把握しておりますが、高校生の不登校の状況、中学校卒業後にひきこもりになった方の状況、また高校在学中にひきこもりになった方など、義務教育を終えてからの不登校、ひきこもりの実態について把握をしているのでしょうか。また、現在行っている支援はどのようなものかをお聞きいたします。 ○副議長(小林隆利君) 中村教育次長。          〔教育次長 中村 栄孝君登壇〕 ◎教育次長(中村栄孝君) 高校生の不登校の状況、中学校卒業後にひきこもりになった方の状況、高校在学中にひきこもりになった方の状況など把握をしているのか、また現在行っている支援策は何かとのご質問をいただきました。 義務教育終了後の不登校、ひきこもりの実態につきましては、義務教育終了後の追跡調査など教育委員会としては行っておりませんので、その実態は把握をしておりません。ただ、高校生の不登校者数、不登校やひきこもりなどもその要因と考えられます高校中途退学者の状況につきましては、長野県教育委員会の公表資料によりますと、長野県全体として、平成27年度の状況でございますが、不登校者数は703人、在籍比1.19%、中途退学者数は710人、中途退学者率は1.1%となっております。高校や大学等高等教育機関に在籍をしている間はそれぞれの学校で相談体制が整えられておりますが、中学卒業後に進学あるいは就職をしない、いわゆる家居の方、高校を中途退学をした方につきましては、支援が中断してしまうなどの課題があると考えております。教育委員会といたしましても開設をしております教育相談所におきまして当事者やその保護者からの相談に応じておりまして、場合によっては長野県ひきこもり支援センターや若者サポートステーション・シナノなど支援機関を紹介するなどの支援を行っているところでございます。 以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 金沢議員。          〔16番 金沢 広美君登壇〕 ◆16番(金沢広美君) 答弁をいただきました。 ひきこもりの方を支援することで期待したいのが外に出たくないという人に対して訪問支援、これはアウトリーチと言いますが、これを行うひきこもりサポーターです。大町市はこのひきこもりサポーターを取り入れております。長野県ひきこもり支援センターが行うひきこもりサポーター養成研修事業で研修を受け、地域に潜在するひきこもりの方の早期発見、適切な支援機関への早期依頼により自立の促進を担うなど、本人や家族に対するきめ細やかな継続的な支援を目的としています。ひきこもりサポーターが必要とされる一つには、ひきこもりの方は長期化を要します。既存の支援では長期化とともに家族の高齢化、担当者の変更などにより支援から外れてしまうケースが考えられます。ひきこもりの支援は時間と労力がかかるとされます。ひきこもり本人の不安定時期から安定時期に入り、その後ためらう時期があります。このためらう時期が専門の方にお聞きしましたら非常に大事なときであるとおっしゃっておりました。それは、このままひきこもりを続けるべきか否かためらうわけであります。この時期をキャッチできるかどうかを訪問を通じて会社に復帰できるよう本人に促したり、家族からも伝えられるように支えていくためにもつながり続ける存在が必要であります。それを担うのがひきこもりサポーターです。 大町市のひきこもりサポーターは20名いらっしゃり、既存の障害、児童分野の事業所に勤務している職員や、ピアサポーターといい、元ひきこもりの方もいらっしゃいます。気持ちに寄り添う意味では最適な方と思います。ひきこもりに対する取り組みは初期段階における対策を初め長期化、高齢化といった最近の傾向を考慮しなければなりません。上田市もひきこもりサポーターの養成が可能なNPO法人などと連携をし、ひきこもりサポーターの養成を行っていくべきと考えますが、見解をお聞きします。 ○副議長(小林隆利君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) ひきこもりサポーターの養成が可能なNPO法人などと連携してサポーターの養成を行っていくべきと考えるがどうかのご質問に対しましてご答弁申し上げます。 ひきこもりサポーター事業は、国のひきこもり対策推進事業拡充の一環として、平成25年度から推奨されております。平成27年4月からは生活困窮者自立支援法に基づく事業として位置づけがなされました。この事業では、サポーターの養成研修を都道府県が行い、市町村は養成後のサポーターを本人や家族への訪問支援のために派遣することで、潜在するひきこもりの発見や早期支援を目指すというものでございます。サポーターにはひきこもりや家族の支援に関心のある方を対象としており、派遣事業を実施する市町村は家族会やNPO法人等にも委託することが可能となっております。 長野県では平成27年度に大町市においてひきこもりサポーターの養成研修を初めて実施し、20名の方がサポーター研修を修了されたとお聞きしております。全国的には支援に関心のある一般市民の方を含めまして、回復後の当事者、家族といったピアサポーターや、心理や福祉専攻の学生、あるいは福祉事務所の職員等さまざまな方をサポートの対象として養成しているのに対しまして、大町市では既存の障害、児童分野の事業所に勤務をされている支援者に重点を置いており、基本的にノウハウを持っている方であるため、短期間に着実に進めていくことができているとお聞きいたしております。 大町市における派遣事業の実施状況でありますが、県の養成研修を修了した後、そのサポーターが家族会やフリースペースに派遣され、活動の運営や本人、家族との交流を通じまして本人、家族との信頼関係をまず築くところから始めているとのことをお聞きいたしております。また、県では大町市の取り組みをモデル的な事業として位置づけた上で、同市の結果を蓄積する中、今後各市町村の現状に応じて実施可能な事業として発展させていきたいとの考えでいるとお聞きもしているところでございます。 これらの事業はまだ緒についたばかりの事業でございますので、当市といたしましては、先進市の状況など今後の状況を注視しながら今後のあり方を検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 金沢議員。          〔16番 金沢 広美君登壇〕 ◆16番(金沢広美君) ひきこもりサポーターに対する考えは前向きな形でこれからぜひ進めていっていただきたいということを感じます。 平成27年4月から生活困窮者自立支援法が施行されております。本人も家族も高齢化していく中、市はひきこもり等の社会的孤立に対しどのような対策を講じてきたのか、また課題は何か、また今後の対策をどう考えていくのかをお聞きしまして、最後の質問といたします。 ○副議長(小林隆利君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) 本人も家族も高齢化する中で、生活困窮者自立支援法と社会的孤立の対策に関するご質問をいただいております。 ひきこもりのほかにもニートや不登校など子供や若者の抱える問題は深刻になってきており、従来の個別分野における縦割りの支援では限界となってきているため、まず国では子ども・若者育成支援推進法を平成22年4月に制定し、施策の総合的推進のため、子ども・若者育成支援推進大綱を策定したところで、各種の対策が行われていることは各部局から既に答弁申し上げたとおりです。 しかしながら、この枠組みでは名前のとおり支援をする対象者はおおむね39歳までのため、ご質問のように本人や家族が中高年齢化していく中で支援の対象から漏れていってしまうおそれがあります。 一方、国では生活に困窮されている方の自立を促進し、生活保護に至る前の段階にある生活困窮者を支援する第2のセーフティーネットの充実強化を図ることを目的に、生活困窮者自立支援法を制定し貧困対策を行っております。この法律では、生活困窮者を幅広く捉え、ひきこもりなど社会的に孤立している方も含め、自立に向けた包括的な支援を行うため、生活困窮者からの相談に応じ、必要な情報の提供及び助言を行うものであることも先ほどまでに申し上げたとおりでございます。 ひきこもり状態にある方は長年両親等の家族の収入で生活をしていたことから、将来を不安に思う家族からの相談で支援につながるケースもございます。このような場合、本人も家族も中高年齢化していることが多く、人とのコミュニケーションが苦手な場合があり、社会的孤立に陥りやすくなっている状態ということでございます。 大きな課題の一つといたしましては、ひきこもりの方の抱えている問題が複雑かつ多岐にわたり、支援する期間が長くなる傾向にございます。また、継続すること自体に本人の同意が得られないというようなことから、途中で支援が中断してしまう場合もございます。 いずれにいたしましても、近年はひきこもりばかりでなく自殺、DV、児童虐待など社会的な孤立が関係する事象がふえ、また原因や置かれた状況が多岐にわたっています。人材も含め、民官の関係各機関、団体が持っている施策、資源を持ち寄っていかなければ解決できない現代社会における大きな問題だというふうに考えております。庁内外で連携して対応していくしか現状ではないのかな、大変大きな課題だということで考えております。 私からの答弁以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 金沢議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午後 4時30分   休憩                       ◇                                午後 4時45分   再開 ○議長(土屋陽一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(8)市政について ○議長(土屋陽一君) 次に、質問第8号、市政について、三井議員の質問を許します。三井議員。          〔17番 三井 和哉君登壇〕 ◆17番(三井和哉君) 今回私は、1つ目として、生ごみ減量対策としての大型生ごみ処理機モデル事業及び生ごみ出しません袋事業の現状と今後の展開、2つ目として、大型野生獣の出没対策と小学校児童の安全確保、3つ目として、小学校における上田市の歴史学習の必然性の3つの質問をいたします。 初めに、生ごみ減量対策としての大型生ごみ処理機モデル事業及び生ごみ出しません袋事業の現状と今後の展開について質問いたします。「広報うえだ」平成27年8月1日号及び平成27年8月24日付で生活環境部が出された記者発表資料では、大型生ごみ処理機モデル事業のモデル地区募集に関して、募集地区数4地区、4台設置(応募多数の場合は市で選定)としています。募集地区数に対して応募多数を想定しているということは、平成27年度中に大型生ごみ処理機4台を市内に設置し、このモデル事業を開始する予定であったと理解してよろしいでしょうか。モデル4地区募集に対し実際に応募してモデル事業に参加したのは何地区ありましたでしょうか。 このモデル事業を開始するに当たって大きな目的の一つは、可燃ごみ減量化の観点から、畑等がなく、生ごみを自家処理できず、燃やせるごみとして出さざるを得ない市街地やマンションなど集合住宅の生ごみをいかに減らせるかという視点があったと記憶していますが、そのような場所での応募はあったのでしょうか。 以上3点お聞きして、第1問といたします。 ○議長(土屋陽一君) 山口生活環境部長。          〔生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕 ◎生活環境部長(山口泰芳君) 大型処理機による生ごみ堆肥化モデル事業につきましては、家庭から排出される生ごみを堆肥化することにより可燃ごみの減量を促進することを目的として、平成27年度から開始しました。事業の概要は、市が処理機のリース料や設置費用、電気代などの維持管理費を負担して、自治会や隣組など一団となった地区で生ごみを共同処理するものであります。 このモデル事業を行うに当たり、平成27年8月から9月までの1カ月間を応募期間として、年度内に4地区に大型処理機を設置することを想定して、「広報うえだ」などで全市域を対象に公募を行いました。この公募に対しての応募は、真田自治会内の25世帯で構成する1団体のみでありまして、市街地や集合住宅からの応募はありませんでした。 ○議長(土屋陽一君) 三井議員。          〔17番 三井 和哉君登壇〕 ◆17番(三井和哉君) ご答弁いただきました。4台設置を予定していましたが、実際には1カ所しか応募がなかったと、それから残念ながら市街地や集合住宅からの応募はなかったとのことでした。 お聞きいたします。4台設置の予定に対して応募が1カ所しかなかった原因はなぜなのでしょうか。私が思いますに、一番参加してほしかったはずの市街地や集合住宅からの参加がなかった理由はどう捉えていますでしょうか。また、平成28年度以降新たにこのモデル事業に参加した地区はありますでしょうか、お聞きいたします。 ○議長(土屋陽一君) 山口生活環境部長。          〔生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕 ◎生活環境部長(山口泰芳君) このモデル事業につきましては、これまでに複数の地区から問い合わせをいただきましたが、現時点において当初想定した4地区でのモデル実施には至っていない状況であります。その原因としましては、1点目として、無償で処理機を設置する適当な場所がないこと、2点目として、処理機から出された堆肥のもとを二次発酵させる場所が確保できないこと、3点目として、処理機の定期的な点検清掃が必要となり、住民主体の運営や取り組みが必要であることから、地区内の合意形成を図るのに時間を要することなどが挙げられます。 市街地や集合住宅から応募がなかった大きな理由としましては、設置場所、堆肥のもとの発酵場所、住民主体の運営による3点を申し上げましたが、中でも特に適切な処理機の設置場所が確保できないことではないかと考えております。 なお、平成28年度以降新たに参加した地区は、半過自治会内の1団体、40世帯が平成29年1月からモデル事業に加わっております。 ○議長(土屋陽一君) 三井議員。          〔17番 三井 和哉君登壇〕 ◆17番(三井和哉君) このモデル事業を始める際に処理機4台の設置を予定したということは、データをとるのに4カ所必要としたということだと考えられるわけですが、ご答弁いただいたように、平成27年度の当初は1カ所、28年度になってやっともう一カ所と、予定の4カ所を満たしていない状態です。この状態で本格事業化の可否を考えるための参考にできるデータはとれていますでしょうか。今現在ランニングコストである電気使用料や維持管理費を含めてどのようなデータが得られているのでしょうか、お聞きいたします。 ○議長(土屋陽一君) 山口生活環境部長。          〔生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕 ◎生活環境部長(山口泰芳君) データの収集につきましては、2つのモデル地区において世帯ごとの生ごみの投入量を記録し、1日当たり、月単位、年単位での投入量を取りまとめています。また、電気使用量や堆肥のもとの排出量、消耗品やメンテナンス費用、生ごみの減量効果、管理上の課題などについてデータを蓄積しています。 これまでの実績の一端を申し上げますと、真田自治会の現在の参加世帯は31世帯で、平成28年3月の開始からこの8月までの18カ月間に投入した生ごみの累計は約5.8トンでありまして、1カ月当たりの平均は323キログラムであります。そこから生成された堆肥のもとは約1.2トン排出され、地区の皆さんが所有する畑で二次発酵させて活用されています。電気の使用量は1カ月当たりの平均で約700キロワットアワー、料金は月平均約1万1,500円であります。また、保守点検費はリース料に含まれており、リース期間が終了すると年間約12万円の経費が見込まれます。 半過自治会は現在40世帯が参加し、平成29年1月の開始からこの8月までの8カ月間に投入した生ごみの累計は約1.2トンでありまして、1カ月当たりの平均は154キロであります。堆肥のもとは約160キログラム排出され、道と川の駅敷地内の花壇等で活用される予定となっております。電気の使用量は1カ月当たり平均で約730キロワットアワー、料金は月平均約1万7,000円であります。また、保守点検費は同じくリース料に含まれており、リース期間が終了すると年間約13万5,000円の経費が見込まれます。 モデル地区からは、こうしたデータの収集により課題や有効性を確認しながら今後の事業に生かしたいと考えております。 ○議長(土屋陽一君) 三井議員。          〔17番 三井 和哉君登壇〕 ◆17番(三井和哉君) 大型生ごみ処理機による生ごみの減量化は、初めの質問でも言いましたように、生ごみを自家処理できず、燃やせるごみとしてしか排出できない市街地や集合住宅などで特に効果が出るもので、もともとコンポストなどで生ごみを自家処理している農村部では生ごみ減量効果はなく、電気代や保守点検費用等、ただいま数字をお聞きいたしました、電気代や保守点検費用等がかかるだけで事業成果は出ないと考えますが、いかがでしょうか。 また、先ほど市街地や集合住宅からのモデル事業参加はなかったということとその理由、一番大きな理由は設置場所がないということではないかというご答弁がありました。また、この2カ所を稼働することで課題や有効性を検証していくのだというご答弁も今ございました。 お聞きいたします。設置場所がないということに加えて、例えば市街地や集合住宅などで大型生ごみ処理機を導入する際、ほかに何が障害になると考えていますでしょうか。 ○議長(土屋陽一君) 山口生活環境部長。          〔生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕 ◎生活環境部長(山口泰芳君) 議員ご指摘のとおり、農村部は畑などで生ごみを自家処理できる環境がありますので、市街地などでの取り組みに比べて生ごみの減量効果という面では限定的であると考えております。一方、モデル事業を実施している真田、半過地区の皆さんの声をお聞きすると、冬の期間はコンポストで分解が進まないため可燃ごみに出していた生ごみを処理できるようになったことや、生ごみを分別することでその他のごみも分別するようになるなど、地域全体でごみ処理に対する意識の高揚と理解が深まるなどの効果もあったと受けとめております。 市街地や集合住宅での大型処理機によるモデル事業の課題としましては、先ほども申し上げましたとおり、大型処理機の設置場所や堆肥のもとの二次発酵場所の確保が難しいことや、住民主体の管理が難しいことなどと認識しております。 ○議長(土屋陽一君) 三井議員。          〔17番 三井 和哉君登壇〕 ◆17番(三井和哉君) 市街地や集合住宅等で大型生ごみ処理機を導入する際の障害ということについてご答弁いただきました。現在モデル事業として行われているところのお話等をお聞きしますと、やはりまず、答弁の中にもございましたが、まず大きくネックになるのは、機械の管理を自分たちでやらなければならないということが挙げられると思います。それから、これもご答弁にありましたが、処理機から出てきたものは実際には堆肥になっておらず、これを堆肥にするため畑等に埋めて二次発酵させなければならないということが大きいと考えます。モデル事業の当初予定4カ所が現在2カ所しか稼働できていない状況ですが、予定の残りの2カ所はぜひともこの障害を解決する方策を考えて、市街地や集合住宅でのモデル事業としていただきたいと私は願っています。その際、市が機械の管理と堆肥のもとを集荷してJA堆肥センターで二次発酵してもらうというようなシステムを試していかないと、本格導入の可否を検討する際のモデル事業とはならないと考えますが、いかがでしょうか。 ○議長(土屋陽一君) 山口生活環境部長。          〔生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕 ◎生活環境部長(山口泰芳君) 議員ご指摘のように、大型処理機の市街地や集合住宅でのモデル事業の実施には処理機の管理は利用者主体での取り組みをお願いするものでありますが、生成された堆肥のもとの二次発酵やその後の利用についての課題があると捉えております。市街地などで自治会等がモデル事業を実施しやすい環境となるには、先進地の事例も参考にしながら、排出される堆肥のもとの処理など、市の支援についても検討する必要があると考えております。このため、今後は自治会説明会などを通じて堆肥のもとの処理など実施に向け有効な支援策についても説明していきたいと考えております。 ○議長(土屋陽一君) 三井議員。          〔17番 三井 和哉君登壇〕 ◆17番(三井和哉君) ご答弁いただきました。 堆肥のもと等の処理の支援も考えていくと、説明会ではそのような説明もしていくということですので、ぜひとも、これ平成27年から始まって5年間のモデル事業でやっているはずです。それが、ただ4カ所の予定が2カ所しかないということで、ぜひとも市街地ですとか、繰り返しになりますが、市街地ですとか、集合住宅ですとか、どうしても生ごみを燃やせるごみで出さざるを得ないというところに対しての事業として成立させていただきたいなと思っていますので、ぜひそのようにもう一歩踏み込んで対処法を考えながら、市街地、それから集合住宅での事業としていただきたいというふうに考えています。 生ごみの問題を考える際理想的なのは各家庭で処理をしてもらうということであることは言うまでもありません。生ごみ処理機を個人で購入したり、コンポストなどを使うことで生ごみを燃やせるごみとして出さない家庭に対する特典として、生ごみ出しません袋の無料配布事業が平成28年9月から行われています。この事業の簡単な流れと現在までの配布実績はどうか、お聞きいたします。また、事業効果をどう捉えているかもお聞きいたします。 それから、生ごみを出さない家庭へのごみ袋無料配布という実利的なものも悪くはないと思いますが、インセンティブとしては少し弱いという気もいたします。関心を持ってもらうことで新たに生ごみを出さない家庭がふえるよう、例えば市で経営している日帰り温泉施設の優待券をプレゼントするなどして話題性を持たせたり、プレミアム感を演出するといったことは考えられないでしょうか、お聞きいたします。 ○議長(土屋陽一君) 山口生活環境部長。          〔生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕 ◎生活環境部長(山口泰芳君) 生ごみ出しません袋は、生ごみを燃やせるごみとして出さないことを宣言できる世帯に専用の指定袋を無料で配布する事業でありまして、可燃ごみの減量化における一つのインセンティブ、誘導策という考え方により、平成28年9月から実施しています。平成28年度は新規登録世帯へ20枚、継続申請の場合は10枚の無料配布として、490世帯の登録により1万2,460枚の配布を行いました。今年度からはさらに生ごみ以外のごみの減量化、再資源化に取り組むことを宣言できる世帯へ、受け付け期間は11月30日まで、各世帯1回のみの申請により30枚の無料配布を行っております。8月末までの実績は、213世帯で6,390枚の配布を行いました。生ごみ出しません袋は、燃やせるごみの小の袋、容量15リットルと同様の大きさでありまして、生ごみだけでなく、家庭においてなるべくごみを出さないという意識を高める効果があると捉えております。 次に、日帰り温泉施設優待券などの配布とのご提案でございます。ごみの減量化は喫緊の課題であります。そのため、これまでも市民の皆様の協力のもと、ごみ減量を推進していくさまざまな施策を展開してまいりました。ごみの減量を達成するためには、日ごろから啓発を行い、市民一人一人がごみ減量への正しい知識と理解を深め、市を挙げてごみを出さない機運の醸成を図るなど、持続的な取り組みによって大きな成果が得られるものと考えております。こうしたことから、議員からのご提案は話題づくりの取り組みとしては有効であると思いますが、持続的なごみの減量や再資源化への取り組みを促す効果にはつながりにくいものと考えております。 今後もごみをできるだけ出さないライフスタイルへの啓発とともに、持続的な施策の展開を図り、市民の皆さんとともにごみの減量を推進してまいります。 ○議長(土屋陽一君) 三井議員。          〔17番 三井 和哉君登壇〕 ◆17番(三井和哉君) ここからは大型野生獣の出没対策と小学校児童の安全確保についての質問をいたします。 傍陽小学校ではこの8月、通学路付近でイノシシの目撃情報があり、夏休みのプール開放を中止したと聞きました。どのような状況であったのか、お聞きいたします。子供たちにしてみれば、楽しみにしているプールが中止になってがっかりしたと思います。教育委員会としてどのような指示を出し、学校はどのような対応をとったのか、お聞きいたします。 傍陽小学校では昨年28年12月にイノシシに校庭を掘り返されるという被害もありました。このときの状況と対応をどうとったのか、お聞きいたします。 学校敷地内へのイノシシ等の侵入防止及び児童の安全確保策としてその後改めてとった対策がありますでしょうか、お聞きいたします。 ○議長(土屋陽一君) 中村教育次長。          〔教育次長 中村 栄孝君登壇〕 ◎教育次長(中村栄孝君) 傍陽小学校におきますイノシシ出没事案につきましては、ことしの7月31日に学校から地蔵峠に向かって1キロから2キロメートル付近に体重80キロ程度のイノシシが出没をしたため、学校ではPTA、自治会と相談をいたしまして、プール、ラジオ体操は中止といたしました。その後職員による学校周辺の見回り、自治会による地域内の見回り、保護者がバス停まで送迎することを条件といたしまして、8月4日からプールのみを再開いたしました。 また、昨年12月の事案につきましては、12月2日の朝、校門付近に体重30キロ程度のイノシシが出没して校庭に侵入をしたため、学校から真田地域自治センターへ連絡をして、猟友会員に対応していただきました。学校では児童を外に出さないことといたしまして、下校時は集団下校かご家庭に迎えを依頼いたしました。教育委員会では日ごろから校長会等を通じまして児童生徒の安全確保については周知をしておりますが、今回の事案につきましては緊急を要するため、学校では真田地域自治センター等に連絡をするとともに、学校長の判断でその後の対応をとっております。 今後の対策といたしまして、プール入り口にイノシシが侵入できないよう障害物を設置し、地域からの出没情報の把握に努めることとしております。また、児童には見かけたら近寄らない、逃げる等の指導をしております。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 三井議員。          〔17番 三井 和哉君登壇〕 ◆17番(三井和哉君) 傍陽小学校が山の中だということでもなくて、イノシシは最近どこにでもよく出てきます。昨年のイノシシが校庭にあらわれたのはたしか午前中、9時ごろだったというふうにもお聞きしていますが、児童が学校で授業を受けている時間帯だったとのことでした。もしも登下校時の時間帯や校庭に子供がいるときに出くわしたらと考えるとぞっとしますし、今回は幸いであったと思います。最近は大型野生獣が市街地にあらわれたというニュースはよく流れ、珍しいことではなくなりましたから、大型野生獣が学校敷地内へ侵入するということは傍陽小学校に限ったことではなく、今後十分に考えられます。その際、児童生徒、また教職員の安全確保の観点から、侵入経路と考えられる箇所に防護柵、ネット等を張るといった対応も必要となる場合もあると考えますが、いかがでしょうか、お聞きいたします。 ○議長(土屋陽一君) 中村教育次長。          〔教育次長 中村 栄孝君登壇〕 ◎教育次長(中村栄孝君) 児童や教員の安全確保のため、学校への侵入経路と考えられます箇所に防護柵やネットなどの設置といった対応が必要になると考えるがどうかというご質問をいただきました。今後でございますが、議員ご指摘のとおり、傍陽小学校だけではなくて、他の小中学校におきましても同様の事案が多いことから、児童や教職員の安全を考えまして、PTAあるいは地域の方と対策を協議する中で、議員ご提案のネットフェンスですとか防護柵等について、関係部署及び学校と相談の上、その効果あるいは出没の頻度等を勘案しながら導入について検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 三井議員。          〔17番 三井 和哉君登壇〕 ◆17番(三井和哉君) ご答弁いただきました。 野生獣の人間の生活圏への侵入を防ぐためには常に捕獲圧を加える必要があると私は考えています。上小猟友会の支部総会に出席させていただくと、懇談の際常に強い要望として出されるのは、狩猟期間中のイノシシ、ニホンジカの捕獲にも報償金を出していただければありがたいということです。金額の多少は問わないが、どのぐらいかの報償金が出ると捕獲のモチベーションが上がって、より個体数の調整に寄与できるのだがと言われます。高齢化や後継者不足で中山間地の農地が荒れてくると、野生獣と人間の生活圏の境界が不明瞭になり、先ほどのように通学路を走ったり、校庭に出現したりと、児童生徒はもとより住民の安全、安心が大型野生獣によって脅かされるという事態が十分に予測できます。里山を整備する、田畑を荒廃地にしないということももちろん大事ですが、お聞きすると、実際に狩猟期間中の大型獣捕獲に報償金を出している自治体もあるとのことですから、要望の強い狩猟期間中の大型獣捕獲に、金額の多少はともかく報償金を出すということは考えられないでしょうか、お聞きいたします。 ○議長(土屋陽一君) 中澤農林部長。          〔農林部長 中澤 勝仁君登壇〕 ◎農林部長(中澤勝仁君) 長野県では農林業被害や人身被害、自然生態系の攪乱を引き起こしている鳥獣といたしまして、カモシカ、ニホンジカ、ツキノワグマ、ニホンザル、イノシシの5種につきまして特定鳥獣管理計画を策定し、個体数調整を実施しております。特にニホンジカにつきましては甚大な農作物被害を及ぼすことから、適正な生息数とするためにニホンジカ管理計画を策定し、平成28年度から平成32年度までの5カ年で年間4万頭ずつ捕獲することを目標としてございます。また、イノシシにつきましても、農作物被害のほかに住宅地などに出没するなど生息行動範囲が広まっていることから、平成26年度から平成29年度までの第2期イノシシ管理計画を策定し、イノシシと人との緊張感あるすみ分けを図ることを目的に個体数調整を実施しております。 ことしは6月末ごろから太郎山山麓におきましてもイノシシの出没が相次いでおります。これまでもしばしばイノシシが出没した地域ではございますが、ことしは目撃情報が例年より多い上、行動範囲も人里に広がっておりますことから、注意を呼びかけるとともに、パトロールを実施してきたところでもございます。上田市では上小猟友会の皆様のご理解、ご協力をいただきながら、毎年2月16日から11月14日までを有害鳥獣駆除期間といたしまして捕獲を依頼し、報償金をお支払いしております。ちなみに、平成28年度につきましては、ニホンジカは捕獲頭数1,320頭、報償金1,942万円、イノシシは捕獲頭数226頭、報償金336万円でございました。 11月15日から翌年の2月15日までの狩猟期間中に捕獲した個体に対しての報償金の支払いにつきましては、一般的に狩猟期間中はあくまで狩猟としての捕獲ということで、市外から入猟する一般狩猟者もございますことから、県下19市におきましても14市が当市と同様に狩猟期間中は報償金の支払いはしていないといった状況でございます。 現在国におきましては、農林業に深刻な被害を及ぼしているニホンジカとイノシシの生息数を平成35年度までに平成23年度比で半減させる目標を掲げております。その目標達成に向けて捕獲を一層強化するために、平成30年度予算の概算要求では大幅な増額を要求しているとお聞きしておるところでございます。また、狩猟期間中の捕獲に対しましても、猟友会に報償金をお支払いして捕獲頭数をふやす等の工夫をしている自治体もございますので、上田市といたしましては、今後の国の動向や他市町村の事例等も参考にいたしながら、狩猟期間における猟友会への報償金の支払いについて鋭意研究してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(土屋陽一君) 三井議員。          〔17番 三井 和哉君登壇〕 ◆17番(三井和哉君) ご答弁いただきました。 狩猟期間中の報償金を出すということも鋭意研究ですか、取り組んでいただけるというようなご答弁だったというふうに今お聞きいたしました。ぜひ、本当にただいま部長の答弁にもございましたように、だんだんと大型野生獣が人里のほうに進出してくるという事案が大変多くなっております。それはとりもなおさずやはり住民の安全、安心にもかかってくることですので、できるだけ個体数調整して、それと捕獲圧をかけ続けて、人間との境界線を越えると怖いのだということをやっぱり身をもって知らせなければいけないと思いますので、ぜひ報償金も出していただければ猟友会の方も一生懸命またモチベーション上げてとっていただけると思いますので、よろしくお願いいたします。 次に、小学校における上田市の歴史学習の必要性について2つほど質問いたします。市内小学校の社会科見学ではほぼ全小学校が千曲市にある森将軍塚古墳と長野県立歴史館へ学習に行きます。逆に上田城跡や櫓資料館、上田市立博物館などはほとんどの小学校が学習には行きません。それはなぜなのでしょうか、お聞きいたします。 ○議長(土屋陽一君) 中村教育次長。          〔教育次長 中村 栄孝君登壇〕 ◎教育次長(中村栄孝君) 小学校における上田市の歴史学習の必要性についてお答えいたします。 市内小学校におきます社会科見学は、小学校3年生以上から行っています学校が多く、3、4年生では工場や店舗、官公庁などが主な見学先となっております。小学校5、6年生になりますと歴史的な見学先がふえておりまして、議員ご指摘のとおり、森将軍塚古墳や長野県立歴史館などが主な見学先となっております。いずれも各学年の学習内容に見合った場所を各学校の判断で選定をしております。長野県立歴史館は、社会科の授業内容に沿った年代ごとの展示がされておりまして、時系列の流れがわかる展示内容が授業の教材として効率的に学べる場所であるという点から、多くの小学校で見学先として選ばれていると考えております。 一方、上田城跡公園や上田市立博物館は身近な上田市の歴史が学べる場所であるため、社会科見学としてではなく、生活の時間や総合的な学習の時間を使って地域の人々の暮らしや伝統や文化などを学習するための見学先として選ばれております。また、遠足などで行く小学校もございまして、昨年も10校以上の小学校が市立博物館、上田城跡公園などを訪れている状況でございます。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 三井議員。          〔17番 三井 和哉君登壇〕 ◆17番(三井和哉君) 学習内容に見合った場所ということで森将軍塚古墳や県立歴史館へ行くというご答弁と、それと上田城跡などには生活の時間や総合の時間を使って行く小学校もあるということでした。 そこで、お聞きいたしますが、市域の広い上田市ではそれぞれの地域に学ぶべき歴史がありますが、上田市民として共通、共有できる、またすべき歴史として、真田昌幸公が築いた上田城に関するものがあると考えます。上田市民のアイデンティティーとして小学生のいずれかの時期において研さんを積んだシルバー人材センター観光ガイド班などによる説明を受けながら、上田城の成り立ちや変遷を学習する機会があるべきと考えますが、いかがでしょうか、お聞きいたします。 ○議長(土屋陽一君) 中村教育次長。          〔教育次長 中村 栄孝君登壇〕 ◎教育次長(中村栄孝君) 市内の小学生が上田城や真田氏の学習をする機会を設けることは、この住んでいる地域の歴史を知り、先人たちから大切に受け継いできた文化財に誇りを持つことができる機会となると考えております。教育委員会といたしましては、先ほど答弁いたしましたとおり、社会科見学の行き先は各学校の判断に任せているところでございますが、小学校3、4年用の社会科学習帳「わたしたちの上田市」の冒頭においても真田氏を取り上げておりますし、またNHK大河ドラマ「真田丸」の放送が決まった際に「信州上田真田氏物語」を作成して、平成27年度に全小学生に配布もしております。 また、上田市教育支援プランの中に支援策といたしまして、地域を学び、地域に対する愛着を深める教育の推進が掲げられておりますので、上田城跡公園や市立博物館などで身近な歴史を学び、郷土に誇りを持てるような取り組みを推進してまいりたいと考えております。 また、学校の授業以外でも野外体験活動・リーダー育成を目的として、夏休み期間中に小学校4年生から6年生までを対象に上田城跡公園内で行ったまちなかキャンプの活動の中でも、教育委員会の学芸員による上田城や城下町の歴史を学ぶ取り組みを行うとともに、日本城郭協会と共催で親子城郭体験教室を開催するなど、上田城などについて学習する機会を設けてまいりました。 今後もこうした取り組みを続けてまいりますが、市内公民館との連携によります講座の開催や、シルバー人材センターやボランティアガイドの皆さんとの協力等についても検討して学習の機会をふやしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 三井議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午後 5時23分   休憩                       ◇                                午後 5時39分   再開 ○議長(土屋陽一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(9)市政について ○議長(土屋陽一君) 次に、質問第9号、市政について、久保田議員の質問を許します。久保田議員。          〔26番 久保田 由夫君登壇〕 ◆26番(久保田由夫君) さきに通告しました決算について、かわまちづくり事業について、芸術文化振興についての3項目について順次質問いたします。 最初は、決算審査と今後の課題について質問してまいります。第1に、これまで市みずからが行政評価を行ってきましたが、その後どのように活用されたのか伺います。 第2に、市議会で議決された予算により執行した結果が決算ですが、これまでの決算の結果を市としてどう分析し、予算編成に生かしてきたかを伺います。 第3として、市議会における決算審査や認定に当たり、これまで必要に応じて附帯意見などを議会として付してきました。この附帯意見は予算編成や執行に当たりどう反映してきたのかを伺います。 第4として、この9月議会は決算審査の方式について決算特別委員会を設けて一般会計について審議することになりました。予算における議会の事前統制においては、議会の議決を経ないと予算が執行できない制度となっていますが、決算における議会の事後統制においては、議会が仮に決算を認定しなかった場合でも決算は有効とされています。したがって、市議会における決算審議の役割を見出すとすれば、決算審査を通じての予算編成等への反映だと考えるものであります。決算の結果を予算に生かす取り組みは、決算特別委員会を設置したことによりさらに推進されていくと期待してもいいと思っておりますが、行政としても決算と予算の連動性を意識した決算審査に臨む姿勢が必要だと考えますが、いかがでしょうか。 最初の質問といたします。 ○議長(土屋陽一君) 神代総務部長。          〔総務部長 神代 芳樹君登壇〕 ◎総務部長(神代芳樹君) 最初に、私からは上田市が行ってきた行政評価について申し上げます。 上田市は平成22年から市民参加の事業仕分けによる事業評価や、執行機関として市がみずから行う事業評価をあわせて行いまして、これらの評価結果に対する対応方針を定め、市の施策や事務事業に反映して改善を図るとともに、その進捗についてホームページ等に掲載をしてまいりました。また、さまざまな事業を進めるに当たりましては、外部からの行政評価も重要な観点と捉えまして、各種審議会等における意見、市民説明会やパブリックコメントなどの実施によって市民の視点や意見を反映し、PDCAサイクルによって常に必要な見直しに取り組んできたところであります。 さらに、目標管理制度の取り組みにおきましては、総合計画に位置づけられた事業など市の重点施策や重点課題に係る年度目標を定め、この目標を踏まえた組織運営を行うとともに、年度末にこれらの事業の達成状況について評価を行いまして、この結果を公表しております。 行政評価の活用という点においては、評価を行う上で見えてくる施策目的に対する事業の効果、事業推進上の課題、市民の評価等を検証し、施策の見直しや予算編成、組織体制等に反映をさせるとともに、内部で点検評価を行っていく過程の中で、職員の育成や意識改革など人材育成にもつながっているものと考えております。 行政評価のあり方、方法については、第3次上田市行革大綱において研究、検討を進めていくという位置づけとしておりますけれども、先般改正された地方自治法における監査機能の強化や内部統制制度の導入等の趣旨、市議会における決算審査のあり方等に係る検討を踏まえ、また国での取り組みや他市の状況等を参考にしながら、その活用方法を含め効果的な行政評価について研究してまいります。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 山口財政部長。          〔財政部長 山口 武敏君登壇〕 ◎財政部長(山口武敏君) 私からは、初めに決算の結果をどう分析し、予算編成に生かしてきたか、こちらについてお答え申し上げます。 決算の結果につきましては、総務省が実施する地方財政状況調査、いわゆる決算統計と財政健全化判断比率の算定を通じて全国一律の基準により分析をしております。これらの分析によるどういった性質の経費に幾ら使ったか、また将来の負担の見込みはどうかなどの多角的な財政分析や全国の類似団体等と比較することで、より客観的に財政状況を把握してまいりました。これにより明らかになってくる財政運営上の課題につきましては翌年度以降の予算編成に生かしており、予算編成の指針となる当初予算編成方針に課題への対応を盛り込んでおります。 一例を申し上げますと、平成25年度当初予算編成方針では、平成23年度決算において経常収支比率が高い数値となったことや、財政健全化判断比率が高水準にあることを受けて、特別会計や企業会計への繰出金等の見直し、また特定財源の確保や基金の活用等による市債の新規発行の抑制といった対応策を盛り込み、健全財政の堅持の取り組みを進めました。 次に、決算審査の際に議会からの附帯意見につきましては、これまでも貴重なご意見として重く受けとめており、予算編成や予算執行、また組織体制の構築などにおいてご意見の内容を反映できるように努めております。具体的な取り組みとしましては、平成28年度当初予算に若年層の投票率向上に向けた期日前投票所の増設経費を計上したほか、平成28年4月に税徴収の専門家である国税局職員退職者を嘱託職員として採用したことに加え、今年度も長野県地方税滞納整理機構への派遣経験がある職員2名を収納管理課に配属し、収納管理体制の強化を図ったことなどがございます。 次に、今後の決算審査について行政の対応はどうかでございますが、決算審査は予算が議決された趣旨と目的に従って適正かつ効率的に執行されたのか、またどのような行政効果があらわれたのかといった視点で審査をいただいており、行政といたしましてもこの審査結果を踏まえ、予算編成や執行に生かせるよう努めてまいりました。 今後も合併算定替えの終了や合併特例債の発行期限を見据えた計画的な財政運営がこれまで以上に重要となってまいりますので、行政みずからが決算の結果をより的確に予算に反映させることを念頭に置いて決算審査に臨む必要があるものと考えております。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 久保田議員。          〔26番 久保田 由夫君登壇〕 ◆26番(久保田由夫君) それぞれ答弁いただきました。一概に行政評価といっても、事業評価あるいは施策の評価、それから行政全体の評価など、評価の対象や、誰が、どのような方法をもってやるかなどさまざまな評価の方式がございます。今後どのようにしていくかということの検討も必要であるというふうに考えています。 続いて、一般会計など9月議会に提出されている平成28年度決算について具体的に質問したいというふうに思います。第1に、歳入の確保に関することであります。歳入の最も重要な部分は市税であります。上田市はリーマンショックの影響があったときでも200億円以上の市税収入を確保してきました。同時に、収納率向上対策も継続的に行ってきていますが、その状況について伺います。また、自主財源の確保策として、有料広告収入、市有財産の貸し付けや売却、遊休市有財産の売却促進、ふるさと納税などの寄附収入の状況など、どの程度確保することができたのか、伺いたいと思います。 第2、歳出の特徴についてであります。特に団体に対する補助金については、団体を維持するための補助金から事業費補助に方針が変更されました。合併直後の平成18年に比較して改善が図られたかどうか伺います。 第3に、市民が持つ市財政への関心は端的に3つあるというふうに思います。1つは、赤字なのか黒字なのかということであります。それに借金はふえているのか減っているのかという、3つ目に、貯金の増減はどうなのかということだと思います。地方自治体では決算に当たり赤字決算はごくまれの場合を除いてありませんので、この点は除いて、起債残高と基金の状況について伺います。 ○議長(土屋陽一君) 山口財政部長。          〔財政部長 山口 武敏君登壇〕 ◎財政部長(山口武敏君) 初めに、市税の収納率向上のために行っている対策と自主財源の状況でございます。安定した財政運営には自主財源の確保が重要な課題でありまして、市税収入につきましては、収納方針及び収納率の目標を定めることにより、収納率の向上を目指した取り組みを進めてまいりました。 平成28年度の収納対策につきまして申し上げますが、3つございまして、1つ目は、新規滞納者を発生させないための取り組みとして、市税等納付案内センターからきめ細かい納付案内を行い、滞納の累積を未然に防止することを基本にしながら、早期に財産調査を実施し、差し押さえ等の滞納処分を行うなどの対応を図ってまいりました。2つ目は、滞納繰越額縮減の取り組みとして、徹底した財産調査に基づく差し押さえ及び換価を実施するとともに、財産がないなど徴収が不可能な案件につきましては、適正に執行停止を行うとともに、より高額、困難な案件等につきましては、長野県地方税滞納整理機構へ移管し、緊密な連絡をとる中で滞納額の縮減に努めてきたところでございます。3つ目は、市民の納税意識の向上に向けた取り組みとして、「広報うえだ」などを活用した広報活動や、中学生を対象とした納税標語の募集など、納税に関する意識の啓発に努めてまいりました。これらの収納対策により、平成28年度の市税の収納率は94.43%となり、前年度に比べ0.62ポイント上昇いたしました。 その他の自主財源の平成28年度実績を申しますと、「広報うえだ」への広告掲載料など有料広告収入が1,063万円余、普通財産の貸付収入が5,935万円余、遊休市有土地の売却収入が3,157万円余、寄附金収入が2億509万円余となっており、以上の合計で3億666万円余の収入がございました。 寄附金収入では、ふるさと寄附金が7,267件、金額で1億2,249万円余で、平成28年9月から返礼品を充実したことに加え、ふるさと納税ポータルサイトを導入したことなどにより、前年度と比較しまして6,864件、1億1,266万円余の大幅な増となっております。 また、遊休財産の売却促進に向けた取り組みとして、平成28年11月に宅地建物取引業協会と協定を締結し、民間との連携体制を整備するとともに、今年度の組織改正で財産活用課を新設し、庁内体制も強化いたしました。 次に、歳出の特徴として団体補助金の状況でございます。平成19年度から事業費補助化への転換や、統合、縮小、廃止等の見直しを進めてきた中、平成21年6月には議会が設置する行政改革特別委員会から、また平成22年11月には上田市行財政改革推進委員会からそれぞれ補助金の見直しについてご提言をいただいており、順次見直しを進めてまいりました。見直しの状況につきましては、平成28年度末現在の状況で、廃止や統合、委託事業化等への転換を図ったものが37項目、事業費補助化したものが43項目あり、金額では18年度との比較で約5,000万円の縮減、こういった状況でございます。 次に、起債残高と基金の状況でございますが、普通会計決算に基づく平成28年度末の状況を申し上げます。まず、起債残高でございますが、27年度末から10億6,500万円余減りまして、683億7,000万円余となっております。小中学校の耐震化事業の終了などにより起債発行額が前年度より7億9,400万円余減少したことに加え、元金の償還額が1億5,600万円余増加し、償還が進んだことが起債残高の減少の要因でございます。 次に、基金の状況でございますが、27年度末から1億5,200万円余減の222億7,700万円余となっております。これは、公共施設の耐震化事業に備えて公共施設整備基金へ1億円の積み立てを行う一方、市民債の一括償還のため減債基金を2億4,000万円取り崩した、このようなことなどによるものでございます。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 久保田議員。          〔26番 久保田 由夫君登壇〕 ◆26番(久保田由夫君) 次に、今後の財政状況の見通しについて伺います。 一般家庭に当たる借金である起債は、平成17年度比で約92億円減らした一方で、貯金に当たる上田市の基金は平成17年度と平成28年度の比較では約93億円積み増しできました。国では総務省と財務省が地方自治体の基金をめぐって対立をしております。そのきっかけは、財務省が地方自治体の基金がふえていることをもって地方自治体には余裕あるとして、地方交付税を初めとする地方向けの財政配分の見直し論を展開しているからであります。これに対して、当然ですが総務省は地方向けの財源の削減は不適当だとしています。その理由として、基金は地方議会の審議を経て判断しているとして、個々の自治体の状況を踏まえない議論は不適当だと主張しております。上田市における今後の多額の財源を必要とする個々の事情は何かについて伺います。 ○議長(土屋陽一君) 山口財政部長。          〔財政部長 山口 武敏君登壇〕 ◎財政部長(山口武敏君) 今後の財政状況の見通しについて、基金の状況によりご答弁申し上げます。 議員のご質問にありましたとおり、基金の残高につきましては、合併後92億9,100万円余増加しております。この期間の主な基金の積み立て実績について申し上げますと、まず特定の事業への活用を目的とした基金の積み立てでありますが、新市の一体感の醸成に資する事業に活用するため、合併特例債を充当して地域振興事業基金に36億5,400万円を積み立て、わがまち魅力アップ応援事業等の財源として順次活用をしております。また、公共施設の耐震化のため、平成23年度から平成28年度までの6年間で21億円を公共施設整備基金へ積み増しをいたしました。今後庁舎の改修・改築事業を初めとした耐震化の事業へ活用してまいります。 次に、年度間の財源調整のための積み立てでありますが、市民債の一括償還の財源を確実に確保するとともに、起債残高の増加に備え中長期的な公債費負担の平準化を図るため、減債基金に25億円を積み増しいたしました。また、災害など突発的な財政事情や三位一体改革のような大きな制度改正による一般財源の不足に対応するため、使途を特定しない一般寄附金などを財源として財政調整基金に11億4,500万円余の積み立てを行いました。いずれも厳しい財政状況の中にあって将来を見据え、それぞれ目的を持って積み立てを行ってきたものであります。 今後も必要な積み立ては行いつつ、基金の設置目的に合った事業を見きわめながら、計画的に基金の取り崩しを行い、事業の推進のために必要な財源が確保できるよう努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 久保田議員。          〔26番 久保田 由夫君登壇〕 ◆26番(久保田由夫君) 1人当たりで話したほうがわかりやすいと思いますので申し上げますが、貯金に当たる基金については、市民1人当たり平成17年度は約80万円から平成28年度は約140万円にふえました。一方で、借金に当たる起債につきましては、平成17年度は約480万円でしたけれども、平成28年度は約430万円に減っております。このような中で、今後さまざまな分野で多額の経費が必要となってくるということでありますけれども、同時に市民の暮らしを支え、市民の暮らしを守ることも市政の重要な視点であります。この点でも市独自の取り組みを進めていくことを期待しているところであります。 次の質問に移ります。かわまちづくり事業について質問いたします。国土交通省が進めるかわまちづくり事業があります。丸子まちづくり会議の地域組織である長瀬地区会議は、7月に発足したかわまちづくり事業協議会の構成団体の一つになりました。地域課題の解決に役立つ事業として期待をしているところであります。 第1に、国土交通省が行っていますかわまちづくり事業の概要について伺います。 第2に、かわまちづくり計画は平成29年3月末現在で169カ所登録されておりますけれども、上田市の状況について伺います。 第3に、かわまちづくり事業ではどのような効果が期待できるのか、また市は今後どのように取り組んでいくのか伺います。 ○議長(土屋陽一君) 谷仲丸子地域自治センター長。          〔丸子地域自治センター長 谷仲 英彦君登壇〕 ◎丸子地域自治センター長(谷仲英彦君) 最初に、国土交通省が行うかわまちづくり事業の概要についてでございます。国における河川整備は昭和60年代を境に、それまでの治水を中心とした河川整備から、河川本来の自然環境の保全や周辺環境との調和を図りつつ地域の整備と一体となった河川改修へと変わり、ふるさとの川モデル事業やせせらぎふれあいモデル事業などによって、全国各地区においてまちづくりと一体的に多種多様な河川整備が行われてきました。その後こうしたモデル事業が実施されたことによりまして全国各地において一定の整備が進んだことから、国において事業の見直しが行われ、これまでのそれぞれの事業を統合した形のかわまちづくり支援制度が平成21年度に創設されたところでございます。 この制度の特徴といたしましては、各地域の特性を生かし、自治体や地域住民との連携のもとで立案された実現性の高い河川や水辺の整備とともに、整備された環境の利活用計画による良好な環境となった周辺地域のまちと水辺が融合した空間形成の円滑な推進を図るものでございます。 具体的には、ハード面において、河川管理者は治水及び安全、安心にかかわる堤防などを整備し、自治体は周辺の遊歩道や広場などを整備いたします。また、ソフト面においては、計画段階から河川管理者と自治体や地域住民等が協働で検討を行うことで整備後の利便性の向上を図るとともに、河川敷地占用許可基準の特例措置によりまして、例えばオープンカフェ、屋台などの設置や、カヌーやボートを利用した川下りといったイベントの開催など、河川空間を有効に利用することが可能となります。 次に、かわまちづくり計画は平成29年3月末現在で169カ所登録されているが、上田市の状況はというご質問でございます。かわまちづくり支援制度が創設された平成21年度時点において、本制度に適合した事業といたしまして登録されたものが67カ所ございました。その後毎年十数カ所ずつが新規に登録されまして、現在では全国で、議員のお話にございましたとおり、169カ所が登録されている状況となっております。県内では長野市内の千曲川や伊那市内の天竜川の2カ所で登録がされていますが、いずれも従来のモデル事業が新制度に移行され登録となっているものであります。 当上田市においては、下塩尻地区の桜堤防が平成4年から平成7年度にかけて桜づつみモデル事業として整備がされております。また、平成10年度には岩下地区から下塩尻地区までの6カ所が水辺プラザ整備事業に登録され、平成14年度までに上田駅温泉口付近の水辺広場や上田道と川の駅のせせらぎ水路が整備されるなど、水辺の憩いの場所を創出してきたという状況がございます。 次に、かわまちづくり事業ではどのような効果が期待できるのか、また市は今後どのように取り組んでいくのかについてでございます。千曲川と依田川の合流部においては現在堤防の整備がされておりません。依田川の流れが本流の千曲川に対し上流側に向いていることから、本流の流れを阻害し、一旦大雨が降りますと、増水のため千曲川本流はもとより支流の矢の沢川や石井地区の小金久保川では自然流下による雨水の排除が困難な状況となっているところでございます。こうした状況から、市では長年にわたりまして洪水対策のため、千曲川と依田川の合流点の改修を国へ要望し続けてきた経過がございます。 こうした折、昨年の1月に国土交通省千曲川河川事務所からかわまちづくり制度を活用した河川と水辺の環境を一体的に整備する方策について助言を受けたことから、これまでの懸案でありました河川改修や治水対策などを目指し、かわまちづくり支援制度の認定に向けて取り組みを始めたところでございます。 この制度の認定に当たりましては、河川や水辺を利用するなどしたイベントによる地域の活性化や、魅力あるまちづくりを策定するとともに、計画段階から地元の塩川地区や長瀬地区の住民の皆様、あるいは河川を利用する団体の皆様による柔軟な発想や提案を反映していく必要があります。こうしたことから、事業地に隣接する自治会、まちづくりを進める住民自治組織、河川でイベントを行う団体、河川環境を調査研究する団体などと河川管理者や市で組織する千曲川、依田川かわまちづくり協議会を今年7月に発足し、協議を始めたところでもございます。 この協議会では事業の趣旨を踏まえまして、川の魅力に触れ合える、まちの魅力を高めにぎわう、川とまちを上手に結ぶを前提として意見を集約する中において、川を身近に感じて川と触れ合う自然空間の構築、誰もが集い、まちがにぎわうまちの拠点の創出、安全、安心な河川空間の形成を基本方針として事業の計画策定を進めているところでございます。 今回の計画においては、千曲川の河川整備計画に位置づけられております河道掘削が予定されておりまして、合流部の川の流れの改修によって本流や支流の河川は本来の自然の流れとなり、効率のよい流れ方となることが期待されております。これによりまして洪水時の水位上昇が抑えられるものと見込まれ、あわせて整備を要望している矢の沢川の改修の契機となることから、周辺住民の安全、安心な生活環境の整備が進むものと期待しているところでもございます。 また、今回の計画が認定、登録されることによりまして、イベント広場や遊歩道、さらには水辺などの周辺整備に加え、大屋駅や依田川堤防道路との接続、あるいは音楽村など周辺の観光地などとの連携によって多くの皆様がこの地域に訪れ、地域の活性化が図られるものと考えております。 市といたしましては、引き続き具体的な整備内容などについて協議を重ねる中において、年内には整備計画をまとめ、来年1月中には国へ申請を行い、今年度中の登録を目指したいと考えているところでございます。また、千曲川、依田川かわまちづくりを契機に、これまで整備をしてまいりました水辺プラザ地区との連携を図るなどしながら、上田市の中心部を流れる千曲川の河川空間の有効活用を図り、市全体のにぎわいの創出や健幸都市づくりの実現につなげてまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 久保田議員。          〔26番 久保田 由夫君登壇〕 ◆26番(久保田由夫君) 今回の事業は、ハード事業だけでなくて、ソフト事業が重視されているというふうに受けとめております。7月に長瀬地区会議では役員で長瀬地区内の危険箇所や過去に災害があったところなど十数カ所について現地調査を行いました。その中で、千曲川につながる矢の沢川の氾濫の心配や、依田川の堤防の補強などが課題として出されました。今後のかわまちづくり協議会の事業展開に期待しているところであります。 次の質問であります。芸術文化振興に関する質問です。最初は、サントミューゼに関することです。第1に、サントミューゼは「育成」をテーマにして開館3年となります。今後の管理運営体制についてどのように検討しているか伺います。 第2に、同様の公共施設を見ると、直営で行っているところ、指定管理者制度に移行しているところ、また財団等を自治体が設置し運営に当たっているところなどさまざまであります。市はどのように考えているか伺います。 第3に、サントミューゼの建設に際し、仮称ではありますが、文化芸術振興基本条例を制定すべきと提案してきた経過がございます。改めてなぜ必要かというと、豊かさとは何かが問われる時代となっていると思います。物質的な豊かさから心の豊かさへと大きく時代は動いているのではないでしょうか。芸術文化の振興について基本理念を明らかにし、芸術文化の振興に関して総合的な施策の推進を図ることが必要と考えます。市としての見解を伺います。 第4に、教育委員会が所管する博物館及び類似施設に関することであります。先ごろ政務活動費を活用して千葉市で開催されました第59回自治体学校に参加してさまざまなことを学んできました。その上での質問であります。まず、上田市立博物館、信濃国分寺資料館、丸子郷土博物館、そして武石ともしび博物館の4つの施設の利用状況はどうでしょうか。 第2に、社会教育施設である図書館や公民館は無料の原則が適用されております。社会教育施設である博物館は、博物館法の第23条で原則無料とされていますが、実際は有料で運営されております。有料制は入場を制限しているわけで、逆に無料化によって全ての人に教育の機会を提供できるものと考えます。市内博物館と類似施設の入館料について見直し、せめて常設展は図書館や公民館の展示スペースと同様に無料で利用できるようにする考えはないか伺います。 また、ポスト「真田丸」の取り組みがさまざま展開されておりますけれども、NHKの人気番組「ブラタモリ」には学芸員資格を持つ市職員が案内役で登場していました。上田地域の歴史など専門的に調査研究して公開することで市民の学びに貢献することが必要だと感じております。学芸員資格を持つ市職員の育成等についてどのような取り組みをしているか伺います。 ○議長(土屋陽一君) 小野塚政策企画部長。          〔政策企画部長 小野塚 究君登壇〕 ◎政策企画部長(小野塚究君) サントミューゼの管理運営についてのご質問にお答えいたします。 サントミューゼは平成26年10月2日に開館し、間もなく丸3年を迎えます。これまでの利用状況を申し上げますと、積極的な自主事業、共催事業の実施、民間プロモーターによります大規模公演利用、市民団体や企業による利用等、より高い稼働率となっておりまして、多くの皆様にご利用いただいております。 ホールにおきます平成28年度の利用実績でございますが、大ホールの稼働率が74.28%、利用者数が延べ12万2,000人、小ホールの稼働率が72.23%、利用者数が延べ2万6,000人となっております。年々利用が増加している状況でございまして、全国平均が58%程度と言われておりますから、かなり大きな稼働率となっております。 今後の管理運営体制についての検討状況でございますが、平成23年9月にまとめました上田市交流・文化施設運営管理計画検討結果報告書では、運営主体については市民参加、協働、教育や福祉、地域経済や産業など市の関連部局と連携した動きの道筋をつけるために、開館時は直営とし、運営管理を進めていく。なお、その後は事業評価を行った上で指定管理者制度への移行も含めて慎重に検討する必要があるというふうにしてきたところでございます。運営体制を検討するための事業評価は少なくとも3年程度の実績を踏まえることが必要であるというふうに考えておりまして、通算運営3年目となる本年度におきましては、第三者によります事業評価を実施することとしておりまして、現在その準備を進めているところでございます。この事業評価の結果及びこれまでの自主事業の取り組みや施設の利用実績のほか、事業効果や経済波及効果、運営における経費等を勘案しながら、将来を見据えた今後の適正な運営体制について検討してまいります。 全国には約3,600余の公立のホールがございまして、その運営状況につきましては、一般財団法人地域創造が平成26年9月に実施した調査によりますと、42.5%の施設が指定管理者制度による運営を財団等が行っているというふうに報告されております。 指定管理者制度によりますメリット、デメリットもございまして、メリットとしましては、民間事業者のノウハウを活用することで利用者サービスの向上が期待できることや、公募による指定管理者の選定を行うことで競争原理が働き、管理コストの軽減が図れるということで経費の節減が期待できます。一方、デメリットとしましては、短期間で指定管理者が交代するとなる場合には、運営ノウハウが蓄積されないおそれや、人件費の抑制などのコスト削減のみに着目され、利用者サービスの質の低下が懸念されるということがございます。直営での運営につきましても当然のことながらメリット、デメリットがございまして、メリットとしましては、直接的な運営ができるために市としての意思や意見等が反映されやすいことがあり、特にサントミューゼは「育成」を基本理念の根底に据えておりまして、小中学校等へのアウトリーチ事業等、直営ならではの他部局との連携事業のスムーズな展開が可能となっております。反面、デメリットの一つとしましては、開館時間や休館日の設定等により職員の勤務体制への影響がございます。 こうした運営方法による特性もあることから、先ほど申し上げました事業評価の結果等を踏まえまして、今後の管理運営体制についてはよりよい方法を検討してまいりたいというふうに思っております。 サントミューゼの管理運営についての検討は大変重要な課題でございまして、慎重に検討を行ってまいりますが、サントミューゼを拠点とした文化芸術の事業展開を図ることで、未来を担う子供たちの育成に寄与し、魅力あふれるまちづくりへのかけ橋となるよう、市民の皆様から愛され、市民とともに歩む施設を目指して運営してまいりたいというふうに考えております。 次に、文化芸術の振興に関する基本条例の制定についてでございます。まず、これまでの経過を申し上げますと、国が平成13年に文化芸術の振興に関して基本となる事項を定めた文化芸術振興基本法を制定して以降、地方自治体は文化芸術の振興に関する条例制定あるいは基本構想の制定に取り組んでまいりました。また、自治体により差異はございますが、一般的には文化芸術振興のための条例は、文化芸術の振興に関する基本理念や市及び市民の責務、基本的な施策等について定めたものである一方、基本構想につきましては、文化芸術振興についての具体的な達成目標や取り組むべき施策、達成時期等を定めたものであるというふうに認識しております。上田市におきましては、第一次、第二次上田市総合計画を補完するという位置づけのもと、上田市文化芸術振興に関する基本構想、第二次上田市文化芸術振興に関する基本構想をそれぞれ策定し、文化行政を進めてまいりました。 こうした中、国では東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を文化芸術を国内外に発信する好機であるというふうに捉えて、文化芸術と観光、まちづくり、国際交流、福祉、教育などの関連分野との連携をより一層進めるために、本年6月に文化芸術振興基本法の一部改正を行いまして、現在第1期として文化芸術推進基本計画の策定に取り組んでいるところでございます。また、長野県におきましても、この国の動きを踏まえまして、こちらも仮称ではございますけれども、長野県文化芸術振興ビジョン、この策定を進めております。 このように文化芸術を取り巻く環境は世界規模のメガスポーツ大会の影響もあり大きく変わろうとしております。そのため、市といたしましては、当面は平成28年4月にスタートした第二次上田市文化芸術振興に関する基本構想に基づいて各種の文化施策を計画的に推進してまいりたいというふうに考えております。 なお、ご質問いただきました文化芸術振興のための条例制定をどうするかにつきましては、国や県並びに他市の動き等を見ながら改めて検討してまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(土屋陽一君) 中村教育次長。          〔教育次長 中村 栄孝君登壇〕 ◎教育次長(中村栄孝君) 教育委員会所管の4つの博物館等の施設の利用状況についてご質問いただきました。 平成28年度ですが、上田城の櫓を含む上田市立博物館は約61万人、信濃国分寺資料館は約6,000人、丸子郷土博物館は約800人、武石ともしび博物館は約5,000人でございます。市立博物館は、大河ドラマ「真田丸」の放送の影響もありまして、例年の約4倍を超えまして、武石ともしび博物館は例年の2倍近い入館者でございます。 次に、議員ご指摘のとおり、博物館法第23条では公立博物館の利用については原則的に無料となっておりますが、ただし書きで博物館の維持運営のためにやむを得ない事情がある場合は必要な対価を徴収できることとなっております。信濃国分寺資料館、丸子郷土博物館、武石ともしび博物館は、維持管理の経費が入館料収入を大きく上回っている状況が続いておりまして、上田市立博物館につきましても、昭和40年の開館であるため老朽化に伴う補修工事が欠かせない状況でございます。このため、施設の維持運営のため入館料の徴収はやむを得ないものと考えております。また、各施設とも常設展が展示の主体を占めておりまして、企画展のみ観覧料を徴収することは現状では困難な状況でございます。ただし、博物館法の趣旨に鑑み、小中学校の児童生徒や学術研究の理由、また上田地域定住自立圏内の高校生以下などにつきましては、観覧料を徴収せず負担の軽減に努めております。 次に、学芸員資格を持つ市職員の育成につきましては、来館者等からの質問に関する回答、企画展の展示、収蔵資料の調査研究等の日常業務の中での学芸員各自の研さんや先輩職員による若手職員の指導育成が欠くことのできないものでございます。また、長野県立歴史館におきまして実施されております実務的な学芸員研修にも積極的に参加をし、より充実した博物館活動ができるよう研さんに努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 久保田議員の質問が終わりました。 お諮りします。日程はいまだ未了ですが、本日はこの程度にとどめ延会したいと思います。これにご異議ありませんか。          〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(土屋陽一君) ご異議なしと認めます。よって、本日はこれにて延会することに決しました。 次回はあす12日午前9時30分から会議を開きます。 本日はこれにて延会します。          午後 6時23分   延会...